冬学期もWeek 5に突入。このところシカゴは異常に寒く、マイナス20度前後の日々が続きます。が、そういっている間にも気づけば卒業まであと、5ヶ月を切ってしまいました。毎日濃い生活を送っているからこそだと思いますがこの調子だと本当にあっという間にMBAの2年間が終わってしまいそうです。 今回は、今学期の授業と、最近の生活についてレポートします。
<最高の授業編成>
以前紹介したGSBのBidding System(授業履修において、学生がポイントをかけて競り落とす制度)においては、ポイントが高い(=人気のある)授業はまとめて同時に取ると補助金が出て、実際にかかるポイントより低い点で授業をとることが可能になっています。
ということで、冬学期には自分の興味のある授業がたくさんあるため(あと寒いので勉強に身が入るかと思い)、前々からポイントをため、万を持して望み、希望通 りの授業をゲットしました。今現在、授業4つ+聴講1つ+フランス語という非常にハードな毎日を送っています。以下、各授業のコメントです。
1. New Venture Strategy (Prof. James Schrager)
GSBのEntrepreneurshipのコースはどれも内容・人気ともに充実していますが、New Venture StrategyはKaplanのPrivate Equity Financeと並ぶGSBの看板授業というべきクラス。
主に2部に分かれていて最初がStart-upの事例を、(1)なぜ消費者がその商品・サービスを購入するのか、(2)どういうStrategyをとっているのか(何パターンかストラテジーのフレームワークを学び、どれにあたるかを検証・分析)、(3)Business PlanのDataは信頼性があり、かつ有効なものか、(4)ROIとリスクのバランスはどうか、といったフレームワークを軸に検証していきます。
Groupで授業の前に前もってレポートを作成しクラスではDiscussionに終始します。成績のうち、Class Participationが占める割合が高く、教授はあいまいなコメントを許さないため、活発かつ緊張感のあるDiscussionが繰り広げられます。ポイントをShort & Sweetにまとめて発言することの難しさを感じますが、一方でクラスメートの(私にとっては)ユニークな意見のChemistryを体感できる、学びの多いクラスだと思います。
クラスのもうひとつの部分が、各GroupによるBusiness Planの構築とプレゼンテーションで、クラスはWeek7に週末の一日を丸ごと使い、各チームが最終Presentationを行い、その評価(教授とクラスメートが採点)が成績に反映されます。
このクラスでは、Teamでほとんどすべての課題をこなすため、誰と組むかが非常に重要です。私のチームはアメリカ人4名(ヨーロッパ系3、Korean American 1)に私という5人編成。Backgroundや大学メジャーもさまざまですが、みな非常にいいTeam Playerで、いろんな意見を忌憚なく交わせるとてもいいグループです。文句なしに、いま一番番楽しいクラスのひとつだと思います。
2. Case in Financial Management (Prof. Anthony Marciano)
このクラスは他の教授でもかなり人気は高いですが中でもMarcianoはGSBのCorporate Financeの人気教授。・・・なだけあって、さすがに授業はわかりやすく、面 白いです。内容は、毎回1本のケースを与えられた質問にそって前もって予習しておき、授業で分析、議論するというもの。こちらもClass Participationが非常に重い比重で評価されることもあって毎回教授、生徒間での議論は白熱しています。
私にとっては最後のFinanceの授業になると思うのですが企業財務の総集編ともいうべき、Practicalな知識かつAnalyticalな洞察が身につく授業です。
3. Managerial Decision Making (Prof. Christopher Hsee)
Organizational Behavior分野の授業。Managerが意思決定をする際に陥りがちなBiasや、その対処法について、実際のQuestionnaireを通 して体感し、討論するというもの。
与えられた質問に答えたあと、それがBiasに見事はまっていたりするとくやしいながらも、コンセプトを体得していく感じが心地よいです。心理経済学についての基本が学べるほか、すでに頭でわかっていたことを、うまく整理してくれている、ある意味Business Schoolらしい授業だと感じています。
4. Business Policy (Professor Harry Davis)
この授業は人気が高いものの、賛否両論。大好きか、つまらないかのどちらかといった類のクラスです。戦略のクラスですが、お決まりのFrameworkについて学ぶのではなく、むしろリーダーシップにおけるPhilosophyやピンポイントのエッセンスについて扱っています。
よって、扱うケースのトピックも多岐にわたり一見ビジネスに関係ないようなことからMetaphorを引き出してビジネス上でどういう意味を持つか、など週ごとに決められたTopicに沿って課題を提出し、Discussionしていく内容となっています。
実は、1回目の授業を出た際にあまりに扱うトピックがあいまいで有益なツールが学べないかもしれないと思い、このクラスをとるべきかどうか悩んでいました。が、結局教授の含蓄のある発言の数々に引き込まれそのまま履修、結果 いまは非常に満足しています。毎回教授の発するメッセージにより、ビジネススクールの域を超えたハイレベルなマネジメントスキル(スピリット)を伝授してもらっているように感じています。
上記の授業以外に、Pricing Strategyというマーケティング関連の授業をAudit(聴講)しています。卒業まであと2学期となり、履修したい授業は山のようにあるため、代替案としてAuditでも十分学べそうな授業を選び、クラスに座っています。
Pricingはまったくやったことがないのですが、コンセプトやツールなど、これまできちんと学んでこなかったことで、かつ非常に実践的な内容がカバーされており、とても楽しんでいます。また学生でいるうちにもうひとつ外国語を学ぼうと思い立ち、昔少し勉強したフランス語のレッスンをとることにしました。
GSBはIMBA(International MBA)向けに比較的安めの費用で受けることができる語学コースがあり、一般 のMBAも同じ条件で受けることができます。将来(老後)、やってみたいなあと思っていることに間接的に役立つ言語でもあるため、卒業後のフランスでのバケーションへの期待に胸をふくらませつつ、楽しく通 っています。
<楽しい学生生活>
非常に一般的なサブタイトルですが素直な感想です。今学期は就職活動も落ち着いてきて気持ちに余裕が出たせいか、忙しい授業の合間を縫って週末はほぼ毎日、遊びに出ています。ただ、前と違うのは、ワークロードが激しい中でも同じくらいハードに遊んでいることだと思います。遊びの予定を入れると、勉強に対するMotivationも上がり、早く片付けようとするため、結果 として効果的に効率よく勉強しているように感じます。
シカゴ交響楽団にてYo-Yo-Maの演奏を聴きに
Ice Hockey観戦の模様
もちろん、先述のとおり今学期の授業は読み物もGroup Studyも多くとてもDemandingなのですが、その分無駄 な時間はなく、楽しくもあり、苦しくもある、とっても充実した毎日を過ごしています。
また、最近スノボとサルサにはまり始めました。今のうちにせっせと練習し、卒業のころにはセミプロレベル(は無理でしょうが)を目指してレッスンに励もうと思います。仕事をしているとなかなか新しく趣味を始めるというのも難しいと思うのですが、この辺も学生生活の醍醐味かなと思っています。
次回は、New Venture StrategyのPresentationに向けて、などについてお伝えすることになると思います。それでは。