今回はこの春学期に履修している選択科目のご紹介をしたいと思います。
Financing the Entrepreneurial Business
略してFEBと呼ばれ、ベンチャー企業やMBO・MBIの資金調達をどのように行うかの授業です。事業環境・資本構成・投資家の期待リターン・リスク要因等を勘案した上で、その企業価値をいくらと算定するか、またその企業価値をベースにいくらのお金をどのような形(Bank loan, Mezzanine Debt, Ordinary shares, Preference shares・・・・)で調達すべきかをケースを通 じて学びます。
Entrepreneurshipの授業の中でも最も人気の高い授業で、私の中では今のところLBSで受けた中でダントツ最高の授業です。2人の教授がCo-Teachしており、1人はGAP・Pizza Express等の初期段階に関わった起業家あがり、もう1人はVCを10年以上経験している教授です。殆どのケースがLBSのベンチャーファンドが投資した案件もしくは教授陣の誰かが関わった案件であるため、教える側が舞台裏まで知り尽くしており、授業に臨場感があります。5週目まででカバーした主なトピックは以下のとおりです。
・How to use different financial instruments?
・How do VCs value the company - Venture Capital Method Valuation
・Due diligence process
・Shareholders agreement, articles, memorandum
・MBI/ MBO/ BIMBO
・Angle Financing
先日ロンドンに遊びに来たスタンフォードの友人とそれぞれの学校でのベンチャーやベンチャーファイナンスの授業について話をしていた時に感じた一番大きな違いはスタンフォードで扱うケースが地理的特性からテクノロジー系のスタートアップを中心としているのに対し、London Business SchoolではFEBの授業の半分近くはMBOやMBI等、純粋なスタートアップでないケースを取り扱っています。
これはアメリカとヨーロッパのVCの生い立ちの違いを反映していると思います。ヨーロッパでは純然たるスタートアップへの投資の比率は今も昔もアメリカに比べ少なく、以前はVCというカテゴリーの中にMBOやMBIの案件も含まれていました。ヨーロッパでプライベートエクィティという言葉がVCと区別 して使われるようになったのはつい最近のことだと聞きます。
New Venture Development
同じくEntrepreneurshipの授業ですが、資金調達ではなくビジネスの立ち上げ自体にフォーカスした授業で、事業機会の評価(Opportunity assessment)とビジネスプラン作成が主なトピックです。上記FEBと同様に過去の投資案件や卒業生の事業を元にケースが書かれており、7割近くの授業にその日取り扱ったケースの主人公(起業家)がゲストとして呼ばれます。全てのケースはベンチャー企業のビジネスの評価に始まり、加えて授業ごとのトピックについて議論がされます。
また授業と平行して5人前後のグループでビジネスプランを書き上げるProjectがあり、学期の最後には実際にInvestorが4-5人集まりビジネスプランの評価をします。学生の中には卒業後(もしくは)将来のビジネスを書き上げる学生もおり、彼らにとってはまたとない機会となります。
私のグループはLBSの卒業生が現在考えているビジネスプランの手伝いを買ってでており、美容整形とエステに関するプロジェクトを行っています。つい先日中間発表である3分間のプレゼンテーションを行いましたが、思うようにメッセージを伝えることができず悔しい思いをしました。残り4週間でビジネスプランを書き上げ、15分間のプレゼンテーションの準備をしなければなりません。本番では他のチームを見返せるように頑張ります。
Fixed Income
London Business School のファイナンス名物教授の1人、Suleyman Basakの授業です。彼は債券に関する第一人者で、授業中に奇声を発しながら、難しい内容の授業を楽しく進めて行きます。前半で通 常の債券の価格理論を扱い、後半ではオプション付の債券・金利スワップ等を扱います。