Campus Report 2002

高橋 邦比呂 to Tepper School of Business, Carnegie Mellon University(全46回)

MBAホルダーへの道

Vol.35 今学期の"メモラブル・レクチャー"

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今年のピッツバーグの冬はすごく暖かく、気持ちのいい毎日が続いています。これを書いているのはもう2月後半ですが、レポートは12月の前半になります。あと一息で2003年分も終わります!

■ サンクスギビング - 息抜きカナダ! Part 2

時間的に少し戻るが、11月の末、サンクスギビングの休み中にまたカナダに旅行をした。今回は車でナイアガラの滝、その少し先にあるナイアガラ・オン・ザ・レイクという小さい街に2泊した。ピッツからナイアガラまでは4時間ほどのドライブだ。

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ナイアガラの滝 - カナダ側から

この地域の魅力は何と言ってもワイン。「ワイナリールート」と呼ばれる道があって、そこをドライブしているだけで、数え切れないほどのワイナリーがある。家族経営のところから会社経営の大型ワイナリーまで様々。ワイナリーでは試飲が好きなようにできる。1杯(といっても1~2cmの量 )50セントくらいとるところもあれば、タダのところもあり。ワイナリーごとに気になったワインを飲む。大きい声ではいえないが、運転してはワイナリー、飲んでは運転の繰り返し。

帰国したらもうなかなかナイアガラの滝には来れないと思う。実質最後のカナダかなぁ、などと思いながらの旅だった。何度見ても、ナイアガラの滝はデカくて荘厳だった。

■ "メモラブル・レクチャー" - バイエル製薬 米支社長のスピーチ

今学期は内容的に関心をもった授業が多かったが、そのなかで特に印象の強かったレクチャーをあげるとすると、バイエル薬品(ドイツ)の元米国支社長のスピーチが思い出される。 これは"Responsibilities and Perspectives of the CEO"という授業で、外部スピーカーとしてわざわざGSIAに来ていただいたものだ。

彼はいわゆる「CEO」とか「リーダーシップ論」で想定するような"こわもて"のイメージとはだいぶ違う、人懐っこそうで、冗談で人を笑わせるのが上手く、それでも隙のないしっかりとした話をする方だった。裏話的なエピソードからそれぞれ啓発を受けたが、そのなかから特に面 白かった3つの話をごく簡単にあげたい。

一点目は、「ドイツ人である彼」がアメリカ支社の社長となったときに遭遇した民族的・歴史的問題についてだ。アメリカ支社で、ある商品のキャンペーンを行った際だったと思うが、ユダヤ人グループから「どの面 を下げてドイツ人がここで商売をするのか」と猛烈な反発を受けたという。彼自身はナチスにも第二次大戦にも直接的には関わっておらず、戦時における事実は書籍などから学んでいた程度だったという。このとき彼は強烈に歴史や民族の「重さ」を痛感したという。

彼は「自分はドイツ人の一人として、戦時の行いについては心から謝罪の気持ちを持っている」と訴えたのち、「もし我々がヒトラーのしたことを無に帰したいと共に願うなら、我々が見るべきは将来であって、或いは子供達に何を見せられるかであると思う。我々が気持ちを同じくしてナチスの行為に終止符を打とうとするなら、今ドイツ人とユダヤ人の間に存在するこの「亀裂」を無くすべきではないか」と話したという。

戦争責任云々の話はこのレポートの目的ではないが、この話は我々日本人にも示唆の富んだものであると思う。日本では、しょっちゅう特定国に対する「謝罪」云々の議論がもちあがっており、それはもはや「外交カード」と化しているようにも見受けられる。バイエル社支社長の彼がとった行動と比較してどうだろうか。日本が繰り返す謝罪と経済支援等が、本当に我々の間にある「亀裂」をなくすときがくるのであろうか。彼が「ビジネス」上とった行動は、日本人の政治や精神態度にも多分に示唆を与えるもののように感じる。

二点目は単純で、とにかく「友達を大切にしろ」ということを強調されていた。彼が言うのは、人は組織で上にいけばいくほど孤独になっていくということ。ピラミッドのかたちを見れば分かるように、上にいけば仲間が減る。責任が増せば、壁ができる。CEOという職質上、これは避けて通 れない。彼を見ていると、とても仲間が少ない孤独なトップには見えないほど親近感を感じさせる人であったが、だからこそ現実味のある指摘だった。「君達がリタイアしたときに、まわりに友達がいるようにしなさい」と訴えられていた。

最後の点は、「知識や数字におぼれないこと」。これはもしかしたらGSIAが数値分析等に力をいれているという評判を意識してのことだったのかもしれない。彼は「意思決定の基礎は知識でも数字でもない、経験だ」と断言する。意思決定をするうで「知識や数字が邪魔になることがしょっちゅうある」と訴え、そういったスキルの自分自身の中での位 置づけに注意をしろ、ということだった。

この授業では何人ものCEOが招待されてスピーチをされ、どの講話も印象深い。しかし、この社長の人柄と話が一番印象に濃かった。次回のレポートでは、Mini2授業の全貌を紹介したい。

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