Campus Report 2002

小林 敏朗 to Marshall School of Business(全30回)

MBAホルダーへの道

Vol.30 MBA留学の感想(最終回)

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日本に戻って既に1ヶ月が経ちました。アメリカから船便で送った荷物も届き、日本での生活もすっかり落ち着きました。僕は2月からIT関係の企業で働くことになっていますが、現在、IT関係の本を読みながら準備しているところです。他の留学生の方々のレポートを拝見していると、なんだか懐かしい気分になります。

先日、キャリアインキュベーションさんのオフィスにご挨拶に伺ったのですが、留学前に座談会を行った部屋に入って、当時のことを思い出しました。僕は全国銀行協会という所で10年近く働いていましたが、そのまま定年まで平凡に働き続けることに対して不安とあせりを感じていました。

銀行協会という古い体質の組織の中で、いつまでも同じような仕事の繰り返しに、自分の能力を伸ばすことへの限界を感じていました。安定した暮らしも悪くありませんが、せっかくの人生ですから、もっといろいろな経験をしてみたいと思っていました。

僕は当時33歳でしたが、留学、転職するには最後のチャンスでした。銀行協会は非常に特殊な会社なので、他の企業で使えるような知識や技術はほとんど身につかず、30歳過ぎの転職はとても困難な状況でした。

そのような中で、MBA留学に今後の人生をかけることにしたのです。米国に留学してMBAを取れば、人生の選択肢も増えて、もっと面 白い人生にできると考えたのです。このように当時は大きな期待を胸に渡米しました。今回は実際に留学を終えてみた感想を書くことにします。

キャリアチェンジ

僕の場合、留学の最大の目的はキャリアチェンジです。前職では内国為替制度の運営という非常に特殊な仕事をしていたので、転職する際には必ずキャリアチェンジとなります。銀行業界でジョブファンクションを変えて転職することも考えられましたが、どうせなら銀行業界よりも成長性のある業界に行きたいと考えていました。

ただ、具体的な業界については絞り込んでいませんでした。この点は、反省材料です。 就職活動では経験者との競争になるので、キャリアチェンジ組としては、1つか2つ業界を絞ってしっかり研究すべきだったと反省しています。

業界については絞ることができませんでしたが、もう一方のジョブファンクションについてはコンサルティングとマーケティングに絞って、授業も戦略系とマーケティング系の授業を中心に取ることにしました。前職の業務内容は企画系の仕事だったので、その延長線上として適当な選択だったと思っています。

僕の場合、30台半ばでの転職になるので、ポテンシャルだけでは採用してもらえません。面 接の際にも、前職での経験をどのようにしてその企業で活かすことができるかをアピールすることが最大のポイントになりました。

MBAは、キャリアチェンジするためにとても役に立ちました。僕はIT系の企業以外にもコンサルティング会社、医薬品メーカー、電機メーカー、銀行などと面 接しましたが、しっかりと業界研究をしておけばキャリアチェンジ組でも十分にチャンスはあるという印象を受けました。もし留学していなければ、転職先は金融機関に限定されていたはずです。キャリアチェンジができたという点で、MBAの意味はあったと思います。

ただし、金銭面での投資対効果はマイナスです。この点は転職にあたって自分が何を重視するかによって変わってくるものと思います。僕の場合は、元々金銭面 に不満があった訳ではないので、仕事内容や企業としての成長性を重視しました。その結果 、給与は若干低下しました。ただし、キャリアチェンジであっても、コンサルティングや投資銀行に的を絞って就職活動を行えば、十分な投資対効果 を得ることも可能だと思います。

学生生活

USCはMBAのランキングで20位前後の大学ですが、学生の質、教師の質にはバラツキがあります。これは案外メリットです。優秀な教授、優秀なチームメートを選んでハードな勉強生活を送ることもできますし、時期によっては、そこそこの教授、あまり熱心でないチームメートを選んで就職活動に力点を置くことも可能です。1学年300人弱という人数も授業のバラエティを確保しつつ、同級生としての一体感を保つのに適当な規模だと思います。

僕の場合、1年目は日本で通信教育を受けて、2年目からLAのキャンパスに編入となったため、ネットワークという面 ではかなり苦労しました。それでもマーケティング系の授業をとっていれば、自然と他のマーケティング専攻の学生とクラスが重なって仲良くなっていくことができました。これは規模の小さいメリットだと思います。

僕の留学の目的の一つに、語学力の向上がありました。1年半もアメリカに住んでいれば英語もかなり上達するはずと思っていたのですが、残念ながら英語は期待していたほど上手くはなりませんでした。

もちろんリーディングのスピードが上がったり、それなりにライティングもできるようになったのですが、リスニングとスピーキングは留学前とあまり変わってないような気がします。発音のクラスに通 って、なんとか上手くなるように努力したのですが、音声認識の回路を変えるのはそう簡単ではないようです。

10年近く社会人生活を経験してから学生に戻るというのも貴重な体験でした。社会人であれば仕事の時間とプライベートの時間をはっきり分けることができますが、学生の場合、勉強の時間とプライベートの時間はほとんど区別 がつきません。時間をどのように使うかは自分で決めることができるのです。ビジネススクールの授業は決して楽ではありませんが、自分が好きで選んだ道なのでそれほど苦にはなりません。

一方で授業を楽にしようと思えばそれも可能です。この自由度は米国MBAの魅力の一つだと思います。そのような環境で育つ個性的な人々をみていると、アメリカで就職活動をする日本人の気持ちもなんとなく分ってきます。

なんだか取り留めのない内容になってしまいましたが、米国ビジネススクールに留学してみて良かったというのが感想です。特に2年目に編入した当初は学校になじめずに苦労することも多かったのですが、今となっては良い思い出です。

この1年半の留学レポートが今後留学を目指される方々、そして現在留学中の方々の参考になれば幸いです。今までお読みいただき本当にありがとうございました。

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