4学期は学生数が減少
3月上旬からは4学期が始まりました。1週間ほどの学期間休みを終えてキャンパスに戻り、まず感じるのは、学生数の減少ぶりです。3学期に130名ほどいた同期が4学期には60人ほどに激減します。3学期(1-2月)にキャンパス交換でフランスから大挙やってきた同期(60名ほど)の大半が戻って行ったほか、シンガポールでMBAを始めた学生も20名ほどフランス・キャンパスに移って行きました。
4学期にINSEADの学生がフランス・キャンパスを好む理由は、就職活動上有利という点が一番大きいようです。一年制MBAのINSEADでは4学期(9月スタートの学生の場合、3-4月)が就職活動シーズンにあたります。ヨーロッパでの就職を考えている場合には、インタビューなどを考えるともちろんフランス・キャンパスの方が便利ですし、企業の説明会などもフランス・キャンパスの方でより頻繁に開催されます。
一方、今期のシンガポール・キャンパスは学生数も少なく、科目によっては学生数10数名のクラスもあります。また同期の学生間の連帯感もより強固となり友人関係が深まります。
必須科目は終了、選択科目のみとなる
4学期には必須科目がすべて終了し(落第していない限り。。。)、授業はすべて選択科目となります。最低4科目、最大で6科目まで選択できます。4学期の選択科目は以下の通 りです。
ストラテジ | マーケティング |
---|---|
Strategic Competitive Analysis | Market Research |
Environmental Sustainability and Competitive Advantage |
Advertising & Promotion Strategy |
Value Based Management | |
ファイナンス | ベンチャー |
Options | Social Entrepreneurship |
Applied Corporate Finance | Realising Entrepreneurial Potential |
オペレーション | 組織論 |
Project Management | Managing Across Culture |
Operations Management | |
政治経済全般 | 政治経済全般 |
Transnational Governance, Business & Society | Environmental Sustainability & Competitive |
International Business & Government policy | Advantage |
China(A) |
私は、Applied Corporate Finance, Options, Project Management, China (A), Managing Across Culture, International Business & Government Policy を履修しています。3学期は今ひとつ物足りない授業も1,2ありましたが、今学期は個人的には授業にはとても満足しています。以下、簡略にコメントします。
Applied Corporate Finance (ACF)
INSEADでの全ての科目の中で、もっとも所要勉強時間が多いとされているのがこのACFです。深夜に学校で勉強している人、週末に学校で必死に勉強している人がいれば、ほぼ確実にACFを履修している学生と考えてよいくらい(?)です。15回のクラスのうち、講義は5回ほど、あとの10回は「ケース」の議論となります。下記は簡単なケースの例です。
「アメリカの製鉄大手A社が韓国で製鉄中堅B社を買収しようとしています。B社の過去5年のバランスシート、損益計算書は~、向こう5年の売上げ予測は~、所要設備投資費用は~、ドル/ウォンレートの予測レートは~、A社にとって適切な買収価格は?」
ACFでは4名ごとにチームを組んで、すべてのケースについて授業までにレポートを提出、授業での議論に臨む事となります。ひとつのケースに8時間使うとして、週2回ケースがあれば16時間はACFに費やす事になります。。。 でも不思議と人気授業です。
Options
フォワード、スワップ、オプションその他、金利オプションや、クレジット・デリバティブなどについて勉強します。ACFと同じPierre Hillionという先生が教えています。この先生はINSEADでも看板教授の一人だけあって、授業は非常に面 白いです。テクニカルな理論も一応やりますが、それよりもより実践的なオプションの使用例、そのリスクについて感覚を身につける事に重点が置かれています。
Project Management
工場建設や、製品開発プロジェクトの運営方法について勉強します。金融出身の私にとっては慣れない分野で、授業についていくのが大変です。ケースを使いつつ、プロジェクト運営の手法について学びます。ついこの間の授業では、「ユーロトンネル(英仏海峡のトンネル)」を例として、建設予定期間(ユーロトンネルでは1年遅れ)、コスト(ユーロトンネルでは当初予定額の2倍以上に拡大)の管理の手法(契約内容、設計発注と建設発注の分離)などについて学びます。
China (A)
ビジネスにフォーカスをあてた中国研究です。中国の企業様式(国有企業、外資とのジョイントベンチャー)、ベンチャーキャピタルの現状、人事政策の特徴などについて学びます。Steven White というアメリカ人の先生が教えています。4学期と5学期の間の休暇にはChina (B) というフィールドトリップも組まれていて、アジアについて見識を深めたいとの私の個人的な興味関心に合っています。
Managing Across Culture
異文化間でのビジネス交渉について学ぶという授業です。China(A)を教えているSteven Whiteがこの授業も担当しています。企業による個人の業績評価方法の違いや、また交渉のアプローチの違いなどロールプレイなども交えて授業が進みます。こういったファジーな授業は先生の質により大きく左右されるので、私は避ける事が多いのですが、China (A) を教えているSteven White先生の授業スタイルを気に入ったのでこの授業もとる事にしました。
International Business & Government Policy
この授業はミニコースとなっており、4学期後半から始まる予定です。シラバスから判断する限り、経済学的なアプローチを使って、企業と公共政策(関税・非関税障壁、優遇税制など)の関係について見るコースのようです。