Campus Report 2004

相野 勇雄 to Hitotsubashi University Graduate School of International Corporate Strategy(全19回)

MBAホルダーへの道

Vol.1 HMBAに辿り着いた経緯

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これからキャンパス・レポートを読んでいただく上で、(1)国内MBAを目指す人にどのような人がいて、(2)何をきっかけに国内MBAを目指したかが分かるように、今回は自分がHMBAという選択肢に辿り着いた経緯について書きたいと思います。

【ビジネスへの第一歩として会計を学ぶ】

大学時代、ビジネスとは無縁の生活を送ってきた私。そんな自分にとって、1999年、就職氷河期真っ最中の就職活動は大変辛いものとなりました。留学先から帰国してすぐに就職活動を開始。当時、企業は新卒採用を絞っており、かつ新卒にも少しでも即戦力となることを要求し始めていた時期かと思います。その中でコレといった経歴もなく、好奇心の旺盛さと行動力というポテンシャル以外にウリがない自分が職を得ることがいかに難しいかということを痛感しました。

そこで、自分はビジネスを勉強しようと思い、その第一歩として会計の勉強を始めることにしました。その理由は、(1)勤務先の業種、業態を変わってもスキル・ベースの持ち運びができ、且つ同様の理由で選択肢にも入れていたITという分野よりも (1)スキルの陳腐化が遅いと思ったからという単純な理由でした(実際には、日本の会計制度も大きく変わっている最中ですのでフォローアップは欠かせませんでしたが...)。

それと勉強を始めるにあたっては、何か資格をとろうと思いました。それは、(1)明確な目標があったほうが、勉強のペースを作りやすいことと、(1)外部に対して自分がどれほどのスキルをもっているかを客観的、かつ端的にアピールできる手段が欲しかったからです。

それで、USCPAという1999年当時はマイナーだった資格の勉強を始めることになりました。その資格を選んだ理由は、簿記の勉強だけをするよりも、一緒に英語の勉強が出来たほうが一石二鳥かも?!という非常に単純な発想に基づいたものでした。

【経理・財務マンとしてのキャリアパスに悩む】

結局、営業職として採用された会社にそのまま入社。ただ、研修中の猛烈なアピールが実って(?) 経理・財務部に配属され、連結決算業務を担当することになりました(実際には英語ができる前任者がMBAに進学してしまったため、会計知識には目をつぶって配属したというのが実情だったようですが...)。

運と勢いで手に入れた連結決算という業務は当初、新鮮で楽しかったです。特に勉強した会計知識が実務の中で感覚として馴染んでくると、業務の習得もスムーズに進み、自分自身の成長自体を楽しんでいる部分もありました。

加えて、海外子会社と英語でやり取りをしている時には、『米国公認会計士を目指した自分にはとって、これこそ天職だ!』とさえ思っていました。 しかし決算は基本的には、定型業務です。慣れてくると、財務会計の知識よりも、『いかにして会計システムから数字をより素早く、且つ正確に抽出して決算書を作成すべきか?』というIT寄りの命題が頭をもたげてくるようになりました。

自分もVBAを学んだりして、努力はしたつもりでした。しかし、業務に必要なIT知識の上辺だけをかじってみても、土台となる周辺知識がなく、会計システムのオペレーターという立場を抜け出すことが出来ませんでした。すると、業務を改善して、その過程での自己の成長を喜びとする機会を次第に失い、仕事が単調になってきている気がしていました。

また、自分が作成した財務諸表を見ても、企業の強みや弱みを理解できないことも仕事の面 白みを味わう機会を逸脱させている一因であると感じていました。決算業務を担当していたと言うと、財務諸表の内容が理解できる人と思われているかもしれません。しかし実際には、経理の人は個々の会計処理や、財務諸表の作成方法については詳しいものの、財務諸表をポンと渡されても、ある経営上の意思決定が妥当かどうかの判断材料としてそれを利用できるとは限りません。

自分がまさにその典型でした。だから、決算報告書を機械的に作り続ける一方で、例えばグループ再編プロジェクトでも決算値を組み替えて会計上のシミュレーションを提供するだけでなく、その後の事業戦略にまで踏み込んだ包括的な企画・立案ができたりしたら、きっと楽しいだろうなぁとも考えるようになりました。

そのようにして、手持ちの会計知識だけなんとか給料をもらえるポジションを探すのではなく、"+α"の部分を補って、もっと仕事に面 白みを見出せるようにキャリアを展開したいと考えるようになったのです。

その時、自分の中に浮かんだ選択肢は、3つ。(1)IT知識を強化して、このまま経理業務のスペシャリストを目指す、(2)ファイナンスの知識を強化し、財務マンになる、(3)管理会計や企業戦略というビジネス全般 の知識を補強し、経営企画/事業企画等を目指すというものでした。

結局、IT関係はスキルの陳腐化が早いので(1)は、早々に選択肢から外しました。それで大雑把ですが(2)か、(3)を目指すことにしました。選択肢の絞込みをあまり行わなかった理由は、若いうちからあまり絞り込んでしまうと、将来のキャリアにおける選択肢が狭くなってしまうと思ったからです(特に勤務先が細かく分業が進んだ大企業でなかったためか、(2)と(3)の業務の垣根はそれほど高くなく、行ったり着たり出来る気がしていました...)。

【手段としてのMBA】

大雑把にキャリアの方向性は決めたので、次にその方向に自分を向かわせる手段の選定に入りました。キャリア・デベロップメントの手段として、脳裏に浮かんだ選択肢は(1)社内での異動、(2)転職、(3)進学の3つありました。そこで自分は、それらの選択肢の吟味に入りました。

まず、自然と耳に入ってきたのが(2)転職という選択肢でした。自分がUSCPAに合格した2000年には、まだ求人の割には合格者が少なかったため、今思えばかなり待遇の良い案件も数多く寄せられてきました。だから、給与アップに直結する選択肢は、自分のココロを揺さぶるだけの十分な魅力を持っているように当初は思えました。

しかし当時、転職先として紹介された案件の殆どがそれまでと同じ経理という職種でした。『ここで外資系企業の経理として転職すると、給料アップにはなるけど、企業をスライドさせただけで実力アップにはつながらないなぁ。』と思い、同時に、『今、転職してしまうと、この先も自分のキャリアに"経理マン"というレッテルを貼られて、かえって将来のキャリアの選択肢を狭くしてしまうなぁ。』とも考えました。

そうすると、(2)転職という選択肢は自分の目的と合致しないように思われました。 次に(3)社内での異動という可能性も検討してみました。しかし、実務を通 して"経理マン"として社内では一定の評価がついており、且つ"ポストが空くのを待つ"という受動的なスタンスは、基本的に自分の性に合わないと判断しました。

それで結果的には、(1)進学して、キャリアを広げるための知識とポジションの獲得を積極的に目指すという選択肢に落ち着きました。 大学の先輩や、勤務先の先輩がMBAに行っていたせいか、『社会人がビジネスを学ぶならMBA』という先入観があり、自分の中では進学=MBAでした。

もし、自分の進学が数年遅ければ、日本のアカウンティング・スクール(会計専門職大学院)も、場合によっては検討の対象に入っていたかもしれません。

【海外MBA⇒国内MBAへ変更】

当初、MBAというものを意識して、MBA candidates御用達の予備校TPRJに通 い始めました。多くの人がそうであるように、自分も当然のようにアメリカのMBAを目指しました。

予備校に通い始めた時のTOEICの点数は、800点台半ば。当初の感覚では、自分のペースでも一年ほど予備校に通 いつつ勉強すれば、TOEFLとGMATで必要な点数は、クリアできるだろうと思っていました。 実際に、勉強を続けた仲間はそのままアメリカのMBAからオファーを貰っていますので、その認識は間違っていなかったのかもしれません。

しかし、TOEFLとGMAT対策で四苦八苦している中で不安に思ったことがありました。それは、英語で授業を受けることで、英語対策に手が一杯になってしまって、授業内容の理解が薄くなってしまうのではないかというものでした。

正直、MBAというブランドだけが欲しければ、それで良かったかもしれません。けれども、自分の場合は、会計"+α"の知識を身に付けることを一番の目的としていましたので、それを身に付けるための阻害要因は出来るだけ回避したかったというのがホンネでした。それで、アメリカのMBAから日本語で授業が行われる国内MBAに進学先を変更することにしました。

【フルタイム or パートタイム】

国内MBAには、大きく分けて2つの選択肢があると思います。一つは、平日昼間は仕事をして夜間や休日に学校に通 うパートタイム、もう一つは仕事を中断して通うフルタイムのプログラムです。 確かに、パートタイムはキャリアと収入を途切れさせないというメリットがあります。しかし自分の場合は、基本的に勉強よりも仕事のほうが好きですので、パートタイムだと勉強に身が入らない気がしていました。

また自分の場合は、もともと仕事を中断して海外のMBAへ行くことを想定していたので、国内MBAを受験することになってからも、フルタイムのコースを選ぶことに迷いはなかったです。それで、日本語で授業が行われる東京近郊のフルタイムMBA、慶応ビジネススクール(以下、KBS)、早稲田ビジネススクール(WBS)、一橋ビジネススクール(HMBA)の3校を受験することにしました。

【KBSとHMBA】

受験の結果、自分には2つの選択肢が残りました。KBSとHMBAです(WBSは、書類選考はパスしましたが、2次試験の日程がKBSと重なっていたため辞退しました)。

KBSは、日本では伝統ある実力校で、既に各方面でOBが活躍している実績があり、日本語で授業が行われる国内MBAの中では、就職実績はダントツというイメージがありました。また、仕事は人と話し合いを重ねながら進めていくのが好きなタイプなので、ケース・メソッドという学習方法は(授業にフォローできれば)きっと楽しいものになるだろうとの想像もできました。

それに対して、HMBAはコースが始まってからまだ日が浅いため、卒業生の実績の積み重ねというものがありません。よって、知名度がKBSに比べて低く、結局は本人次第とはいえ、確率論を言えば就職もKBSよりも厳しいと判断していました。

しかし一方では、KBSとの比較においてはケース・スタディー一辺倒でない授業スタイルには、好き嫌いを超えた魅力を感じていました。特に、"+α"の知識として身に付けたいと思っていた企業財務や、戦略の分野では、ある程度の理論を身に付けることは不可欠で、それなしではケース・スタディーの有効性も半減してしまいかねないと考えていたからです。

結果的に、自分はHMBAに進学することになりました。もともとMBAに進学しようと思った理由は、先ほど述べたように会計"+α"の知識をキチンと身に付けたいというものでした。別 の言い方をすれば、実務に近い勉強(≒ケース・スタディー)は学校でなくても、実際に職場に戻って理論を反芻するかたちで補えると思っていました。それで最終的には、進学を志した時のきっかけとなった理由を最優先させてHMBAという選択になったのです。

正直なところ、就職実績や、卒業生の話を聞きながらも、学校選択はかなり悩みました。ただ現状でハッキリとしているのは、この選択自体よりも、後になってこの選択で良かったと思えるように、これから一生懸命努力していくことのほうがずっと大切なことなのだと、今は考えるようにしています。

いよいよ明日は、入学式。期待と不安の入り混じった大学院生活の始まりです。このレポートの続きがどのようになっていくのかは、まだ未知数です。けど、より多くの人に読んでもらえるように国内MBAのイメージが湧くようなレポートを書いていきたいと思います。

それでは、また次回!

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