お正月に家族と共に
Japan Trek終了後、年末年始の1週間を実家のある大阪でのんびり過ごしました。その後、友人・知人を訪ねて行った香港に1週間滞在した後、食事がおいしく、かつ、暖かい香港に後ろ髪をひかれつつ、厳寒の地Philadelphiaに戻ってきました。
今回のレポートでは、3rd Quarterの前半にあたる1月の生活についてレポートさせて頂きます (随分遅いレポートとなってしまい、申し訳ありません)。
<Hong Kong & Shenzhen訪問>
1月4日(日)に大阪を発ち、香港へと向かいました。香港で同じくビジネス・スクールに通 っている友人や、香港で仕事をしている前々職場の上司や同僚に久しぶりに会うことと、パソコン産業を中心とした加工業の集積地として名高く、また、香港から非常に近い大都市でありながら物価が格段に安い街であるというShenzhenへ行ってみるこ とが主な目的でした。
Hong Kong University of Technology
着いた日の翌日、友人の学校の皆さんのご厚意で、Hong Kong University of Technologyのビジネス・スクールのNew Year Party に私も参加させて頂きました。昨年のSARSの影響で、Class of 2005は一学年50人という通常よりも小規模なクラス編成となっているそうですが、約半数が International であるという多様性と、何ともいえないアット・ホームな雰囲気がとても印象的でした。
1年目のコア・クラスで、基本的な理論を学んだり、アジアを中 心としたケース・スタディーをし、2年目はさらに視野を広げるべく、アジアや欧米の他のビジネス・スクールへExchange Programで行くシステムになっている そうです。
これまでの仕事のこと、今通っている学校のこと、今後の進路のこと等々を話しながら、楽しい時間をご一緒させて頂きました。
香港から船で向かったShenzhenでは、工業地域に立ち並ぶ工場やそこで働く人々が帰宅する人の流れと、商業地域の高層ビルや店舗の多さと人々の活気にただただ圧倒されました。
Hong Kongにて友人と共に
Shenzhenにて
また、香港で行った夜市では、欧米の旅行者が英語で買い物をしていたのと、一緒にいた友人が北京語で交渉してくれた私の買い物との値段の違いに驚いたりもしましたが、アメリカとはまた異なるアジアの雑踏や人の気質を心地よく感じながら過ごしました。
また、年明けで忙しい合間を縫って頂いて、現在大手監査法人の香港事務所に駐在されている元上司や、シンガポールを中心に香港・中国・日本でフリーランスの公認会計士として仕事をしている元同僚と?年ぶりに再会し、香港その他中国での仕事のお話を聞かせ頂くこともでき、今後の進路を考える上でとても意義深く、かつ、楽しくて、おいしい1週間を香港・Shenzhenで過ごした後、Philadelphiaに戻ってきました。
<3rd Quarter: 時間割>
3rd Quarterの時間割は、1月末より本格化する大部分の生徒のアメリカでの就職活動に備えるため、授業のコマ数、及び、Learning Teamで行うべき課題を少なくすることによって、非常に負担が軽くなるように設計されています。
私は、Managerial AccountingとMacro Economicsをwaive し、ElectiveとしてAdvanced Corporate FinanceとStatistical Modelingをとり、下記のような時間割となりました・・・
Speculative MarketsというElectiveも最初にとっていましたが、実際何度か授業に出てみたところ、私が期待していた内容とは異なりderivative の価格算定がかなりの比重を占めていたこと、2年目で取りたいElectiveの授業や希望するExchange Programへの参加を考えた場合、今期に慌てて Electiveをとる必要はないという結論に至ったこともあって、途中でdropすることを決めました。
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Monday
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Tuesday
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Wednesday
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Thursday
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9:00-10:30 | (Managerial Accounting)* | The Governmental and Legal Environment of Business |
(Managerial Accounting)* | The Governmental and Legal Environment of Business |
10:30-12:00 | ||||
12:00-13:30 | (Speculative Markets)*** | (Speculative Markets)*** | ||
13:30-15:00 | (Macro Economic Analysis and Public Policy)** |
Decision Models and Uncertainty |
(Macro Economic Analysis and Public Policy)** |
Decision Models and Uncertainty |
15:00-16:30 | Advanced Corporate Finance | Statistical Modeling | Advanced Corporate Finance | Statistical Modeling |
* waiveしました。
* * waiveしましたが、Whartonの看板教授による非常に興味深いコースであるため、全授業を聴講しました。
*** electiveの授業として当初とりましたが、その後dropしました。
<3rd Quarter: 授業内容>
以下では、1月に受けた授業の中で特に印象に残ったことについて思うところを書かせて頂きます。
Macro Economic Analysis and Public Policy:
Macro Economicsの授業は3人の教授が担当されていますが、中でもWhartonの看板教授の一人であるProfessor Jeremy Siegel が担当されている授業は、毎回授業の初めに20~30分くらいかけて行われる"Market Commentary"(様々な指標や経済動向とMarketの動きに関する教授の分析)に授業をとっていない他の生徒も詰め掛け、また、私のようにwaiveしたり他の教授の授業をとったりしてもSiegel教授の授業を聴講したいという生徒 が殺到する大人気の授業です。
今年5月にThe Wall Street Journal主催で開かれるWorld Business Forum 2004のスピーカーの一人 として、Clinton元大統領や、Professor Phillip Kotler、Professor Michael Porter、Jack Welch氏と共に招かれておられる Siegel教授ですが、ユーモアに溢れた気さくな方であり、Macroeconomicsを単なる理論としてではなく、実際の経済動向を理解するための手段として教えることに情熱を持たれており、「Social Scienceは、決してperfectではないが、社会の進歩に大いに貢献してきており、マクロ経済の理解が進んできたことによって、 我々が1930年代に経験したような金融崩壊や大恐慌に直面することは2度とないだろう」と力強く語られていた言葉が印象に残っています。
Advanced Corporate Finance:
Fall SemesterのFinancial Analysisで学んだことを基礎としつつ、LectureとCaseの組み合わせを繰り返しながら企業評価について深く学んでいくコースです。
Spring Semester12週間に渡る授業で、主に、4名のTeamで合計8回のCase Write-Upを提出することを通して、議論をし、仮定をおいて、実際の評価手法に親しんでいきます。1年生でこの時期にElectiveの授業をとる人はあまり多くはいないので、果 たして誰か知っている人はいるの だろうか?
うまく誰かと4人でteamを作ることが出来るだろうか?と、不安な気持ちをかかえて最初の授業に臨みましたが、Financeの中では非常に基本的、かつ、重要なコースであることもあって、想像していたよりもたくさんの1年生がクラスにおり、同じクラスのイギリス人、彼の友達のイタリア人、オーストリア人、私の4名でチ ームを作ることとなりました。
Decision Models and Uncertainty:
ExcelやCrystal Ballというソフトや、モンテカルロ・シュミレーションを利用して、最適なプロダクト・ミックスや投資意思決定について考えるコースです。これまで全く知らなかったことを学ぶ新鮮さと、本授業用に編集されたテキストや授業用のNotesが非常にうまく作られておりわかり易い説明になっていることに感嘆しています。
Statistical Modeling:
Coreで学んだ回帰分析に対する理解をさらに深めることと、回帰的なツリー構造を用いたデータの分類について学ぶElectiveのコースです。Whartonに来るまで全く統計学を学んだことのなかった私にはCoreのStatの授業ですら難解に感じられましたが、同時に、実際の仕事への応用や実用性を考えると統計学は非常に興 味深い科目なので、思い切って選択しました・・・
統計学は一般的にあまり人気のある授業ではなく、あえて統計学をとる人は、私を除くと"かなりのマニア=とてもよく統計学を理解できている人"です。
人員採用や、株価、企業倒産、アマゾン・ドット・コムの購買等に関する実際のデータを用い、毎週課題が出されてとてもよい勉強になっているのですが、私にとって難解であるという事実は変わらず、早くも3週目の課題をする際にかなり行き詰ってしまい、Teaching Assistantのところへ駆け込んで、延々数 時間に渡って手ほどきを頂くこととなりました。が、引き続き奮闘しています。
< Tax Assistant Program>
極寒のPhiladelphia
1月の半ばに、Tax Assistant Program (WhartonのCommunity Service 関連のClub)のVolunteer Tax Trainingに参加しました。
これは、1999年にペンシルバニア大学によって始められた"Campaign for Working Families"という活動の一環で、 少しでも多くの低所得世帯が所得税還付を受けられるよう、還付申告をボランティアで行うためのトレーニングです。
フィラデルフィアだけで約50,000世帯が、低所得のた め所得税還付を受けられるはずであるにもかかわらず、そういった制度があることすら知らない、もしくは、煩雑な手続を敬遠している等の理由によって、還付手続きを行ってお らず、約$ 84M (=92億円)が還付されないままとなっています。
そこで、還付手続きをボランティアで手伝い、少しでも低所得世帯の生活改善につなげていこうというの が、この活動の主旨であり、その活動に参加するためのtrainingです。
Trainingは、Wharton生の他、Low Schoolの生徒やペンシルバニア大学の学部生等約30名が参加して3時間にわたって行われました。以前、USCPA受験のために一度学んだことのあるアメリカの税法ではありますが、今回は、Softwareを使った実際の還付手続きを学ぶ研修であったため、内容を理解しうまく操作できるようになるまでにかなり時間がかかってしまいました。
少なくとも来年のFiling時期にはなんとか実際の活動に参加できるよう、引き続き自主的な trainingが必要であることを痛感しつつ、修了試験を終えました。