2年前の7月からMBAレポートの連載を書かせてもらいましたが、今回が最終回となります。人生の2年間を費やしたMBAとは一体、私にとってどのような意義があり、そして今後の人生にどう影響していくのだろうか、、などといったことを考えてみたいと思います。
アカデミック
卒業後、教科書、講義スライド、リーダーなどの整理をしていると、この2年間に読んだ量 に圧倒されます。5箱のダンボール箱以外にも印刷してないファイルがPC上に山のようにあります。実際には、実践的なのものもあれば、理論的でそのまま適用できないものもありますし、単純に企業の動向などの資料もあり、中にはあまり覚えてないものも正直あります。
1年生のコアクラスではビジネス全般のクラス(マーケティング、ファイナンス、組織論、会計、統計学、マクロ・ミクロ経済学、オペレーション、戦略)で重要なポイントをおさえたので今後読み直したり、必要に応じてその都度学んだことをさらに深く調べたりすることもできるでしょう。
こう考えてみると、最も重要であったのが、今後行き詰まったときに、これらのバイブルのような参考書から該当箇所をピックアップして効率良く、読み直すことができることではないでしょうか。また、いくつものケースに鍛えられた分、解決策を模索する際に物事を体系的に捉え、分析することができるようになったことかと思います。
ネットワーク
やはりMBAにおいて、ネットワーキングは重要です。アメリカの企業に話をしたり、インフォメーショナルインタビューを行ったりする際は、卒業生データベースを使いコンタクトをとることができます。プロジェクトの課題の際もリクルーティングの際も、Haasの卒業生は誰もが親切に相談を引き受けてくれました。今後もこのネットワークを活用することができるのは、コネ社会のアメリカでは大きいのではないかと思います。
UC BerkeleyのMBAプログラムの最も良い点は、クラスが小さいことにあります。同級生も240名と他のビジネススクールと比較してもかなり少ないと思います。その分、コミュニティーとしての絆が深く、仲間意識も強いのだと思います。また、インターナショナル志向の学生が多く、今後海外で活躍する同級生が多くいることから、国際ビジネスに係わる人にとっては、かけがえのないネットワークと仲間ができたと感じています。
そして、日本人留学生に関して言えば、年齢や業界を超えた友人関係を築くことができたと思います。MBAにこなければ、会うことはなかっただろう人達ばかりで、また一人一人が個性的な故、同じ日本人でも物事に対してさまざまな視点があることにこの2年間気づかされました。
最後にですが、この2年間、私を支えてくれた友人、家族に感謝したいと思います。時には苦難もあったMBA生活を乗り切れたのも彼らのサポートがあってのことでした。また、このレポートの場を与えてくれたCareerinqの皆様にもお世話になりました。レポートに関してだけではなく、日本の転職状況やキャリアについてなどの情報やアドバイスも頂くことができ、海外にいて不安な分大変助かりました。
今後MBAに進学する方へのアドバイスですが、MBA採用で海外まで足を運ぶ日本企業は少ないですし、業界も限られていますので、自分に合った信頼できるヘッドハンティング会社とのコネクションをつくった上で、海外に行くとその後、情報収集に大変役立ちますし、キャリア設計を考える上でも重要となります。
最初のレポートにも書いたとおり、私としては、MBA生の生の声をお届けするというのが主旨でありました。これがどの程度お伝えできたかは、読者の皆様の判断どころではあるかと思いますが、私としては、なるべく気取らずそのままの生活をレポートしたつもりです。今まで、レポートを読んでくださった方、本当にどうもありがとうございました!