Campus Report 2002

服部 奨 to London Business School(全33回)

MBAホルダーへの道

Vol.32  MBA総括(前編)「自分にとってのMBA」

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前回は卒業式やSummer Ball(卒業パーティー)の様子をお伝えしました。その後ロンドンに1週間、実家のある東京に2週間ほど滞在し、3日前から上海に来ております。MBAの同級生(フランス人)のFlatに居候をさせてもらいながら、観光と語学の勉強を兼ねた、のんびりした毎日を送っております。

今回と次回で、2年間のMBAの自分なりの総括をお届けしたいと思います。今回は「自分にとってのMBA」について思うところを、次回は「MBAの投資価値」について私見を述べさせて頂きたいと思います。

自分がMBAに期待していたもの

私がMBA留学に求めていたものは(1)経営の基礎的なスキルセットを身につける、(2)一生ものの人的ネットワークを築く、(3)後悔の無いキャリアチェンジをする、の3点でした。以下、上記3つの目的に照らしてロンドン・ビジネス・スクールでのMBA留学を振り返ってみたいと思います。

経営の基礎的なスキルセット

留学前はMBAのプログラムが終わると、経営に関する様々な事柄が自分の頭の中ではっきりと見えてくるものだと思っていました。残念ながら、世の中はそんなに甘くなく、MBAを終えた現在でも分からないことだらけです。それもそのはずで、MBAで習ったことの多くは自分が経験したことのない事象をケーススタディーという形式で疑似体験しているに過ぎないからです。

私は三井不動産で経験した管理会計・マンション開発(投資・マーケティング)およびサマー・インターンで経験したコーポレート・ファイナンスについては多少の実体験がありますが、それ以外に関する知識は机上の勉強で学んだものでしかありません。

それでもMBAは他の修士課程の学問に比べれば、かなり実践に近いことを学べる場だと思います。幅広い経営の知識をケーススタディーという生に近い教材で学び、成功や失敗を経験してきた多くの先達や同輩(ゲストスピーカー・教授・ケースの登場人物・クラスメイト)から多くの教訓を学ぶ機会は、日々の仕事をしながら得られるものでは必ずしもありません。

もちろん一部の恵まれた職種で活躍する非常に優秀な方の中にはMBAが必要ない方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら大部分の凡人にとっては、時期を区切り、体系だった形でフレームワークを叩き込むという手法は、ある意味効率の良い方法だと私は思います。

また、多くの学生がインターンで様々な業界を経験しようと試み、学校側が必須の卒業プロジェクトを課すのも、将来経営者もしくはそのアドバイザーになろうとする者にとって、1つでも多く、実体験の引き出しがあることが重要だと考えているからでしょう。その意味でサマー・インターンの就職先(メリルリンチ日本証券投資銀行部、及び同社債券部自己勘定投資チーム、ボストン・コンサルティング・グループ)に恵まれたこと、また学外とのプロジェクトを多く課すロンドン・ビジネス・スクールでMBAを学んだことは私のMBAでの学習効果 を大いに高めてくれたと思っています。

人的ネットワーク

MBAを通じて一生もののネットワークを築くことは私の大きなテーマの1つであり、概ね目的を達成できたと思っています。2年間を通 じて非常に優秀で、かつ人間的魅力に溢れた学生に数多く出会えたことは、将来とても貴重な財産になると思います。世界中に散らばった友人達は、今後自分がビジネスをしてゆく上での貴重なリソースであると同時に、自分のこれからの人生をより豊かにしてくれる糧だと考えています。

MBAの期間中に人と知り合う機会は数限りなくあります。級友・フラットメイト・テニス仲間以外に交友関係を広げるために、私は1年目の秋から1年間、ASIA CLUBのCo-Chairを務めました。ゲストスピーカーを呼んだり、旧正月のパーティーを企画したり、中国・日本への合計2週間のTripを主催したりもしました。前後の学年やMBA以外のプログラム(MIF・EMBA・Sloan)の学生と出会える機会を多く提供してくれることもクラブ活動の大きなメリットです。

勉強以外の時間を共有する人をどれだけ増やせるかが、一生付き合える友達を1人でも多く作る秘訣だと思います。私の代は行動範囲のとても広い日本人の同級生が数名おり、彼らと同じタイミングでMBAの学生だったことも自分にとってはラッキーだったと思います。

私がMBAに行った 3つの目的の中で、ロンドン・ビジネス・スクールに来て一番得をしたのはこの人的ネットワークの形成という点ではないかと思います。カリキュラム・キャリア機会という点でトップ校の間でそこまで大きな差があるとは思えません。一方、学生の多様性や、多様性を受け入れる学生自身の心のキャパシティーには学校によって、多少の差があるのではないかと個人的に思っています(あくまでも私見ですが・・・)。世界中に気兼ねなく物事を聞ける友人のネットワークを築くという点においては、最高の学校選びをしたと思っています。

キャリアチェンジ

私は前職の不動産会社を退職し、MBA留学をしました。キャリアチェンジを図る人間にとってはMBAの2年間+事前準備期間すべてが就職活動期間となります。私の場合も、留学前の情報収集、1年目秋のボストン・キャリア・フォーラム、面 接、サマー・インターン、フルタイムの面接と、最終的にフルタイムの就職先を決定するまで、間断なく就職活動が続きました。

インターンや様々なプロジェクトを通じて興味のある業界を経験出来、また様々なバックグラウンドの仲間に客観的な意見を聞ける、という点においてMBAは後悔のないキャリアチェンジをするための最高のステップだと思います。

私は留学以前から以下の3つのキャリアパスを念頭においていました、(1)外資系証券会社での投資銀行業務、(2)外資系証券会社もしくは投資会社での不良債権・不動産投資業務、(3)戦略系コンサルティングファームでのコンサルティング業務。インターンを通 じて、(1)・(2)・(3)の全てを経験することが出来、内側から業務内容・会社を見た上で、進路を決定することが出来ました。最終的にはコンサルティングの仕事を選び、9月からボストン・コンサルティングの東京オフィスでコンサルタントとして仕事をする予定です。

幸いにも希望する業界・会社でインターンをすることが出来、また希望する就職先に出会えたのは、第一に運が良かったのと、第二に事前準備を怠らなかったからだと思います。事前に多くの業界の方々にお話しを伺い、希望する職種の仕事内容やそこでどのように自分のスキルや経験が活かせるかを頭の中で明確にイメージすることが重要です。

せっかくMBAに行く機会に恵まれた人でも、この就職活動の基本事項を疎かにする人が日本人・外国人を問わず、多く見受けられます。この日記の読者の方でMBAに進まれる方がいらっしゃれば、ぜひ時間をかけて自分のキャリアプランの見直しや面 接等の準備に時間を割かれることをお勧めします。

また、今後MBAに進まれる日本の方には、無給でも構わないので、サマー・インターンを経験することを強くお勧めします。他業界での経験・2年目への意識の変化等、フルタイムの就職先を勝ち取る以外にとても多くのものが得られるはずです。

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