フォンテンブローに移動
INSEADでのMBAプログラムももう最終学期です。前二稿で報告した中国研修旅行が終わったのち、シンガポールに一旦戻り、荷造りを終え、フランスへと向かいました。
パリはシャルル・ドゴール空港(CDG)に到着し、シンガポールから手配したレンタカーをピックアップした後(コラム参照)、フォンテンブローに向かいます。フォンテンブローはパリの南方70キロにあり、CDGからはパリ経由で2時間ほど掛かりました。フォンテンブローでは、計9名のINSEAD学生が住んでいる大きな一軒家に二ヶ月住みます。
キャンパスの様子
15分もあれば一周できるシンガポールキャンパスから来ると、フォンテンブローキャンパスはさすがに大きく、建物の配置も若干複雑で、教室の名前もA教室というような順列名のほかにBCG教室(ボストンコンサルティングがスポンサーとなっている)や、72年教室(1972年卒業生がスポンサー)など最初は教室を探すのも人に聞かないと苦労します。
キャンパス正面
また、キャンパスには、9月スタートのMBA,1月スタートのMBAがそれぞれ300名ずついる他、ほぼいつも開かれているエグゼクティブプログラムの参加者、MBA学生の家族が入り混じり、シンガポールキャンパスのアットホーム的な雰囲気とは大きく異なります。
シンガポールでは、学生数の数も少ないため、MBAオフィスのスタッフなどともお互いに名前を覚え、親密になれるくらいでしたが、フォンテンブローではそういった事は望み得ません。カフェテリアのスタッフもこちらが英語で話さない限り、フランス語で応対するので、フランス語ができない学生はなんとなく疎外感を覚えるのではないか、と思いました。
屋外でランチ
森の小道(ジョギングルート)
とフォンテンブローキャンパスの難点ばかり書いてしまいましたが、良い点としては、やはり自然に囲まれている点があげられます。キャンパスは森の中にあり、カフェテリアからランチトレイを持って外の芝生の上で食べていると、結構幸せになれます(天気がよければ。。という条件つきですが)。また森の中には、ジョギング用のルートが多くあり、授業の合間にジョギングをして、勉強に戻るといった事も可能です。キャンパス内にはジムがあるので、こちらで着替え、シャワーも浴びる事ができます。この5-6月は日も長く、22時頃まで明るいので、授業が19時まであるような日もジョギングができます。
- コラム1:INSEAD CAR
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車と私ですフォンテンブローでは車がほぼ必須です。フォンテンブローの街中心に住めば、歩いて15分程度の通 学も可能ですが、それでも冬の寒い時期には車がほしくなると言います。
フランスの自動車メーカーは、海外から一時的にフランスに在住する人向けの長期リースサービスを提供しており、20%近い消費税が免税になるため、INSEADの学生はたいてい、このリースを利用しています。
このリース用の車は、ナンバープレートが赤と特徴的です。パリ市内でも時々見かけますが、フォンテンブロー付近で赤いナンバープレートを見たらほぼINSEAD関係者の車とみなせます。この特徴は、パーティなどで場所を探す時にとても便利です。付近に赤いプレートを付けた車が停まっているとそこがパーティ会場とすぐわかります。
またフォンテンブローの利点として、選択科目の幅が多いという点が挙げられます。シンガポールキャンパスでは15ほどの選択科目から5科目選ぶといった割合ですが、こちらでは選択科目が30科目ほど用意されており、金融や、マーケティング、ストラテジーなど自分の興味のある分野に特化する事も可能です。今学期に私が選択した科目とその特徴は、以下の通 りです。
Investment:
ポートフォリオ投資を学びます。ウォートンから来ているドナルド・キームという先生が担当しています。
Marketing Communication:
マーケティングの中で広告にフォーカスを当てます。ベネトンの広告手法や、広告のなかでいかに視聴者の視線をコントロールするかなどについてのリサーチを勉強します。
Management of Services:
航空会社、医療機関、金融業などサービス業に焦点を当て、経営手法を学びます。
Credit Risk Management
最近、金融の中でも注目の高いクレジットリスク、クレジットデリバティブの価格付けなどについて学びます。
Intellectual Property and Business Strategy
特許、著作権などの知的所有権のマネージメントをほぼ一貫してケースを通 じて学びます。特定の技術が企業価値の多くを占めるバイオやハイテクベンチャーにとっては重要な論点です。
- コラム2:週末旅行
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ブルゴーニュの風景最終学期という事もあって、MBA学生はみんな毎週末となく旅行に行っているようでした。フランス国内ですと、ワインで有名なブルゴーニュや、シャンバーニュ、お城がたくさんあるロワール地方、国外では、バルセロナや、ロンドン、ミラノ、イスタンブールなど、友達たちは観光にも忙しなくがんばっていました。
私は、フランス国外まではなかなか足を伸ばせませんでしたが、ブルゴーニュとシャンパーニュには週末を利用していってきました。シャンパーニュはパリを経由して車で2時間、ブルゴーニュは3時間ほどで着きます。
MBAも後半になると比較的楽になるので、INSEADでフォンテンブローキャンパスに来たら、勉強はなるべくweekdayに終わらせ、週末はぜひ旅行しましょう!