やっと夏休みに入るかと思えば、早速二年生の選択コース履修のビッドが始まります。コロンビアの場合は一年目全てコアコースで、ファイナンスや会計や経済学など基礎的なコースを半強制的に履修させられます。半強制的というのは、免除試験というのがあって、それを受けてある程度の点数を出せれば、コアコースの履修を免除できるという制度があるからです。一年生の時にあまり選択の自由がない代りに、二年生になった時点で全て選択コースになり、その中から自分の好きなコースを選ぶことが可能となります。
B-Schoolらしく、選択科目を選ぶ際にも、自由競争原理が働いています。学生には事前に決まったポイントを与えられ、そのポイントの範囲内で自分の受けたいコースへビッドを入れます。各コースの定員が決まっているので、ビッドポイントが高い順から順次埋まっていきます。従って、他の学生がどのぐらいのポイントを入れるのかを知ることはとても大事になってきます。とはいうものの、さすがに一人一人に聞くわけには行かないので、結局学生の口コミから確認する以外には、学校側が過去のビッドポイントの統計数字をくれるので、それを頼りに自分の持分の最適配分を計算し、ビッドを入れます。
さて、一口ビッドとは言うものの、実際には3ラウンドがあります。最初の第一ラウンドはいわゆる予備ラウンドのようなものです。毎年、学校側は新しいコースをスタートさせます。新しいコースだと、何処まで人気があるのかは全く分からない場合は多いのです。そのため、予備ラウンドを設けることによって、新しいコースに対する学生のニーズがどこまであるのかをチェックできます。また、今まで開催したことのあるコースでも、やはり毎年学生のニーズが微妙に変りますので、毎年事前にこうして学生の需要を測るのはとても重要になります。
第一ラウンドでのビッドが終わった直後に、本ラウンドが始まります。第一ラウンドと違い、第二ラウンドでのビッドはカウントされますので、学生はみんな真剣です。特に、人気のあるコースだと、持ち点の半分以上を出してビッドする学生すらいます。さすがに、持ち点の半分以上を使い、一つのコースにビッドするつもりはありませんが、私も受けたいコースにそれなりの点数を入れました。
ラッキーだったのは、私が履修したいコースの中で、ビッドが入らず、エッセイ審査で決まるコース(Applied Value Investing)があります。またそのコースに登録できると、自動的にもう一つ人気コース(Economics of Strategic Behavior)にビッドなしで履修することが出来ます。私は運良く、そのApplied Value Investingというコースの審査を通ったので、結局ビッドを入れなければならないコースは3つに減ります。そのため、他の学生より多くのポイントを使うことが出来、結局自分の取りたいコースを全て取ることが出来ました。
因みに、今学期取るコース及びその内容を簡単に紹介します。
Tuesday | Wednesday | Thursday | Friday | |
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~10:00 | ||||
10:00-11:30 | Economics of Strategic Behavior | |||
11:45-13:15 | Earning Quality | Earning Quality Economics of Strategic Behavior | ||
13:30-15:00 | ||||
15:15-16:45 | Corporate Restructuring | Applied Value | ||
17:30-20:45 | Corporate Restructuring | Security Analysis | Applied Value |
Earning Qualityは会計科目でいかに財務諸表を読み、調整するのかに重点をおいてあります。かなり質の高いコースです。
Corporate Restructuring for Shareholder ValueはI-Bankの角度から、いかに株主価値を最大化できるのかを教えるコースです。
Security Analysisは現役のヘッジファンドのポートフォリオマネージャーが教えるコースで、かの有名なGranhamの"Security Analysisモをベースにして、彼自身の経験に基づき、ケーススタディという形で教えています。かなり質の高いコースです。
Economics of Strategic Behaviorはかの有名なBruce Greenwald教授が教えるコースで主に産業分析や戦略分析に重点を置いてあります。レベルの高いコースですが、受講人数があまりにも多いので、何処まで為になるのかは本人次第です。
Applied Value Investingはコロンビア流のValue投資という理念に基づき、現役のアナリストないしPMが教えるコースです。元々、かの有名なHummingbird CapitalのPaul Sonkinが教える予定だったのですが、事情があって、他の人たちに代りました。クラスにいながら、現場さながらの議論や勉強が出来ますので、私の中でもっとも質の高いコースだと思います。ただ、ホームワークの量 が半端ではないので、私はかなり死んでいます。
来月号は就職前線のことについてお話しします。