Campus Report 2004

藤本 崇 to Stanford University Graduate School of Business(全21回)

MBAホルダーへの道

Vol.2 PRE-TERMで大忙し

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スタンフォードに来て早くも3週間が経とうとしています。最初の3日で車を買い、保険に加入し、寮への入居をあたふたと終えるや否や、まだ電話もケーブルテレビもつながる前に、スタンフォードGSB (Graduate School of Business)の Pre-Term Programが始まってしまいました。もう少し早くに渡米して生活の基盤を作っておけばよかった、と今更悔やんでみても後の祭りです。

大抵どのビジネススクールでも学期が始まる前に何らかのオリエンテーションみたいなものを用意しているらしいですが、スタンフォードGSBのPre-Termは三週間にも及ぶかなり濃いプログラムになっているので、ここで簡単に紹介してみたいと思います。まずPre-Termには大きく分けて:
1. Pre-Term必須のコース学科
2. コアコース免除の為のExemption Exam
3. 学校のリソースの使い方を教えてくれるInformation Session
4. クラスメートと友達になる為のソーシャル・イベント
という四種類のアクティビティがあります。

必須学科の授業は2週間半の間に、Business Ethics、Organizational Behavior(それぞれ1時間半 のレクチャー x 5回)、それにケーススタデイ入門セミナーと14時間連続の事業会社経営シミュレーションという二つの参加型授業を加えた計4科目、かなりハードな内容になっています。

単位は貰えない癖に、どれもちゃんと卒業への取得必須科目になっているクラスで、パスできないと学期も始められないし、出る宿題の量 も半端ではないので、普通のクラスとなんら変わらないと考えても良いと思います。ちなみにPre-Termのコース内容は、学生からのFeedbackを元に毎年少しずつ変えていっているようです。

私が気に入ったのは、シミュレーションのクラスで、これは、10人チームで生徒がグリーティングカードを生産するという設定の会社のオペレーション、マーケテイィング、セールス、そしてアドミン(総務)担当に割り振られ、チームで実際の経営を試みるというものです。かなりリアリズムに富んだ顧客やサプライヤー等とのやりとりを含めて、生徒だけて実際にカードのデザイン、生産から販売までをやらされ、その業績のパフォーマンスが計られるというものです。

面白いと思ったのは、ゲームの中で与えられたゴールが、赤字を無くして業績を向上させるということだけではなく、顧客のアンケートで計られる顧客満足度を100%に上げることであったということ。

元コンサルやバンカーのアグレッシブな生徒達が初対面同士の10人チームに分かれて、いきなり会社の経営をまかされるのですから、最初はかなり混乱があり、論議も絶えませんでしたが、会社運営を共にして行くうちに自然に仲間意識が芽生え、2日間の終わりには、もう何年も一緒に仕事した仲のような雰囲気になり、作られた環境だったとはいえ、チームワークというものがどのようにして芽生えるのかを実際に体験して肌身で感じられたのは貴重な体験だったと感じました。

次にExemption Examですが、これは自分が既に知っているSubjectのコア(必須科目)コースをExempt(スキップ)する為のテストで、スタンフォードGSBではこのテストに受かることだけが必須科目コースを免除できる唯一の方法です。

例え大学で経済を専攻した人でも、このExemption Examを通らなければもう一度GSBで経済学を取らなければいけないというわけです。私は一応理系出身者なので、Modeling、データ分析、そしてInformation Managementの三つのExemption Examをトライしました。結果は今のところ一勝一敗で、最後の試験の結果 を待っている状態です。

Information Sessionについて。Pre-Term中には、授業の他に毎日相当の数のセミナーがあります。就職活動の進め方、グローバルインターンシップについて、MS Excelの応用コース、卒業生のパネルディスカッション、図書館の資料の使い方等々、内容は様々です。

出席は全て必須というわけではないのですが、それでもあまりの多さにここまでご丁寧にセミナーを設ける必要があるのかしらと最初私は訝っていたのですが、実際出てみるとどれも中身が濃いものばかりで、逆にこの情報を知らずに学期を迎えていたらと思うと恐くなってしまうくらいのものばかりで、感心しました。

これについて私が出した結論は、スタンフォードGSBではこういったセミナーに出て事前にどこに何があって誰に聞けば良いのかを学んでおかないと、2年間の忙しいMBA生活の中であまりに多いリソースをうまく有効活用しきれないのであろうということでした。

一番印象に残ったのは、自己管理についてのセミナーで、ある教授から頂いたアドバイスです。それは勉強、キャリアプランニング、課外活動においてスタンフォードGSBがOfferする全てのものをやろうと思ったら到底1人の人間ではできないので、全部に手を付けて中途半端に終るよりは、自分で頑張りたいことを何個かにしぼってそれに集中するということが成功の秘訣である、といったような言葉でした。

飽き症の私には痛いところを突いている一言です。こういう言葉を言われると、これだけいろいろなOpportunityがひしめき合うこの環境の中で、自分は本当に自分のやりたいことを見つけて焦点を定めて行けるのだろうかと、ふと不安になったりします。

最後に「遊び編」の課外活動ですが、これは、学期が始まる前に360人いるクラスメートと遊んで親しくなるという趣旨のイベントがほとんどで、ほぼ全部2年生のボランティアが企画してくれるらしいのですが、これまたかなり中身の濃い企画が勢揃いです。

私は私費留学ゆえ「贅沢は敵」というモットーを貫き、参加費用のかさむフライフィッシングやナパバレー・ワイナリー・ツアー等は断念しましたが、それでも映画、ボーリング、ディナーや地域ボランティア等、ローコストなイベントも盛り沢山(しかも家族も参加OK)とあって、先週も今週も、私は英語に疲れている妻を引っ張りだしてSocial Eventにせっせと足を運んでいます。

先週は、Random Small Group Dinnerという企画に行ってきました。これは、お互い初対面 のクラスメート(プラス家族)が8人ずつ位のセットに組み合わされ、学校側に予約してもらったレストランに赴いて一緒に食事をして知り合いになるという企画です。

少人数でゆっくり話をして親しくなれるきっかけを第三者に競ってセッティングしてもらう、いうなれば、クラスメートとの合コン(?)みたいなものでしょうか。よくアメリカにありがちな大人数自由参加型のパーティに比べて、こういうセッティングだと、比較的マイペースに会話ができて親交を深めることができるような気がします。

MBAはどの大学院よりもソーシャルなプログラムだとよく言われますが、私がこの2週間で交わったクラスメートに関してはまったくもってその通 りで、生徒は多種多様なバックグラウンドから来ているのにも関わらず、皆に一つ共通 して言えることは、人と交わるのが好きだということ。いろいろな人と意見や考え方を交わして視野を広げたいというスタンスの人が非常に多く、彼らと話しているだけで、私にとっては日々新しい発見があります。

それにしても学期が始まる前から授業を含めてこれだけのアクティビティがあるので、多忙度は120%を越え、睡眠は平均4時間を切っています。渡米準備も忙しかった筈なのですが、もう既に過去2週間が私の人生の中で一番忙しい日々になりつつあるような気がします。

Pre-Termでこんなに忙しくて学期が始まったら一体どうなってしまうのだろうかという不安が頭をよぎり、同時に、これから始まる冒険に胸をわくわくさせている今日この頃です。では次回はコアコースの授業の内容とクラスメートの紹介をして行こうと思います。ではまた、 Viva Stanford!

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