Campus Report 2004

竹中 重人 to Tuck School of Business at Dartmouth(全20回)

MBAホルダーへの道

Vol.3 スタディグループの効能と副作用

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いよいよ実際の授業も始まって、はや1ヶ月が経ちました。今はちょうどFall Aの中間試験の峠を越えて、授業開始以来はじめて一息ついている所です。

今学期の授業

今学期は以下の4つのコア科目を履修しています。

- Financial Measurement, Analysis & Report

いわゆる普通の会計学です。とりあえず1ヶ月でバランス・シート、損益計算書、キャッシュフローなどの会計の基礎の基礎を終えました。理由は後述しますが、退屈と言われる科目であるにもかかわらず、なかなか楽しい授業となっています。
- Decision Science

Excelなどのモデルを作って定量的な意思決定を行う方法を学びます。ある程度までマスターすれば応用範囲はかなり広そうで、これからが楽しみな授業です。前職でExcelを結構使っていた事もあって、課題はまださほど難しくは無いのですが、それでも学べる部分は多く、またモデル作りのスピードはコース開始時に比べて格段の進歩を遂げました(5倍くらい早くなったかも・・・) 。
- Leading Organization

組織のリーダーとして、組織デザインやネゴシエーション、そして効果 的な人への影響の与え方などを学ぶ科目です。ユーモアたっぷりの教授がケースやロールプレイ等を取り入れつつフレームワークを紹介してくれるので、授業自体はとても楽しいです。一方で実務への応用を考えると、今の自分の理解度ではかなり難しいようにも感じます。目下の課題となっている科目と言えるでしょう。
- Analysis for General Managers

これだけは1ヶ月間の集中コースで、先日のテストが最初で最後のExamでした。General Managerとしての視点を養うための入門コースといった位置づけで、100%ケーススタディの、とてもMBAらしい授業です。Tuckの看板教授の一人であるArgenti教授の授業は素晴らしく、緊張と興奮の中で授業が進み、最後にみんなで目から鱗が落ちて終わり、というのが毎回のパターンでした。

不思議な事に固定の時間割は無いので、週によって授業の組まれ方が全く異なります。3回の会計の授業とDecision Scienceの中間試験があった週は、かなり大変でした・・・。

1日の時間割

実は毎日かなり忙しく、予定外(?)にたくさん勉強をしています。週末も予習やスタディグループに多くの時間を費やす必要がある為、本当に気持ちよく羽を伸ばせるのは金曜日の午後だけです(土日ももちろん遊びに行くのですが、テニスをやりながらふと宿題の事を考えていたりします)。ちなみに、どのような生活を送っているかというと・・・

07:30 起床
08:30~12:00 授業(通常2コマ)
12:00~12:30 ランチ
12:30~18:30 お勉強
18:30~19:00 ディナー(勉強しながら食べること多し)
19:00~21:30 スタディグループのミーティング
21:30~22:00 休憩
22:30~01:00 お勉強
01:30 就寝

上記はモデルケースですが、実際は何らかのイベントが入っていたり、予定外に休憩が長引く事も多く、上記よりも勉強している時間は平均2時間くらい少ないのではないかと思います。日曜日はスタディグループがあるので、上記に近いスケジュールです。土曜日は一応遊ぼうと思えば遊べるのですが、実際は翌週の平日の睡眠時間を確保するために「予習溜め」に励む場合も多いです。

ところで、一体何故こんなに長時間勉強をしているのか、疑問に思われませんか? リーディング・アサインメントの量 や英語の問題は当然ありますが、実はTuckの場合はスタディグループの影響が大変大きいのです。

授業とスタディグループの関係

他のビジネススクールの事情は分からないのですが、少なくともTuckにおいては授業の位 置づけが普通の日本の一般的な教育とは全く異なります。日本では、授業とは知識を授かる場であって、学校で新しい事を学ぶプロセスの中において、序盤に授業が入っているのが常識だと思います。それに対してここTuckでの教育では、授業は学習プロセスの中の後半に位 置づけられています。

つまり新しい事を学ぶ際、こちらではまず各自で予習。次にスタディグループ内でディスカッションをして、その次が授業となります。大抵の場合は事前に教授からの課題が与えられており、その課題について固定のスタディグループ(5名~6名)でディスカッションする事になっているため、下手に予習に手を抜くわけにはいかない仕組みになっています。  

この方法の最大の利点は、予習・グループディスカッションといったプロセスを通 じて、授業に臨む時点でかなり内容の理解が進んでいるうえ、授業の中での自分にとってのポイントが明確になっている点です。ケーススタディの授業などを想定すると、スタディグループの有効性は想像し易いかと思います。それに対してレクチャー方式の授業などは、一見するとスタディグループの効果 の薄い科目のようにも思われますが、実は一概にそうでもありません。

今受けている会計の授業で感じることなのですが、スタディグループのおかげで、自分では解ったつもりでも実はあやふやだった項目の認識が出来るため、やはり毎回の授業に向けての自分としての課題が明確となります。教授も当然全員予習している事を前提に授業を進めるため、瑣末な項目の説明に時間を割くような事はせず、ポイントからポイントへ、そしてスタディグループの中ではなかなか出ないような一歩踏み込んだ説明へとテンポよく進みます。このため毎回の授業で「なるほど!」を小声で連発する事になります。同じレクチャー方式の授業でも、日本式の「まずは授業、そして復習」に比べて格段に理解は深いと思います。  

他にもスタディグループには素晴らしい機能があります。落ちこぼれ防止機能です。Tuckは「いい奴」が多めの学校と世間では言われているのですが(実際多いと思います)、この「いい奴多め」と「スタディグループ」は強い相乗効果 を持っており、多くの「ミニ教授」を生み出します。スタディグループ内に解ってない人が居る場合、他のメンバーが「解るまで」教えてくれる事もしばしばです。  

以上、こちらでの教育の良い点を書いてきましたが、当然欠点もあります。最大の欠点、それは時間がかかること・・・(苦笑)。全く未知の領域でもまずは自習で取り組むため、つまらない事に数時間もの時間を費やすこともあり、学習の「効率」という観点からは全くもって良いとは言えません。

また、スタディグループで1人でも解らない人がいると、残りの5人総出で教えたりするため、下手をするとやたら時間を食います。そして、スタディグループのミーティングまでに全ての予習を終えねばならないため、いつもハラハラしながら勉強する事になります。リーディング・アサインメントの量 もボリュームたっぷりなので、結果Tuckの学生は勉強ばかりの毎日に身を投じざるを得ない状況に追い込まれるのです(感心するくらい、本当にみんな良く勉強します。それでも平日夜にバーに行くと、Tuck生が山のように居たりするので、これはこれで感心)。

おっと、まずい! 今日もそろそろ勉強しなきゃ・・・

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