ようやく秋学期が終った。ファイナルはかなり根詰めて勉強したせいか無事終った。最終成績も昨日ウェブでチェックしたら結構悪くない内容だったので、ひとまず安心というところ。というか、やはり噂通 りビジネススクールの学生はあまり勉強をしないというのが秋学期が終ってから私の出した結論。というのも私のテストのスコアはあまり良いものでは無かった筈なのに、どうやらクラスの平均が低かった為、相対的な成績に換算すると良い成績になったらしい。Modelingなんてファイナル試験で時間が無くなって最後の二問は白紙のまま出したというのに...。
冬休みのプランは、ナパバレーに2日間ステイするショート・トリップと、後は学期中に遊ぶ暇がなかったクラスメートや寮の隣人達とディナーをしたり、映画を見たりとリラックスして過ごし、それらの合間にぼちぼち就職活動(企業リサーチやResumeのアップデート等)を始めるつもり。生徒の中にはこの休みを使って長期のスタディトリップや旅行に出かける人も多いが、私みたいな家族持ちの貧乏学生にはそんな余裕は無いのである。
就職活動で思い出したが、先週ひょんなことからあるインターネットのベンチャー企業と知り合うことになった。突然私の学校のメールアドレスに、私のResumeをGSBのResume Bookで見てもしよかったらインターンシップかプロジェクトでもやらないのかと言うメールが来たので、先日さっそくサンフランシスコにあるその会社に話を聞きに行って来た。
倉庫の二階を借りた仮のオフィスに10人程のラフな格好をした若い社員が仕切りの無いデスクに座ってコンピュータを睨んでいて、雰囲気はやたらベンチャーっぽい。話を聞くとこの会社は去年立ち上がったばかりで、なんでもインターネットでクレジットカードやデビットカードを使って現金をアメリカから外国にいる個人へ送金できるというのがメインのサービスらしい。
そんなところにe-commerceの経験も全く無い私が何の役に立つのかと、最初はかなり訝っていたが、よく話を聞くと、この会社のサービスでは現金を現地の銀行や為替返金サービス業者経由で送り先に届けて貰うということをしているのだが、その際にいろいろ問題が頻繁に起こっており、オペレーションを根本的に見直して再構築するプロジェクトの必要があるということだった。そしてスタンフォードGSBのResume Bookでオペレーションという単語をキーワードにしてを検索したら私の名前が出て来たというわけだ。
私の方は、本音を言えばマーケット・リサーチやビジネス・ストラテジー等のプロジェクトをやりたいと思っていたのだが、ここで自分が既に持っているスキルで一つ貢献して印象付けておくと後でもっといろんなことをやらせてくれるOpportunityがでてくるかもしれないと思い、取りあえずはオペレーション改善プロジェクトを次に学期に一つ請け負う事を承知した。これで冬学期は面 白くなりそうだ。
私が面白いと思ったのは、コンタクトを取ってくれた人はDirector of Partnershipという肩書きで40過ぎのおじさんだったのに対して、CEOの方はT-シャツにスノーボード用の帽子をかぶった20代後半に見える若者だったことである。この会社これからどう伸びて行くのか、楽しみである。
プロジェクトの話題をもう一つ。私が今学期唯一時間を費やした課外活動のMobileMediaというソーシャル・ベンチャーのプロジェクトについて。このプロジェクトは、パーム等のPDAを使って治安の悪い発展途上国での国勢調査の手助けをするというサービスを提供する為に立ち上がった非営利のソーシャル・ベンチャーで、私はここでビジネスプランを書く事になった。
Founderのメラニーという人は、非常に世界の国々の生活水準を上げるということに情熱を持っている人で、彼女はロイターからフェローシップを貰い、スタンフォードの学生の助けを借りてこの組織を立ち上げた。
概要としては、援助の対象になりうるような地域は援助団体がニーズを把握する為に調査を要請することが多いが、そういうような地域では、治安や交通 の基盤が整っていない為、なかなか公務員が派遣されにくい。そのような地域での調査をスムーズに行えるよう、地域の若者にPDAを持たせて、アンケート情報を入力してもらい、定期的にデータをインターネット上にアップロードして貰うというもの。
既にPDAのOSで動く調査アンケートのソフトも開発しており、現在ブラジルでのパイロットテストを既に検討中。私はこのプロジェクトでも最初はオペレーションのアドバイザーとして、調査とそのデータを収集するプロセスを一緒に考るという が実際に非営利組織として存在できるかのビジネスモデルを作成する予定だ。こちらも、冬学期に仕事が増えそうなので、本当にクラスの勉強と両立できるのか心配ではあるが、私はこういったプロジェクトがまたMBAの醍醐味でもあると言えると思う。