Campus Report 2004

相野 勇雄 to Hitotsubashi University Graduate School of International Corporate Strategy(全19回)

MBAホルダーへの道

Vol.9 グループワーク

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【グループワーク】

グループワーク。HMBA入学前から"実際は、どんなものなんだろう?"って興味がありながら、自分にとっては得体が知れなかったものの一つです。いろいろな形式があるために同じ学校に通 っていても、人によって説明は違うかものかもしれません。ある人にとっては「思わず熱くなってしまうもの。」という説明がしっくりとくるかもしれませんし、またある人にとっては「あのまま働いていたら、知り合う機会のなかった人と意見を交換する場所」という説明が当てはまるものかもしれません。

ただ、「スケジュール帳をドンドンと埋めてくれるもの」という説明には、冬学期を経験したHMBAの学生の多くには納得してもらえるような気がします。今回は、そんなHMBAでのグループワークを紹介したいと思います。

端的に言ってしまえばグループワークとは、文字通りグループで行う課題の全般 を指しているのだと思います。ただ、グループワークといってもその内容や規模は、よくよく考えるといろいろあります。グループワークの殆どはいわゆるケーススタディーなのですが、そのケーススタディー一つを取ってみても、HMBAではケースが与えられる場合と、授業のテーマに沿ったケースを探してきて自分たちで発表する場合などがあります。

また、授業の中での通常のグループワークと、期末に行われる最終レポートに係るグループワークなのかによっても自ずと皆の力の入れ具合が変わってきて、取り上げるテーマの幅や深さが違ってきます。

レポーティングの方法も重要なグループワークの要素です。多くの場合は、いつでも発表できるようにPowerPointを使ってプレゼンテーション資料を作っていきます。それに加えて授業によっては、Wordなどで文章形式にしてレポートの提出を求められることもあります。また、提出ファイルも「Word/A4/10枚以内」といったように決められている場合もあれば、特にボリュームに制限のない場合もあります。

そして成果、及びそのプロセスがいかに楽しいか(逆に、大変か)を大きく左右するグルーピングですが、これも科目によってまちまちです。だいたい6~8人のグループを、先生方のほうで機械的に決めてしまったり、自分たちで任意で決めることもあります。もちろん、人によって履修科目は異なりますから、グループワーク毎にメンバーは異なることになります。

グループワークの進め方は科目と課題の内容にもよりますが、冬学期に比較的グループワークの回数が多かった管理会計の授業を例にとると以下のようになります。

(1)課題が出た後にまず軽くグループで話し合って、課題に沿ったケース(対象企業)決めを行います。

(2)ケース(対象企業)が決まったら、ネット検索、雑誌検索、新聞検索、図書館等の蔵書検索等の担当に分かれてリサーチを始めます。
※情報のソースとしては雑誌や、専門書に頼ることが多いです。一橋(国立)は図書館やイノベーション研究センター(通 称:イノ研 『一橋ビジネスレビュー』の編集元です)と呼ばれる施設には蔵書や統計資料が充実しているので、資料の8割方はそこで入手していました。
ただ、それだけでは不十分な場合には各メンバーの地元の県立(都立)図書館や、他大学に紹介状をもらって借りに行ったり、1回のグループワークのためでも本を割り勘で購入してしまうこともありました。

(3)各自で配布資料を持ち帰って読み込みます。

(4)学校に集まって皆でグループディスカッションをします。それで、テーマとなっている事柄(バランススコア・カード、原価企画etc.)について話し合って、授業だけでは理解できなかった部分を補った後、パイオニアにおけるBSC導入事例やトヨタにおける原価企画のあり方等のケースを吟味して、プレゼンテーションの大枠を決めていきます。

(4)プレゼンテーションの章立てを決めたら、小さなテーマ毎に分担を決めて各人でPowerPoint作ります。
(5)PowerPointが8割ぐらい出来上がったら、各人が作った分を一つのファイルにまとめます。それで、全体の流れを皆でもう一度チェックして、皆で再度、ファイルに修正をかけます。

(6)(5)のような修正を2~3回繰り返します。
(7)最後に、授業での発表者と、Powerpointの最終的な編集担当者を決めます(自分たちはこれをアミダクジで決めていたのですが、なぜかいつも大盛り上がりでした。。)。 ちなみに発表者のクジを引くと、授業の日までに一人で"ブツブツ"と言いながらプレゼンの練習をすることになります。

場合にもよりますが、上記のプロセスを経るのにだいたい3~5回は集まってミーティングを持っていました。基本的には、全員出席で行います。ただ、学期中は上記の管理会計だけでなく、他にも戦略分析、企業財務、ベンチャーファイナンス等の科目でもグループワークも同時進行しています。ですから、どうしてもグループワークを行う日程が重なってしまうことも日常茶飯事です。

そういった場合は、「16:00までは管理会計をやって、その後は戦略分析のグループワークに!」と時間をやりくりすることになります(皆のスケジュールが平日だけで足りなければ、さも当然のように週末にもグループワークの予定が入ってきます。ちなみに自分たちの管理会計のグループは、発表の前の週の日曜日はいつも午前中から一日中グループワークのスケジュールが入っていました。。)。

グループワークの怖いところは、時間が"あっ"という間に過ぎてしまうところです。やはり、自分一人の理解をアウトプットとして出せばよい個人レポートとは違って、皆の理解や考えを一つにまとめていくのは時間のかかる作業です。特に「花王/エコナが次にとるべき一手は何か?」といったような唯一の解がないような問いが出されたような場合は、「他の食品分野のトップ企業とのエコナ提携ブランドを次々に立ち上げるべき」なのか、「マヨネーズのような自社製品を拡大すべき」なのかは議論をしていてもなかなか終わりません。

どちらの方法を採用してもうまくいくように聞こえたとしても、グループとしての見解は一つだけ。議論をすべきことはたくさんあるのは分かっているのですが、一方で提出日までの限られた時間の中でレポートやプレゼンテーションを作らなければなりません。グループワークは時には夜遅くにまでおよび、帰宅時刻が25時頃になることも何度かありました(もっと恐ろしいのは、終電で帰ろうとしている時に『今日のグループワークのまとめを、各自、明日の朝までにメールで送っておいてね』と背後から言われる事ですが・・・(笑)

グループワークを行って良かったと思うことは、人並みではありますが、いろいろな人の意見を効率的に聞けることでしょうか。 確かにいろいろな人の意見を聞く機会なら、仕事の中でもたくさんあると思います。ただ、仕事の打ち合わせと違うのは、MBAのグループワークの構成員が同質性と多様性を兼ね備えていて、効率的に新しい視点を取り込める点にあるのではないかと思っています。

自分の経験から少し書いてみると、前の会社で経理・財務部内で打ち合わせをしていたときは皆の発想や知識のベースが似通 いすぎていて新しく得るものが少なく、買収案件の検討のために営業・事業企画・総務等の人たちと話していたときは逆にそれぞれの部署における常識を前提として喋るためにお互いに共通 言語がなくて同じ認識を持つようになるのに非常に時間を費やしたのを覚えています。

一方でHMBAのグループワークは、年齢、前職、大学の専攻がそれぞれ異なった様々なバックグラウンドの人たちの意見を聞けるうえに、現時点で9ヶ月余りの学校生活をともにしたことによって経営に対するある程度の共通 認識ができてきているので、各自の意見が比較的スムーズに理解できるような気がします。

それはただ単にPPMや5Forces(補完財を入れて、6Forces?)のフレームワークが頭に入っているだけではなく、皆が似た科目を履修しているおかげで「エコナマヨネーズが消費者からの指名買いによって買い手であるスーパーなどの流通 業者に強い交渉力を持っていたように...。」と言えば、かつて取り上げたケースの残像が残っていて、比較的細かいところまでイメージを共有しやすい点が効率的にコミュニケーションをする上で役立っているのではないかと思います。

他にも、グループワークをともに行うことによってメンバー同士が仲良くなれるといったことや、一人で論理を捏ね繰り回していると悶々と悩んでしまってなかなか筆が進まないことが多いという性格の問題(?!)もあって、個人的にはレポートよりもグループワークのほうが好きです。

今は、冬休みも終わり、冬学期の最終グループワークがこれから佳境を迎える時期になります。冬学期も残すところあと一ヶ月程度ですので、もうひと頑張りです。次は、先日終わった短い冬休みについて少し書いてみたいと思います。

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