Campus Report 2004

藤本 崇 to Stanford University Graduate School of Business(全21回)

MBAホルダーへの道

Vol.9 春学期、キャリア等

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とうとう待ちに待っていた春学期である。雨季が終わり暖かい日差しが差すようになってきた。最近週2回のゴルフのレッスンを始め、なんとなくカリフォルニアっぽい生活になってきた気がする。前はそんな時間があったら寝る時間にまわしていたのが、春学期になって少し余裕が出てきたのかもしれない。暇が出てきたと言うと少し語弊があるような気がするが、時間の使い方が巧くなってきたような気がする。勿論授業内容も、取っている5科目全てコア(必須科目)だった秋学期に比べて選択科目が多くなり、実はこのシフトが私のMBA生活にかなりの変化をもたらしている。

スタンフォードGSBでは一般的に1年生の冬学期までがヤマ場でその後はどんどん楽になると言われているのだが、春学期の授業が始まってその噂が嘘ではないことが判明した。現在私は コアを3つと選択科目を3つ、合計6科目21単位を取っている。単位 数だけで数えるとかなり大変そうに聞こえるが、授業内容が段々と濃いわりにワークロード的には先学期に比べて非常に楽に感じる。

私が今回取っている授業を簡単に紹介すると:

●Human Resources (Core)

人事や雇用制度といった面でのファームのストラテジーの組み方をケーススタディで議論するクラス。ケースはSouthwestやDeloitte Touche 等
●Managerial Accounting (Core)

商品や生産プロセス別のコストをする為の社内用会計コンセプトの基本と応用のトレーニング。
●Strategy in the NonMarket Environment (Core)

倫理や環境保護などビジネスが直面する社会的な問題とそれに対して取るべきストラテジーをケースで学ぶ。トピックはLabor Union Negotiationからボイコットまでと幅広い。
●Corporate Finance (Elective)

企業の財務管理からファイナンシャルプランニング及び戦略を学ぶ。サマーでインベストメントバンキングに手を染める私としては今学期一番為になる授業でもある。
●Strategy in the Information-based Markets (Elective)

情報を売り物にしているソフトウェアやメディア系の業界でのマーケットを左右するファクターを分析し、ファームの戦略につなげて考える。ケースはPCのOSに始まり、Social Networking Website, Instant Messenger, Video Game Platform等
●Independent Research Project (Elective)

好きな題材でリサーチして良いが、私の場合は、クラスメート3人と、知り合いのPrivate Equity Shopが将来ロジスティクス業界に投資する際のマーケットリサーチ及びcompany evaluationをすることにした。

とこんな感じだ。
特に5つめのInformation-Based Marketのクラスは非常に面白い。先週はFriendsterやLinkedIn等の今非常に注目を浴びているSocial Networkingのビジネスモデルをケースで分析した。ユーザーが自分達で共有するInformationというのはユーザーが増えれば増える程その共有された情報の価値が上がっていくのだが、インターネットの出現により情報はフリーという概念が確立してしまった今、プラットフォームを提供している企業はどうやってRevenueをGenerateすればよいのか。まだ完全にSelf-Sustainableなビジネスモデルが確立されていない業界の将来を議論するのは非常に面 白いと思う。

私は実はスタンフォードに来る前は、デジタルメディアやエンターテイメント産業には興味があったのだが、情報産業やIT業界については正直言って知識が乏しく、分かり難いという理由で多少敬遠していたところもあった。しかしこっちにきてやはり土地柄でテクノロジー系の会社について学ぶことが多く、最近非常に興味をもっている。

授業から話はそれるが今回少しMBA後の就職及びキャリアについて書いてみようと思う。MBAを卒業すると、キャリアは大きく分けて3つの分類に分かれる。一つはコンサルティング、インベストメントバンキング等を含むビジネスサービス業界への就職。もう一つは、Private Equity, Venture Capital, Hedge Fund等を含む直接投資に関わる仕事。そして最後に事業会社や非営利組織等における実際のビジネスマネージャーとしての仕事(自分で起業するケースを含む)。

周知の事実だが、MBAプログラムのEmployment Reportを見てみると、最後の「実務的ビジネスマネージメントの仕事につく人の割合」というのが実は結構低くい。例えばスタンフォードの2004年のキャリアセンターのレポートをみると事業会社及び非営利組織に就職した生徒の割合は50%になっているが、これはトップ20のビジネススクールの中で比較的高い方らしい。中には3割がコンサル、もう3割が金融系の仕事などという学校もあるらしい。

事業会社から来た私は時々ふと、折角経営者としての教育を受けながら、ビジネスを経営する仕事につかないというこのMBAの就職事情ってどうなのだろうか。。。と思ってしまうことがある。そういう自分も投資銀行でインターンをする予定になっているのだが、じゃあ自分を含めてMBAに来た人はどうして事業会社で働かないかと考えてみると、実は事業会社にMBAを経て就職するということの難しさやがフィットの問題が浮かび上がってくる。

まず、事業会社はそれぞれのインダストリーに特化した知識、あるいはジョブファンクションに特化した経験やスキルを即戦力として求めてくるので、当たり前だが学生がキャリアスイッチをしようとするとかなり難しいという問題がある。

私も試しにアップルを受けてみたが、インタビューワーが私のレジュメを見ると必ずサプライチェーンかオペレーションの方に話が行ってしまう。私はProduct Managementをやってみたいといくら熱意を込めて言ったところで、私のクラスメートでGAPでマーケティングをやっていた、或いはソフトウェア会社で開発エンジニアをやっていた、という連中が同じような熱意を持って応募しているのだから、アップルが私というマーケティングに関してはまったく能力的に未開発な人材に投資をするインセンティブが無いのである。

しかし、MBAにくる人には私みたいに前職とは違ったスキルを身につけたいと考えている人も多いので、なかなか自分の好奇心を満たせて即戦力として貢献もできるというポジションで(しかも給料がそれなりに高くて)というとはなかなか一筋縄ではいかない。

とまあ熱く語ってしまったが、なんだかんだ言ってジョブサーチは非常に楽しいプロセスだと思う。いろいろな人に出会い、自分を売り込み、相手のフィードバックを貰ってまた自分について振り返る。このGSBの環境がそうさせるのか、ドリームジョブについて毎日真剣に考える今日この頃なのである。

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