Campus Report 2004

竹中 重人 to Tuck School of Business at Dartmouth(全20回)

MBAホルダーへの道

Vol.8 冬学期総括

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すっかり更新が遅くなってしまいましたが、冬学期の振り返りなどしたいと思います。

冬学期の振り返り

冬学期に履修した科目は以下の4つです。

Global Economics for Managers II

マクロ経済学。中央銀行や政府が経済に与える影響、貿易、景気についてなど。秋学期のミクロ経済と同じく、トピック的には基礎の基礎といったレベルと思われますが、教授の教え方も内容も素晴らしく、大変学びの多い授業でした。日本の話題が非常に多かったのも印象的でした。

Global Competitive Strategy

いわゆるStrategyのコア科目。ポーターのFive ForcesやValue Net、Add Valueなどのフレームワークを極めてアカデミックに教える。アカデミック過ぎる授業でやや不満を感じましたが、最後にチーム・プロジェクトがあったので内容的にはいい感じで消化出来たと思います。教授はPh.Dを出てからもずっとアカデミアで生きてきたようで、実務経験に根ざした含蓄のあるコメントなどがあまり無かったのは残念ですが、コース設計は良かったと思います。

Corporate Finance

企業やプロジェクトのバリュエーション、リアル・オプションなど。Tuckにしては珍しくコース設計が甘い授業BD3B25でしたが、最終的には皆必要なコンセプトを理解していたようなので、トータルとしては十分に水準に達した授業と言えると思います。私は経験が全く無いこともあり、知的な刺激という意味では最高に楽しい授業でした。

Marketing

全体的には授業で扱うコンセプトの数が多すぎて、自分としての学びはやや消化不良気味。教授は有名企業のブランド・マネジメントのコンサルティングを数多く手がけているので、話題の豊富さや学生の質問に対する回答はさすがと思わせるものがありました。

学問の成熟度

マクロ経済の授業の中で、政府による財政支出が経済に与える影響を説明していました。覚えている内容を簡単に書くと「政府による財政支出自体は経済にプラスの影響を与える。しかしながら、将来の税金負担の増加などを国民が予想して消費が低下するなど、マイナスの影響がある可能性もある。政府による財政支出の増加が、トータルとして必ず経済にプラスに働くと結論づけることは出来ない」 ん? そうなの? というか、もうちょっと分かり易い結論を期待してました。

教授に曰く「経済理論は数多くあるが、この授業で取り扱うのは経済学者の間で最も一般 的とされている内容である」とのこと。こんなに大事なテーマに曖昧な結論でお茶を濁すとは、経済学者の怠慢なのではないかと一瞬思いました。が、実際はそうではないでしょう。

マクロ経済だけでなく、冬学期に取ったファイナンス、ストラテジー、マーケティングにも共通 して感じたのは、学問としての未成熟さ、でしょうか。それぞれ若い学問領域なのもあってか、物理学でいえばニュートン力学が受け入れられる前の世界観という感じで、ある種の後付け理論が多いというか、まだまだ経営や経済活動のダイナミズムを上手く理論化・体系化出来ていないという印象を受けました(こんな事書くと専門家の方から怒られそう・・・誤解を招かぬ ように付け加えておくと、一つ一つの理論はある枠内では十分に精緻で、応用可能性という意味でも有用なものばかりでした) 。

勝手な想像ですが、特にマクロ経済学などはある決定の影響を他の要因と切り離すのが難しいため、断定的な結論を導くのが特に難しいのかも知れません。意味のありそうな実証実験をやるのもかなり難しそうですし。どの科目も変数が異様に多いので、ニュートン力学のようにシンプル且つ綺麗に現象を説明するのも不可能でしょう。でも、そういった事を考慮しても、まだまだ大いに発展の余地がある学問ばかりのように見受けられました(そう言うわけで、ちょっと自分も学究の道を目指してみようか、などと大それた野望を抱く今日この頃) 。

もちろんMBAで学ぶことを否定するつもりは全く無く、むしろ逆にこういう状況であるからこそ、学問横断的に学び、且つ自分の頭で深く物事を考える機会を与えるプログラムの価値が有るのだと思います。また、こうした状況がいわゆるカリスマ経営者を生み出す土壌となっているのかと考えたりしています。

オンキャンパス・リクルーティング

私はアメリカでの就職活動をやっていませんが、冬学期はアメリカでのサマーインターンの就職活動のハイシーズンでした。噂によると他校では2月始め頃に1週間の休みがあったりするようなのですが、残念ながらTuckにはそのようなものは有りません。コースの負荷も全く容赦無しなので、オンキャンパスの面 接を受けている同級生達は本当に大変そうでした。

しかしながらプロセスを通じて感じたのは、やはりTuckの就職への強さでしょうか。オンキャンパス面 接については、希望の企業の面接枠に各学生が持ち点をビットするシステムなのですが、他のトップ校に比べると学生数に対しての面 接枠の設定はかなり緩いようです。特にコンサルティング会社や投資銀行を志望する場合は非常に有利な環境だと思います。私のスタディグループのメンバーも全員無事インターン先が決まり、戦略コンサルティング会社3名、投資銀行1名、大手食料品会社1名という結果 となりました。

春休み

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冬学期と春学期の間に3週間の春休みがありました。当初はペルー旅行を計画しましたが、諸事情により断念。結局スイスとイタリアに旅行してきました。スイスではアルプスを走る氷河特急、ツェルマットでヘリスキーなど堪能。イタリアではミラノ在住の友人とともにフィレンツェ・ヴェネツィアなどを訪れてきました。アメリカもある意味長い旅路のようなものですが、やはり聞き慣れない言葉が飛び交う外国旅行の風情というのは格別 です。

休みから帰ってくると、ハノーバーの町もすっかり雪がとけて、一気に春の風情。スキーもそろそろ終わりで、これからは大半の時間をMBAの裏必修科目であるゴルフに・・・いやいや、勉強に費やすことになりそうです。

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