先月ついコロンビアを卒業しました。卒業式に出るために、親及び姉一家が遥々上海及び日本から来てくれました。どうやら、うちの親にとっては、私がガウンを着て、四角い帽子を被っているのを見るのが長年来の夢らしいのです。まぁ、それはともかく、一応大過なく2年弱の留学生活に正式に終止符を打つこととなりました。
厳しい見方となりますが、これからB-schoolを目指す皆様のために多少なりとも役に立つことがあればと思い、この2年間の感想を簡単に述べてみます。勿論、個人的な感想なので、バイアスがかかっているのをご承知の上でご覧になっていただければと思います。
2年間を振り返れば、私自身の評価はやはり不満足と言わざるを得ません。勿論、最初の動機はもっぱら名門MBA留学に重点を置いていたせいもありますが、留学生活を終えた今、不完全燃焼という気持ちはどうしても拭いきれません。
では、何がどう不完全燃焼なのかについて、やはり説明が必要でしょう。何と言っても、学校の姿勢や学生の態度には問題があるのではと思わざるを得ません。学生が基本的にはB-Schoolを何年間かの仕事後のしばらくのお休みとして捉え、また次となる仕事を探すのに最高の職安と見る傾向があります。そのため、就職活動に精を出すか、社交活動に精を出すか、肝心の学問ないし勉強はさほど気にも留めていません。
学校は学校で、学校のランキングのために、できるだけ就職率を高めようとして、うわべっぽいものしか学生に教えていません。それであれば、いっそのことなら、学校に行かず、自分なりに独学で本から学んだ方がいいかもしれないよねと友達と冗談で言った覚えがありますが、さしたる冗談にも聞こえません。勿論、学究になるつもりではないので、本の虫になれとは言いませんが、それにしても、真相の追究という気概はおおむね薄いといわざるを得ません。
やはり、常に頭の中に何で、"どうして"というのがないと、ただ単に言われるがまま、脳での咀嚼なしに、受け入れるのはあまりにも能がないと言わざるを得ません。やはり、デカルトの「我が思うゆえに、我があり」というのをもう一度受け止めないといけないのではないでしょうか。
学校がランキングのことを気にするのは理解できなくは無いのですが、やはり目先の小手先で上げようとしても、結局しっぺ返しを食らうだけです。コロンビアがずっと第二集団の先頭を走っていると揶揄されている所以でもあります。教育は人に教え、人を育てる事業です。いささか暴論ではありますが、そもそも営利事業であってはいけません。
では、今回の留学が失敗かといいますと、そうとも言い切れません。勿論、学校での失望があるにせよ、学んだものが一杯あるというのも事実です。また、逆説になりますが、2年間の留学生活を通 じて、思考力が身に付くようになったのではと思っています。 それと、やはり投資に目が醒めたというのは留学の最大の収穫だと思います。学校のValue investing programや課外活動を通じて、色んな知識を身に付け、それなりに、我流の投資手法を確立できたと確信しています。勿論、世の中、常に変化するわけなので、投資手法も戦術的な部分においては、更新しなければいけませんが、投資に当たる最も根本な部分は恐らく永遠であり、変わらないのでしょう。
そういった意味では、コロンビアは最良の環境を提供してくれたと思います。つまり、Value投資の誕生地に相応しいValue投資への情熱や関心を常に肌で感じているその環境はこの上ないの贅沢であり、私への刺激ともなっています。 今後も投資業界で精進していく予定ですが、願わくは早くアジアのウォーレンバフェットとなり、彼を追い越したい所存です。