Campus Report 2004

竹中 重人 to Tuck School of Business at Dartmouth(全20回)

MBAホルダーへの道

Vol.9 サマーインターン開始

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更新が滞っておりましたが、無事MBA1年目を終えました。現在日本に帰って来て、某製薬会社にてこの夏1つ目のサマーインターンの真っ盛りです(ちなみにもう1社やる予定です)。春学期の事などまだ全然書いておりませんが、ここは一発旬のネタ、4週間を経過したサマーインターン体験について今回は書きたいと思います。

感傷に浸る間もなく

6月頭の金曜日にTuckの春学期に行っていたコンサルティング・プロジェクトの最終プレゼンを終え、土曜日は1年住んだ寮の部屋からの荷物の運び出し。日曜日には朝イチのバスに乗ってボストンの空港へ行き、途中デトロイトを経由しての日本へのロング・フライト。あー忙しい!

長時間の移動でぼろ雑巾のようになりながら、サマーインターンの間に入居するマンションに到着したのは月曜日の夜9時でした。日曜日と月曜日を丸々移動で使ってしまった・・。日本に着いた翌日は早速初出社。久しぶりにスーツを着て会社にオフィスに向かいます。朝の満員電車に揺られながら、わずか数十時間前までTuckでプレゼンやってた事が夢だったのではないかと思ってみたりして。

午前中に人事の人から基本事項の説明をして頂いて、午後から早速プロジェクト開始です。プロジェクトの詳細は書けませんが、ある製品のポジショニングに関するプロジェクトをさせて頂くことになりました。この会社のサマーの良いところは「ホンキ」のプロジェクトをインターンの学生にくれること。この会社の中でも重要な課題について、MBAのインターンに任せてくれるのです。社内で別に動いている人は全く居ません。

初日はいくつかミーティングをして早めに帰りましたが、翌日には「懸案だったXXXのポジショニングに関してサマーインターンの人が来てくれましたので、可能な限りサポートしたいと思います。つきましてはxxxxの資料の開示に関する承認を・・・」なんてメールが飛び交って、いきなり本気モード全開です。素晴らしい。望むところです。

MBA 1年目はとても勉強が面白くて充実した日々を過ごしていました。が、ケースなど所詮は過去の他人の話。春学期にはコンサルティング・プロジェクトなどはありましたが、やはり1年も実地での仕事を離れるとなんだか物足りない気持ちになります。実は春学期の最後の頃は久しぶりにリアル・ワールドで仕事をしたくてウズウズしてました。前の会社の最後の頃は仕事に慣れきっていて忘れていたけれど、実は私は仕事が大好きなのです(でも性格がとても怠惰なのは、かなりの矛盾・・・)。

10年後、勝てますか?

さて、プロジェクトのお題として与えられた製品は、実は日本で発売されるのが数年も先。さらに製品発売後の競合他社の動きやそれに対する戦略を考えていかなければいけないので、少なくともプロジェクトの終わりまでには10年後までのストーリーとその時の業界地図が綺麗に頭に描けてないといけません。

この業界の面白いところは(まあ実際は色々起こるんでしょうが)、結構確率の高い形で10年後の業界想が描けてしまうところです。何年先にどこの会社がどういう薬効の薬を出すので・・・という情報がある程度存在するため、これらをベースに市場がどう動くかのストーリーが描けるわけです。前職の半導体業界では、本職で7年やっても、ほんの数年先の見通しも混沌としてましたので、本当にえらい違いです。

こうして数週間にもわたって一つのテーマだけを考えるというのは初めての経験ですので、今の所は苦労しながらも楽しくやっています。ただ実際に事業会社で働く場合、似たような課題を考えるのにまとまった時間などとれません。目先の仕事を片付けながら、余った細切れの時間でこういう課題を考えなくてはならないはずです。今回は9週間という時間を与えられていますが、ここは一発2週間くらいでかなり有効な仮説を作ってやろうという意気込みで臨みました。卒業して何年か経つ頃には、2~3日で同じくらいの事が出来るくらいの能力は身に付けたいと思っています。

実際の所は、最初の2週間で集めた事実を基に簡単な仮説を作って周りの人に見てもらい、3週目の終わりには我ながらなかなかのアイデアが出ました。目標はここまでで2週間だったわけなのですが、実際はまだまだ時間もあるわけですし、一応合格点といえるレベルでしょう。

クレディビリティの管理

さて、プロジェクトを始めて感じるのが、Tuckでの秋学期にManagement Communicationのクラスで学んだ"クレディビリティ"の考え方の重要性です(日本語で言うと「信用度」って感じの意味合いです)。授業の中で学んだことは、他人へ影響を与えるにはクレディビリティが重要であると言うこと。クレディビリティはいくつかに分類することが出来て、たとえば上下関係から来るクレディビリティ(部下は上司の言うことを聞く)、経歴から来るクレディビリティ(専門家の言うことは説得力が高い)、人間関係から来るクレディビリティ(信頼出来る人から聞く話は信じやすい)などなど。クレディビリティを如何に高めながら他人とのコミュニケーションを取るべきかということが、授業で学んだ事でした。

インターンの職場では、ビジネススクールの学生であるという事実がある部分でのクレディビリティを高めてくれる一方で、業界のド素人であるという事実が絶対的に私のクレディビリティを下げます。さらにこの職場には、私がどんな人間であるかを細かく知る人はいません。こういう環境ですので、プロジェクトを上手く運ぶためには自分自身のクレディビリティを上手に管理する事が普段以上に重要です。

コミュニケーションが上手くいって何らかのクレディビリティを獲得すると、相手が参考になりそうな情報を色々とくれたりしますし、その後のコミュニケーションも非常に楽になります。一方クレディビリティを上手く獲得出来ないと、相手からは「出来ない人」という目で見られたままですので、何かを説明しても納得してもらうのが大変だったりします。

先日行ったディレクター達への中間報告では、このクレディビリティ管理の出来不出来がかなり明暗をわけました。一人目のディレクターの所に説明に行った際には、説明の途中でクレディビリティ獲得が上手くいきました。途中からは静かに説明を聞いて頂いて、最後には「この時点でここまでまとまっているんですから、残りの時間はエビデンスを集める事にフォーカスしてください」と言われました。大成功です。

その翌々日に別のディレクターにほぼ同じ内容での説明を行いました。が、今度は非常にネガティブなフィードバック。「もう少ししっかりと基本的な理解を深めてください」と言われてしまいました。前のプレゼンからの2日間に何人かの人に見せているうちに「情報が多すぎて理解するのが大変」という声が多かったため、2人目のディレクターには中途半端に内容を省略して説明したのが失敗の原因のようです。細かい所の理解を省略して上っ面だけを追いかけていたという印象を与えてしまった可能性が高い。自分自身が持っているクレディビリティの分析がしっかり出来ていれば、こういう印象を持たれるのを避けられたはずです。

楽しい思いやホロ苦い失敗などしながら、サマーインターンは折り返し地点を過ぎました。これまでの所、非常に学びの多いインターン経験となっています。

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