Campus Report 2004

藤本 崇 to Stanford University Graduate School of Business(全21回)

MBAホルダーへの道

Vol.12 MBA vs. 実務体験:インターンで学ぶこと

転職のご相談・お問い合わせ

経験豊富な
エージェントに転職相談(無料)してみませんか?

1分で完了無料登録・転職相談

今私は、10週間のインターンシッププログラムの5週間目に差し掛かるところである。投資銀行では情報管理がクライアントの信頼を得る為の必須条件であり、またCompetitive Advantageにもなるので、仕事関係の情報を社外に漏らすことは硬く禁じられている。よって残念ながら私のインターンシップの内容についてあまり詳しくこのレポートには書くことはできないのだが、職務内容とは別 に、この5週間の経験の中で私が個人のキャリアの為に考えたことをシェアしてみようと思う。

まず一つ今非常に実感していることがある。「実務vs.学位」、つまりキャリアアップにはどちらが価値のある経験か、というのはよくMBAを受ける前の人が考えさせられる事だと思うが、私も学生を9ヶ月やった後に会社勤めに復帰してこのトピックについてよく考える。

私個人が出した結論というのは(勿論まだインターンシップは終わっていないのでこれからこの結論が変わるという可能性も大いにあるのだが)この5週間で得た知識と経験は、その前の9ヶ月間のMBAの体験で得たそれらと微妙に違う種類のものであるが、バリューとしては同等かそれ以上かもしれないということ。これは私だけではなく、他の分野でインターンシップをしているMBAの学生もおそらく感じていることなのではないだろうか。

まずファイナンス関係の知識について。投資銀行で働き出して、スタンフォードのファイナンスの授業でやったのは、あくまでセオリーであり、実際の金融市場の動きや企業が財務ストラクチャーについて考慮する点は、セオリーとは微妙に違うということに気付く。それはそれぞれの市場において法律の制約や、国民性や金融市場の成熟度の違いによるマーケットのリアクションを理解しないと分からないことが多いので、それらを授業で学ぶということ自体土台無理なのだが、企業のトップにファイナンスのアドヴァイスを与えるのが仕事の投資銀行という職業では、これらをの詳細を理解しているということが成功の鍵を握っているような気がする。

勿論金融関係の知識ゼロからスタートしている私がこの世界に入ってくるのにはMBAで取ったコーポレートファイナンスの授業で学んだ知識というのは必要不可欠であったのだが(恥ずかしい話だが私はMBAに来るまで借金がBondという名の下にパブリックマーケットで取引されていることも知らなかった)、それだけでは十分な知識ではないということを仕事を始めて痛切に感じる。

というか私の場合まったく違う業種から来て、あまりに自分の知識の無さを実感させられることが毎日起こるので、私は3日目位 から自分の周りに座っている人の机にある本を片っ端から借りて通勤の時間や寝る前等に読むことにしたほどだ。面 白いのが勉強というものはクラスルームで座っているとつまらなく感じるのだが、いざ必要性を感じるとむさぼるように吸収したくなる。

それから、仕事で成功するには知識だけでなく、それぞれの業界特有の人間関係やいわゆる「仕事の回し方」というものがある。何にフォーカスしてどういう風に仕事を進めていけばよいかということである。投資銀行でも一人だけでできる仕事など限られているので、ほとんどのタスクは如何に早く他の人から情報を集め自分で付加価値を与え短期間でデリバーするかというところが勝負になる。

特にインターンという微妙なステータス(働かせて貰ってはいるものの、このインターンシップの成果 の評価でオファーを貰えるかが決まるので、ある意味この10週間は長い面 接プロセスのようなものだ)においてはこれを早く学び取って、限られた時間の中で仕事を回していけるようになるということが結構大切である。オファーの死活問題に関わるという点ではある意味最優先で学ぶべきことではないかと思うのだが、これもまた、実際に仕事を始めてある程度どっぷり浸かってみないと学べないことの一つであると思う。

勿論MBAでもネットワーキングの大切さというのは学ぶのだが、やはり多種多様なバックグラウンドの人が集まるMBAのコミュニティと、金融のエキスパート集団である投資銀行では人の種類も違うし、またクラスメートとして接するということと、仕事上のパートナー或いはインターナルクライアントとして接するということでも違う。これはもう毎日業務業務に携わりながら触れる内部及び外部とのインターアクションから、自分のタスクの目的と最終顧客を考えながら、自分なりに効率よくアウトプットを出せる方法を編み出すしかないのだ。

ここまで書くとじゃあこれで1700ドルかかるMBAの教育は無意味で必要無いものなのかという風に取られるかもしれないが、実はそうではなくて少なくとも私はMBAを体験して本当によかったと思っている。リーダーシップ系のクラスやミクロ経済のクラスで学ぶセオリーはやはり実務経験ではなかなか教えてくれないことだし、実践で学ぼうとすると5,6年かかることを3ヶ月の授業で凝縮して学ぶことができるというのは非常に効率的である。

勿論授業で学んだだけでは実体験で学んだものと同じ濃さで吸収してはないにしろ、少なくとも今後のキャリアにおいて学ぶべきものであるという位 置付けを自分の頭の中に確率したというだけでも非常に価値のあることだと思う。用は使い分けが重要だということだ。

私はこの夏の体験でファイナンスの知識は実務体験で学ぶ方が効率的だと感じ始めているので、スタンフォードに帰ったら二年生ではソフト系(リーダーシップ、組織論、アントレプレナーシップ等)のクラスを重点的に取ろうと考えている。また、MBAから業界での実務経験に入るとMBAのクラスメートのdiversityのありがたみも非常に分かってくるので、卒業までにできるだけいろいろな級友達と交流を深めようと思うし、それが得られるものの一つであると実感する。こういった自分なりのフォーカスというか使いまわしを覚えるとMBAの自分にとってのバリューも上がるのではないかと思う。

いずれにしてもMBA無しには今のサマーの体験も無いであろうから私にとってスタンフォードGSBは既に自分のキャリアのベースとして無くてはならないものになりつつある。

次回はインターンシップを終えた後、改めて今回書いたようなことに対しての「ファイナルアンサー」をまとめていくつもりだ。それではまた。

初めての方へ 私たちキャリアインキュベーションについて

転職のご相談・お問い合わせ 業界の専門分野で10年以上の
経験を持つエージェントに
転職相談(無料)
してみませんか?

あなたのキャリアに関する相談相手として、現在の状況に耳を傾け、これまでのご経験や今後のポテンシャル、
将来の展望を整理し、よりふさわしいキャリアをご提案します。

  • 転職成功者の90%以上が
    対応に「満足」と回答

    キャリアと並走して
    長期的・継続的にサポートする活動に
    多くの方から賛同いただいています。

  • 転職ありきではなく戦略的に
    状況を見極めて案件を紹介

    今後のキャリアの可能性を
    探りたい方にも希望や適性を
    踏まえて本音でアドバイスします。

  • 転職決定者の70%以上が
    年収1,000万円以上を獲得

    圧倒的な求人情報量があり
    ご相談いただく多くの方が転職前よりも
    好待遇で就業されています。

1分で完了 無料登録・転職相談

現在約6000人以上が登録中!
転職活動にすぐに役立つ
メールマガジン(無料)もございます。

メールマガジン登録(無料)