Campus Report 2004

竹中 重人 to Tuck School of Business at Dartmouth(全20回)

MBAホルダーへの道

Vol.10 読書の夏

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製薬会社でのサマーインターンが無事終了。お盆はゆっくり実家で読書・・・の予定でしたが、ちょくちょく友人と飲みに出かけております。

ファイナル・プレゼンテーション

先月書いたようにサマーインターン先での中間発表で厳しい評価を頂いたりしていましたが、なんとか無事プロジェクト終了にこぎつけました。いろいろと特徴のある製品のポジショニングのプロジェクトでしたが、数週間が経過した時点で「あれ、この場合のポジショニングって、製品の特徴の優先順位付けの話?」と閃いた時からプロジェクトが大きく進みました。

製品の特徴はたくさんあるけれど、本当に価値のある特徴って一体どれなの?という問いに答えられない自分。それぞれの特徴によって、ターゲットに出来るセグメントが大まかに絞れてくるので、結局の所はそれぞれの特徴から考えられるポジショニング、あるいはその組み合わせしか有り得ないはずである。その中から一番価値の高いポジショニングがどれなのかという事を検証すればプロジェクトは殆ど終わったも同然のはず・・・というようなことを考えたわけです。

そして2ヶ月の苦闘の結果、自分としては非常に納得感の高い結論に。ファイナル・プレゼンテーションでも「この内容で評価されなかったら、評価する側の問題だ」とまで思い込んで、何故か自信満々でした。でも、やっぱり緊張はしたけれど。

無事プレゼンを終えて数日後のフィードバック・セッションでは、中間発表で厳しい意見を下さったディレクターからお褒めの言葉を頂く。「非常に良かったですよ。グローバル・チームがどういうリアクションをするか判りませんが、日本からの提案としては竹中さんの案で行きます」とのコメント。報われた気持ちというのはこういう事かと思うほど、この一言を聞いた瞬間は嬉しかった!

こうして苦しくも楽しかった1つ目のサマーインターンが終わりました。結果には満足。やり遂げた自分にも満足。でも、ここで仲良くなった他のインターン学生とはもうなかなか会えないと思うと、2ヶ月間住んだマンションを出る時はとても寂しい気持ちになるのでした。

読書に耽る
さて、製薬会社のインターンが終わって次のインターンが始まるまでの数週間が本格的な夏休みです。アメリカで3万ドル以上もする高級車を買ったおかげでやや金欠気味な私は旅行にも行けず、実家で読書くらいしか夏の過ごし方がありません。それに、やはりいくら英文に慣れてきたとはいえ、文章を読む際の快適さという意味では日本語が一番。娯楽としての読書は、日本語に限ります。立ち読みをしながら買いたい本を決めたい私としては、日本滞在というのは日本語での読書の大きなチャンスなのです。

MBAでの1年目で知識だけは山ほど仕込んだおかげで、読みたい本にも幅が出てきました。最近のお気に入りジャンルは、やや投げやりな感じが私の琴線に触れた経済学(失礼・・・)とイノベーション関係の話です。読んでいる途中のも含めて、この夏の読書は以下の通り。古典っぽいのが多いですね。

マネジャーの仕事(ミンツバーグ)
戦略サファリ(ミンツバーグ)
知識創造企業(野中・竹内)
発想する会社(トム・ケリー)
良い経済学・悪い経済学(クルーグマン)
経済学者たちの闘い(若田部)
マネーボール(マイケル・ルイス)
希望格差社会(山田昌弘)
五体不満足(乙武洋匡)

特に「発想する会社」という本はIDEOという西海岸の企業を取り扱った興味深い内容。春学期に取ったエレクティブのコースでもこの企業のケースをやりましたが、この会社はかなりすごいかも。主に製品デザインを請け負っている会社と言えると思いますが、Apple社のコンピュータ用のマウス、PalmのPDA、P&Gの歯磨き粉用チューブ等々、数多くの「ああ、あれね!」という製品をデザインしてます。この会社のウリは新しい製品コンセプトを生み出す力。テレビ番組の中で、わずか数日で「革新的なショッピング・カート」をカメラの前で一から作り出すという離れ業もやってのけた事もあるそうです。

多分今でも多くのメーカーで起こっている事というのは、何となく良さそうな企画書を出し、お客さんがその製品で本当に喜ぶのかという点を厳密に突きつめないまま開発プロジェクトをスタートし、いざスタートしてしまうとその製品案を具体化する事が目的化してしまう・・・といった事では無いでしょうか。きっとこういうプロセスを経て、あまり使い勝手の良くない新機能がたくさん付いた家電製品などが生まれる。

IDEOの感心するところは、使う人の事を見て、考えて、議論して、本当にユーザーに役立つものを作り出すためのフェーズを製品開発プロセスの中に埋め込んでいること。当たり前の事だけれど、実際に製品開発をやっていると競合の動きや一日も早く製品を出したい気持ちがはやって、こういう時間を削って開発期間の短縮に走ってしまいがち。IDEOはこの時間という犠牲を払っても、製品に妥協しないで成功してきた会社なのだそうです。企業文化やブレーンストーミングのやり方などが、日本のクリエーティブな会社の代名詞・リクルートと似ているのも興味深い。

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