5月初旬、2年間暮らしたフィラデルフィアの部屋から日本へ引越荷物を送りました。家具や電化製品等は、Moving Saleとして在校生・新入生の皆さんに安価で譲り受けて頂くことができたため、2年間の授業のレジュメ&テキスト・参考書類と、個人的に大好きで集めてメキシコの焼き物(プエブラという街の特産である"タラベラ"という焼き物)を初めとした食器類が、主な荷物となりました。
学期末のプロジェクトや課題、卒業旅行、交換留学の準備・・・の中での引越は覚悟していた以上に大変で、フィラデルフィアを発つ最後の最後まで残務整理に追われてしまい、2年間住み慣れた街との別 れをゆっくり惜しむ暇もないままに、5月は過ぎていきました。
<卒業旅行~アルゼンチン&ブラジル珍道中>
イグアスの滝にて友人と共に
期末試験とSpring Galaを終えた4月23日からの2週間、南米卒業旅行に出かけました。旅は3つのパートに別 れ、(1)まずは一人で南部パタゴニアのエル・カラファテと南米最南端の町ウシュアイアへ、 (2)その後、今年に入ってからプエルトリコとペルーへ一緒に旅行したシンガポール人の友人と二人でブエノスアイレスとイグアスの滝へ、(3)さらに、遠路はるばる日本から来てくれた友人二人とイグアスで合流し、合計4人でサンパウロ&リオ・デジャネイロへ。
スペイン語もポルトガル語もチンプンカンプンの私(達)でしたが、想像していた以上に整備された観光ツアーや、旅先で出会った親切な人々のおかげで、特に何に困ることもなく、危ない目に遭うこともなく、漠然と想像していたイメージとは異なるアルゼンチンやブラジルを満喫し、楽しく思い出に残る2週間を過ごすことができました。
パタゴニアにて出会った友人と共に
中でも、一人旅だった南部パタゴニアのツアーで知り合ったブエノスアイレス出身の弁護士アリエルと、サンパウロ出身の医師フェリシオと、三人で意気投合して夜中まで語り合ったこと、その後合流した友人達と共に訪れたサンパウロでフェリシオを訪ねて皆で一緒に食事をしたことが、とても良い思い出となりました。
また、サンパウロの日本人街で昼食のために立ち寄った"木下"という日本料理屋さんで、おいしい日本食に出会えて感動し、さらには、食事後にお店のご主人から、ご主人自らの半生や、ご家族や従業員の方々とどのように向き合いながらブラジルに住む日本人として心を磨いて生きておられるのか・・・といったお話しをお聞かせ頂き、旅先での様々なご縁に改めて感謝しました。
<いざINSEADへ!>
INSEADでの生活については、以前INSEADから交換留学でWhartonに来ていた友人からのアドバイスを受け、学校から少し離れた郊外の小さな村でINSEADの学生とシェアできる部屋・家を探し、車をリースして通 おうと、希望に叶う物件を探したところ、幸運にも、学校から約10キロ(= 車で約10分)離れた小さな村で、INSEAD生のスペイン人2人とマレーシア1人と広い庭付きの一軒家をシェアしているフランス人INSEAD生から部屋をサブレットできることとなり、また、車は今年1月~4月にINSEADへ交換留学に行っていたWhartonの友人からサブリースできることとなりました。
INSEADでの2ヶ月間では、Whartonの2単位分(= INSEADの3単位分)の授業を最低限履修することが義務付けられており、Auctionを通 じて、私は、Negotiation Analysis、Family Farm、Strategies for Asia Pacificという3単位分の授業を履修することとしました。
Negotiation Analysisは、ほぼ毎回の授業の前に課題として出されるケースについて、教授から決められた毎回異なるパートナーと実際に交渉し、ケース内容~交渉相手の戦略・戦術から学ぶべきこと、自らの交渉内容で良かったこと悪かったこと等~を詳しく振り返りながら、交渉に関する一般 的理論と、実践におけるポイントを学ぶというコースでした。
ファイナンスとマーケティングをダブル・メジャーとするために、Whartonの超人気の教授の授業にはビッドせずにINSEADのオークションでビッドしたのですが、一旦wait listに載った後、何とかギリギリ繰り上がって受講できることとなった大人気の授業でした。アメリカの弁護士であり、実際に経験を積んだnegotiatorでもある教授は、絶妙の話し方・間のとり方で人を惹きつけてやまない授業運びが何とも魅力的で、印象的な授業でした。
Family Farmは、比較的大規模なfamily businessにおける諸問題~創業者一家が、世代が進むにつれ家族数が増える中、どのようにfamily businessの所有権や経営権を維持していくのか or 分離したり手放したりしていくのか等について、様々なケースを取り上げ、家族の各メンバーの心理的側面 をも推し量りながら分析していく授業でした。
起業した会社を公開後に売却した経験のある教授が、自身がリサーチして書かれたケース等について熱弁をふるって下さる興味深い授業でした。コース受講者の多くが、実際に何らかのfamily businessの後継者候補であり、ビジネス・スクール卒業後の進路として、family businessを承継・拡大していくことを真剣に考えていることが特徴的な授業でもありました。それだけ、授業中にでる質問も真剣そのもので、授業で取り上げるケース以外に、各受講生が抱える実際の問題について話し合うこともある深みのあるコースでした。
Strategies for Asia Pacificは、日本・中国・シンガポール在住計10年以上という教授による授業で、毎回、文化的背景と合わせてアジア各国におけるビジネス・ケースを取り上げていくコースでした。SpeakerとしてJETROパリの所長を招いてお話しをお聞かせ頂いた日は、長引いた日本の不況や回復期に差し掛かっているとされている現状について、日本企業の経営改革のあり方について、中国や韓国における抗日運動について等々多岐にわたるテーマについて様々な質問や意見が飛び交い、クラスメイト達の日本観について知ることができる大変貴重な機会となりました。
Whartonの卒業式にて友人と共に
<Whartonの卒業式>
5月15日(日)、2年間クラスメイト達と共に学んだWhartonの卒業式が、ペンシルバニア大学のフランクリン競技場にてとり行われました。既に交換留学のためINSEADへと経った一週間後にフィラデルフィアにトンボ帰りしての慌しい卒業式となりましたが、クラスメイト達としばしの別 れを惜しみつつ同じ時間を共に過ごすことができました。少し小雨もパラついた曇空の中、学長やゲスト・スピーカーとして来校下さったアラン・グリーンスパン議長からお話を頂き、その後、約800名の卒業生全員が一人一人名前を呼ばれ、壇上で卒業証書を受け取る・・・という卒業式が催行されました。
2年前の8月末にWhartonの入学式で学長よりお聞かせ頂き、感銘を受けた言葉~学んだことを社会に貢献するため活かしていくことが大切である~を思い返しつつ、親しい友人達の壇上の晴れ姿を眺めながら、この2年間の出来事・自分自身の変化を振り返って約2時間半のセレモニーを過ごしました。レセプションでは、"Good Luck!!"と互いに言ってハグし合い、しばしの別れを惜しんで、友人達と共にたくさんの写 真を撮りました。夜は、旅行を通じて一番とも言えるほどに親しくなった友人とご両親との卒業お祝いのディナーに招いてもらい、4人で、楽しくおいしいフィラデルフィア最後の晩餐?を過ごしました。
翌16日(月)、様々な想いと思い出を胸に、MBA Program最後の7週間をINSEADで過ごすべく、再びフランス、フィンテーニュ・ブローを目指しました。
Whartonの卒業式にて友人と共に(4枚)、合計7枚の写真を添付させて頂きます。