Campus Report 2004

竹中 重人 to Tuck School of Business at Dartmouth(全20回)

MBAホルダーへの道

Vol.11 コンサル体験

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夏休みが終わり、いよいよ2年目が始まった。2年目は楽だと大抵の人は言うものだが、取った科目が悪かったのか大変忙しい。折角の週休3日生活なのに、1日遊んだら後の2日は勉強漬けじゃないと予習が間に合わない。こんなはずじゃなかったのに・・・。

コンサルティング会社

さて、夏休み2社目に行ったコンサルティング会社でのサマーインターンシップについて。たったの2週間だったが、やはり実際に働いてみると学びは多かった。本物のプロジェクトに入れて頂き、最初の1週間でリサーチ、後の1週間で提案を考えるという形で仕事をさせて頂いた。以下、インターンシップで気付いたことをいくつか挙げます。

1. ペース早すぎ

仕事の能率の良さでは相当の自信がある方だったが、最初の1週間のリサーチ期間ではコンサルで求められるペースに目が回った。なにしろ
(僕)「じゃあこれを2週間でまとめて調査レポート出せば良いですか?」
(コンサルタント)「いや、それ明後日までに見解欲しいのですが」
(僕)「え・・・? (マジですか?!)」

といったような、ものすごいギャップがあったわけである。このギャップは、コンサルはやっぱりスーパーマンばかり・・・という理由で生じたわけでは決して無く、判断の仕方あるいは情報の解釈の仕方がそもそも異なっている事が原因であると後に判った。

調べものをすると、大体の全体感というのは割とすぐ得ることが出来る。自分なりの解釈を加えるにはもう少しじっくり調べなければいけない。ちゃんとしたレポートを作ろうと思うと、さらに細かいところまで情報を押さえておかないといけない。でも100%の情報など永遠に得られないので、どこかで妥協をするわけである。

では何かの判断をするのに必要な情報(あるいは仮説を立てるのに必要な情報)というのはどれくらいの情報量と精度が必要なのだろうか? もちろん時と場合に依るのだが、多くの場合は意外と少ない情報量でいけるような気がする。普通は「ちゃんとした」レポートを作るために、必要十分の情報が集まって以降もたくさんの時間を費やしがちであるのに対し、コンサルは必要十分の情報が集まった所でその情報に解釈を加えてその後の方針を決定する。

このようにして、こうしてコンサルでは目的に徹底的にフォーカスして仕事をするので、とても速いペースで仕事が進んでいった。

2. 絞り込みの巧みさ

これも前の話と若干絡むが、「その問題について検討すべきかどうか」についての議論がとても上手い。実は先程書いたコンサルのペースについての話の中では、「必要十分な情報」というところが曖昧である。要はこれがよく判らないからリサーチに時間をかけすぎる結果となるのである。この点、一緒に働いたコンサルの方々は、何が判れば何の判断出来るのかという事を常に考えている上、とても上手に検討しても意味のない選択肢を議論の土俵から外していく。結果、大まかな判断を下すのに必要十分となる情報量レベルを、一見すると必要そうに見えるレベルよりも格段に落とすことが出来る。

僕の場合、今回のプロジェクト向けに出したアイデア(結構良いアイデアだと思う)を「う~ん、話の規模感が一桁下だね」と言われ、わずか2分で即切りされたりした。あるいは「これを調べてみようと思うのですが」と言うと必ず「それが判ると次に何が判るようになるんですか?」という質問をされた。こうして効率よく検討すべき課題を絞り込んでいくわけである。

主には以上2点の違いにより、冒頭のような仕事のペース感に対する大きな認識の違いが生まれていたようだ。

3. 付加価値の出し方がわかりにくい

この夏一つ目のサマーインターンで事業会社の社内コンサルのような仕事をさせてもらった事もあり、たとえ素人であってもその道のプロには出せない付加価値が出せる可能性があることは確信した。しかしながら実際にプロのコンサルに入って、どのような価値を提供すればこの高額のコンサルティング・フィーを正当化出来るのかについては、かえって混乱が深まる結果となった。

確かにコンサルはかなりのスピードで思考をするが、極端な話を言うと「クライアント企業でもいつかは考えられたかもしれない話」しか成果物として出せない。知識や能力に極端な違いがあればフィーの正当化は比較的容易だろうが、クライアント企業の担当者知識・能力とも十分高かった場合、そこからの差別化は現実的にかなり難しい。取り扱っている商品が「あなたの代わりに考えます」であるだけに「コンサルとして何を考えれば付加価値が生めるか」の見極めは重要なのだが、これがとても難しいのだ。まして自分のように事業会社の経験があると、その経験がかえって判断を鈍らせる。正直言って自分がこの2週間で出した成果物が、今回のクライアント企業並びにこのコンサルティング・ファームにとって価値のあるものであったか甚だ疑問である。

以上が、コンサルでのサマーインターンを終えての印象である。洗練された思考の手法を見ることが出来たという意味で、学びのある2週間だった。

夏を振り返る

夏休みの中で自分としての一番大きな収穫は、自分の前職での経験を客観化出来たことであるかと思う。新卒以来1つの会社にしか勤めたことが無かったので、製薬という規制業種の中の比較的大らかなカルチャーの会社と、コンサルティングという毎日の生産性が厳しく問われる会社の両方で働いたおかげで、前の会社を評価する軸が初めて生まれたような感じだ。前の会社が自分にとって非常に良い職場だった事に気づけただけでも収穫は大きい。

もう一つ強く感じたのは、やっぱりMBAの知識だけで会社という組織の中で何か大きいことを達成出来るようになるかというと、そこにはやはり壁があるということ。MBAで学んだおかげで、問題の認識は出来る。どのような問題であるかも色々な角度から評価出来るようになった。でも「では一体何をしたらもっと良くなるの?」という部分に関しては、アイデアはたくさん出るものの、確信を持って実行出来るレベルとは言えない。座学の限界だと思うし、もうこの点に関しては再び社会に出てから磨くしか無いのであろう。

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