Campus Report 2005

小林 大祐 to The Kellogg School of Management, Northwestern University(全19回)

MBAホルダーへの道

Vol.3 オリエンテーション開始:CIM weekとは?

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9月6日、いよいよオリエンテーション期間が始まりました。 Kelloggでは、2週間にわたるオリエンテーション期間をCIM weekと名付けているのですが、新入生達は、この2週間でケロッグの神髄である、"Teamwork:Work Hard and Play Hard"のカルチャーを身をもって体感することになります。

今回のレポートでは、CIM weekの内容をご紹介することで、Kelloggのカルチャーとカリキュラムの素晴らしさの一端をお伝えしたいと思います。

<Sectionとは>

Kelloggの1年生は、CIM weekの開始時に、自動的に"Section"という60人単位のクラスに割り振られます。このSectionは、秋学期・冬学期の必修科目を受けていくクラスなのですが、CIM weekでは、このSectionを一つのチームとして強力な連帯感とチームワークを築き上げていく活動が満載なのです。おかげで、Kelloggの新入生は「異国の地で友達ができるかしら」「仲間に入れてもらえなかったらどうしよう」という不安とは無縁です。

Kelloggには8つのSectionがあり、それぞれBigDogs, JiveTurkes, Poetsなどのニックネームが付けられています。私が所属するのはCash CowというSectionです。Sectionは男女比率・国籍・職歴などがバラつくように学生が割り当てられており、互いの異なる経験を共有するための多様性を担保しています。事業会社・金融・コンサル・ITはもちろん、面白いところでは私のクラスには米・英の元軍人が4人おり、後述するMORSの授業(組織論を含む)では、軍隊という強力な組織の規律・カルチャーなどについて中々興味深い話を共有させてもらいました。

個人的にはグループワークをする中で垣間見えた、元軍人達の真面目さと自己献身をベースにしたリーダーシップには感動し学ばされるものがありました。また同じクラスに不正会計で破綻したエンロンや、先日破産したデルタ航空の元社員もいて、それらの会社がちょうど授業の題材となっていたことから、ギャグネタにされつつも会社内の話を授業で披露していました。

<CIM-weekの活動>

CIM-weekの2週間は、上記のSectionの仲間(Section Mate)と、文字どおり「どっぷり」と濃密な時間を過ごすことになります。どれぐらい「どっぷり」かと言うと、「朝食から深夜の飲み会まで、1日だけ休みを挟んだ連続16日間」です。この16日間で、後述するMORSと呼ばれる集中授業と併せて下記の活動を行います。多くの活動で、競技順位もしくはCIM week委員会による得点が与えられ、個別の活動と総合でのNo.1を目指して、全セクションが激しく競い合う事になります。

・応援大会(Cheering)

初日いきなりです。各セクションが、各セクションのニックネームに応じた自分達自信の応援(掛け声、歌、振り付けなど)を考え、練習し、披露し、審査員による評価ポイントを競い合います。この応援はその後の競技会で多用し、Sectionの共通ツールとなっていきます。各SectionのオリジナルT-shirtsを着ることになるので、CIM-week中はEvanstonの街中に同じT-shirtsを着た妙齢の学生がたむろすることになります。

・学芸会(Talent-show)

これは各Sectionで、テーマを限らず芸事を競うショーです。5日目の大会に向けてたっぷり練習します。私のSectionは女子はカウガールになって踊り、男子はシンクロナイズドスイミングで裸体を晒しました。もうこのころには積極的に場を取り仕切るメンバーや、ひたすらウケを狙いまくるメンバー、ダンスや楽器の経験のあるメンバーなど、各人の個性が現れてきて、また「他のセクションには絶対に負けない」という連帯感とガッツも生まれてきていい感じに盛り上がっています。昼休みも支給されるランチをパクつきながら、練習に励みます。

・社会貢献活動(Chicago-day)

半日かけて、シカゴ市内で清掃、ペンキ塗り、小学校の修繕などの社会貢献活動を行います。私のセクションは小学校のペンキ塗りをしましたが、後日生徒から個別に感謝状が送られてきました。ちなみに当日着るT-shirtsはUBS warbargのスポンサーによる支給品です。CIM-weekの多くの活動が企業によってスポンサーされ、僕らの食事や賞品が提供されているのです。

・名前覚えゲーム(Name-game)

最初の1週間で、Section全員の名前を覚える必要があります。これ自体が競技になっていて、Sectionの優勝がかかっているのと、覚えられないと恥ずかしいので必死です。外国人の名前を覚えるのは大変ですが、合計4時間ぐらいかけてたっぷり練習するので何とかなります。ちなみに日本人やタイ人の名前は特に覚えにくいらしく、クラスみんなでコールしているうちに定番化し応援のコールになってしまうケースが多発していました。いい大人が名前のコールで盛り上がれるところまでくるとSectionのテンションとしてはかなり異常(笑)。

・運動会(CIM Olympics)

12日目に行われる極めつけが運動会です。特に配点が高く、逆転の可能性があるのでみんな必死に練習します。大会中には骨折者が出たりと大変なことになっていました。私は大会後3日間筋肉痛に苦しむことになりました。

<パーティー>

CIM-weekには、連夜、公式・非公式の飲み会およびBBQが催されます。シカゴ市内のバーにスクールバスで乗り付けたり、カラオケバーでSection対抗をしたりとこれまたいい大人が大騒ぎするわけです。夜は帰宅後に後述する授業の予習で大量の文章を読まなければならないので、日本人には全部出席はほぼ不可能でしょう。私は半分ぐらい出ていました。CIM-weekの最終日には、シカゴの水族館を借り切ってダンスパーティーが催されます。

<MORS(Leadership in Organizations)の授業>

"Work Hard, Study Hard"をモットーとするケロッグはお遊びとパーティーだけではありません。
CIM-weekの5日目から、MORS(Leadership in Organizations)という10日間の集中講義を受けます。午前中が授業、午後が上記の各種の活動やMORSの宿題のグループワーク、夜がパーティー、深夜が勉強になるわけです。CIM-week中の平均睡眠時間は5-6時間でした。

MORSでは、将来のリーダーに必要な資質として、企業倫理、リスク管理、意志決定論、組織マネジメント、交渉術、ネットワーク戦術などを学びます。授業はケース討議の他、ゲームやシミュレーション仕立てになっているものも多く、ギリギリの環境下において、いかに人は間違った意志決定やチームマネジメントをしてしまうのかというのを実体験できます。これまでの会社員生活を振り返って、思わずウンウンとうなずける事や、反省させられる事も多く、心に染みいる一生モノの授業です。ケロッグはゼネラルマネジメントに関して強力な教授陣を揃えており、その神髄をかいま見ることができました。

MORSの授業をCIM-week中に行うのには理由があります。それはCIM-weekでの活動、そしてその後の色々な授業でのグループワークや学内活動において、強力なチームワークやリーダーシップが求められるからです。実際にグループで集まって、ワークの進め方を決める際に、MORSで習った事を互いに思い出しながら話し合うことも多いです。また、MORSの授業を受ける途中で、CIM-week自体が組織マネジメントの最新の理論に基づいて設計されていることに気づきます。

体力的にもギリギリの状態でSectionメイトとほとんどの時間をともに過ごし、同じ釜の飯を食い、共通のカルチャー(応援や名前のコールなど)を作りだし、他のSectionと競い合う事で、極めて短い期間で強力な連帯感を持った組織を作り出す訳です(洗脳の一手法とも言えますが)。またこのCIM weekが、MORSの教授陣のアドバイスを受けつつ、2年生の学生達によって自主的に運営されている点も、Kelloggならではのカルチャーといえるでしょう。

なおMORSでは、10日間の内、2回の個人エッセイ、2回のグループエッセイが宿題として与えられ、最終日にはエッセイライティングを含む試験もあります。今思い出してもCIM-week中にどうやってこれだけマネージできたのか不思議ですが、他校の生徒から聞こえてくる、「いきなり授業が始まって、まだクラスメートの名前も知らない」という話を聞くにつけ、学びの量を犠牲にする事無く、チームビルディングまでしてしまうKelloggのカリキュラムとカルチャーはすごいと思いました。

では、次回は必須科目の授業についてご紹介していきます。

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