第4を迎えた今回のレポートでは、コーネル大学およびJohnson School of Managementの特徴についてご紹介していきたいと思います。
コーネル大学及びJohnson School of Managementの概要
コーネル大学(Cornell University)は、ニューヨーク州の北西、マンハッタンから300マイルほど離れたイサカ市にあるアメリカIVYリーグに属する一校で、1865年に私立大学として設立された総合大学です。丘陵地帯にキャンパスを構え、大学のシンボルである時計台からは非常に美しいCayuga Lakeが望める、森や芝生で囲まれた全米一美しいキャンパスと称される大学です。
コーネルにおける各学部は非常に高い評価を受けており、中でも、物理工学、ナノテクノロジー、生命科学、ホテル経営学、農学は全米トップクラスです。US.Newsにおける2005年度のランキングでは、化学工学、物理工学はアメリカで第一位 にランクされました。
私が通っているMBAスクール(Johnson School of Management)においてもBusinessWeek 2005年度ランキングで全米7位にランクされており、全米TOP10スクールのうちの一校として認知されています。1946年に設立されたこのMBAスクールは、1984年、S.C.Johnson社の創立一族であるSamuel Curtis Johnson家から巨額の寄付を受けとって後、その名をJohnson School of Managementと変更し、本日に至っています。
Johnson School of Managementの校舎(Sage Hall)
コーネル大学では、赤をスクールカラーとしており、学内雑誌、キャンパス内の立て看板、学生のTシャツやアクセサリーなど至るところで、"Big Red"というキーワードを目にします。この"Red"、つまり赤に代表されるように、各学生の愛校心は非常に強く、厳しいプログラムと環境の中で教授と学生、学生間、学生とアルムナイとの間で助け合う強調的なカルチャーが根付いているのがコーネル大学の大きな特徴です。
Johnson School of Managementも例外ではありません。学生同士の強調的精神、教授と学生、学生間の緊密な関係を実現するため、意図的に一学年約250人と小規模に抑えたビジネススクールとなっています。一学期が終わった頃にはほとんどの学生と顔見知りです。Johnsonの学生は学校近辺に住み、グループワークのみならず、ゴルフ、スキー、ヨット、学内/ホームパーティー等、数多くのアクティビティを昼夜問わず共に楽しみ、文化・人種を超えた相互理解を深めています。また、プログラムにおいても、学生間の緊密な関係を促すグループワーキングに力点を置いており、誰とでも協調的な関係を築ける基盤がJohnson School of Managementのプログラムにはあります。
Johnson School of Managementのカリキュラム
Johnson School of Managementのカリキュラムの特徴についてご説明したいと思います。Johnsonのカリキュラムにおける最も大きな特徴は、その"柔軟性"にあります。
他スクールプログラムの聴講
Johnson Schoolでは、25%分の他スクール単位を卒業単位として認定しており、他スクールに興味がある学生は積極的にSage Hallを出て色々な授業を受けています。私の知り合いには、コーネルホテルスクールのワインコースを受講している方がいらっしゃいました。この授業では、世界的に有名なワイン特産地毎の特徴を学ぶとともに、その地域で生産されたワインのテイスティングを毎週行うそうです。
全米一と評されるホテルスクールが運営しているStatler Hotel。このホテルはSage Hallの目の前に立地しています。
他スクールとの連携
また、Johnson Schoolは、各スクール間の連携が非常に盛んです。エンジニアリングスクール、人材マネジメントスクール、リアル・エステートスクール、ロースクールなどといった他スクールと間でDual programを数多く開設しており、コーネル大学全体のリソースを幅広く活用できるチャンスが無尽蔵にあります。この秋学期には、ロースクールとのDual Programである"THE IPO PROCESS & DEAL STRUCTURAL ALTERNATIVES"がJohnson Schoolにおいて開講されていました。
多種多様なImmersionプログラムの提供
Johnson Schoolのプログラムでは、専門性を身につけ特定分野におけるエキスパートとして活躍できる人材を育てるためのユニークなプログラム、Immersionプログラムが1年次の冬学期において提供されています。
このプログラムでは、自分が専攻した分野において必要とされるパッケージプログラムが受講できると共に、自分の専攻したImmersionに関連した企業/現場を訪問したり、コーポレートエグゼクティブのスピーチを直接聞くことが出来たりと、プログラムに実社会との接点を組み込むことによって、専門知識をより深く身につけていくための工夫がなされた構成になっています。このImmersionプログラムを通 して学生は専門性を深め、後のサマーインターンシップに備えることとなります。2004年度には約80%の学生がImmersionを専攻しました。
ちなみに、2005年度MBAプログラムにおいて提供しているImmersionは以下7プログラムです。
Strategic Brand Management Immersion
Semester in Strategic Operations Immersion (SSO)
Investment Banking Immersion
Managerial Finance Immersion
Entrepreneurship and Private Equity Immersion
Research, Sales, and Trading Immersion
Sustainable Global Enterprise (Pilot)
各プログラムの詳細内容については、来月以降、また順次ご紹介していきたいと思います。