Campus Report 2004

小山 理恵 to Waseda Business School (Graduate School of Commerce, Waseda University) (全13回)

MBAホルダーへの道

Vol.13 修論を出し終えて (最終回)

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ずいぶん更新を怠ってしまいました......
この間何をしていたかというと、連日連夜修士論文に取り組んでおり、そのプレッシャーたるや寝ていてもハッと目覚め修論のことが気がかりでよく眠れないほどでした。

そして先日、1月16日、とうとう修士論文を提出した。

実は書き上げた後、ノンビリ開放感にひたっていたら先生からまた真赤に朱が入ったファイルが返送されてきて提出直前の週末は学校に篭って終日その直しに追われていた。 同期3人机を並べて、分からない箇所があったら教えあって閉館時間までそこにいた。

泣いても笑っても後40時間だね、となんて話しつつ照明の消えた暗い廊下を歩いているうちに、ああ、もうここで勉強するのは今日で最後だったんだ...と気づいて泣きそうになっていた。そして提出前日の日曜日、自宅で論文の謝辞を書いていたところ、なんだろう、急に感傷的な気持ちになったらしく突然涙が止まらなくなってしまった。

元々私は異常なまでに涙もろくて、 誰の「花嫁の手紙」でも号泣するという特技(?)の持ち主。 昨年の春、姉のように慕っている年上の女友達の結婚式でも最前列でワンワン号泣(嗚咽付き)、新婦の父に「アンタの涙見てるだけで泣いたわ!!」といわれたほどなのだが論文の謝辞って、なんだか花嫁の手紙に似ているようでどうにもこうにも泣けてくる。

どうやら私の謝辞を「花嫁の手紙」に喩えるなら
指導教官の東出助教授は、お父さんにあたるようだ。

東出さんとの出逢いは衝撃的だった。

事前に教授陣の写真一覧を見て 「一番素敵なのはこの人~!」と思っていたのだけどあの写真は奇跡の一枚だったらしく 目の前に現れたその人は、巨大なお腹をかかえ、髪は薄く癖っ毛で、短髪の御茶ノ水博士みたい。紙パックのイチゴ牛乳をチューチュー吸いながら教壇に腰掛けてジャズとクラッシックを交互にかけて「どっちがCreativeだと思う~?」というのが最初のクラスだったように思う。

そして
「私のことを『先生』と呼ばないで下さい。
『東出っ!』って呼び捨てにされるのはイヤだけどね...
『東出さん』とか『Hiro』とかってどうですか?」
という。

その理由は
「年功序列のあるところにInnovationは生まれないから」
と言った。

「この先生はナニモノ!?」という好奇心に駆られて講義を受講することにすると持ち運びも大変なくらいの巨大なファイルを渡されてそれが1年春学期のテキストだった。しかも大半が英語、しかも小さな小さなフォントでA4裏表ビッシリで、毎回予習のために徹夜の勢いだった。 講義の内容も加速度的に難しくなったのだけどイチゴ牛乳をチューチュー吸う姿に騙されて(?)なんとかかんとか最後まで受講することができた。

その東出ゼミに入るにあたっては随分悩んだ。研究科でも有数の難関ゼミとの評判だったから私の能力ではついていけない、と思ったからだ。そんな私に事前の面談で東出さんは言った。 「ゼミ生には、どんな分野でもいい、小さな範囲でいいから その分野のプロになって卒業してほしいと思っています。

うちのゼミに来たら
『メディアの経営戦略だったら小山に聞け』
と言われるくらいになって下さい」

この一言に心をワシ掴みにされて、私は東出ゼミの一員になったんだ。(これを書きながらもう泣けてきました...)

ゼミ生になってからも私のリサーチは難航した。 私自身の問題意識も行ったり来たり、リサーチの可否に意識が向くあまり、自分の関心とは違う方向に進むこともあった。 そんな時、東出さんは言った。
「それで、小山さんは燃えるの?」と。
研究は辛く厳しい時間が長い。だからこそ燃えてないとできないよ、というのが東出さんの思いだった。

後輩が入ってきてゼミの主言語が英語になってからその表現は"Are you on fire?"と変わって ゼミ生の間でおなじみのフレーズになっている。

そして私は今、何事に対しても問いかけている自分に気づく。
"Am I on fire?"と...。

もうすぐ私は東出さんの元を離れる。
婚礼の日の朝、
「今まで育ててくださって、ありがとうございました」
と親に頭を下げる花嫁の心境だ。

随分迷い、ひとしきり悩んで決めた大学院進学。東出さんの元でリサーチの世界を知り、初めてのリサーチをやり遂げたことだけでも十分価値があった。

研究には厳しかったけれど、一旦教室を離れると気さくなお兄さんのような東出さん。お酒が大好きな東出さんと何度となく飲んでいろんな話をしたっけ。すぐにビロウな方向に話が向くのを私はワクワクして聞いてて同期の男性がギリギリのところで必死で止めて... という毎度の構図が、今はたまらず懐かしい。

結局私の「花嫁の手紙」はこんな文章になった。なるべく感傷的にならないようにと何度も書き直したがとうとう上手い表現が浮かばぬままになってしまったけれど素直な気持ちだからもういいことにする。

*~*~*

指導教官である東出浩教助教授。
全く未知のリサーチの世界へ飛び込み、 右も左も分からぬままの私を、
こうして一旦のゴールへ導いて下さいましたこと、心より御礼申し上げます。
東出助教授の温かい人となり、広く大きな見識、
そして何事にも積極的でいつもフェアなご様子に、
私もいつの日かこうありたいと願いながらゼミでの日々を過ごしました。
私にとって東出助教授との出逢いと東出ゼミで学んだ全ては、
これからの日々を過ごす大きな糧になると確信します。

*~*~*

修論を出し終えて、私のMBA生活は最終コーナーを回ったらしい。
ゴールの先に何があるのか、不安でもあり、楽しみでもある。

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