Campus Report 2005

能村 康弘 to Samuel Curtis Johnson Graduate School of Management, Cornell University(全15回)

MBAホルダーへの道

Vol.5 Fall Semester(2nd)終了

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Ithacaでは、12月に入り急激に冷え込み、雪積もる季節となりました。厳しい冬の到来といったところでしょうか。相変わらず、時計台の鐘からは校歌が流れ、その美しい音色がキャンパス中に響き渡っていますが、夏の頃と比べるとがらりと変わり幻想的なイメージさえかもし出す、そんなキャンパスに変貌しつつあります。

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Cornellのシンボルとなっている時計台

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時計台がある丘から望むCayuga Lake

Johnson School of Managementの校舎、Sage Hallも雪ですっかり覆われた12月、ついにMBAのFall Semesterが終了しました。今回のセメスターでは、Managerial Finance、Strategy、Statistics for Managementの3科目でした。本日はこの3科目と、秋学期の総括について書いていきたいと思います。

講義内容の紹介

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Johnson School of Managementの校舎、Sage Hallは既に雪に囲まれています

(1).Managerial Finance

ジェネラルマネージャーとして求められるファイナンスの基礎、6テーマを学びました。
- 現在価値の計算
- 株式価値計算
- プロジェクト評価
- リスクとリターン
- 資本支出予算
- オプション・先物

授業はレクチャー形式で、グループワーク演習として2つのケース(プロジェクト評価〔HBSのEconomy Shipping〕とCAPM〔HBSのBeta Management〕)が課題として与えられました。また、毎週月曜日の朝7時50分から30分、前週の講義で習った内容を確認する小テストが課せられているため、週末の大半はファイナンス問題演習とテスト対策に時間を取られてしまう、そんな2nd Half Semesterでした。ただ、ファイナンスのバックグラウンドがほとんどなかった私にとっては、かなり集中的に学ぶことができ、非常によかったと思います。

(2).Strategy

ストラテジーの授業では、主に雑誌・新聞の記事、もしくはケースが宿題として出され、その内容をディスカッションしつつレクチャーが進められていきました。

学んだ内容の大枠と取り扱ったケースは以下の通りです。


- 産業構造理解とポジショニング戦略
ケース: 「Coke & Pepsi in the 21st century」,「Intel Corporation 1968-2003」, 「Gucci Group N. V」
- コーポレートストラテジー概要(M&A、インターナショナルコーポレーションストラテジー 等)
- 不確実性の戦略(リアルオプション、不確実下での意思決定、契約 等)
- 事業拡大と全社戦略(成長戦略、多角化戦略等)
ケース: 「British Satellite Broadcasting versus Sky」,「Dogfight over Europe」

レクチャーでは、テーマに即した記事を適宜紹介し、講義内容を補強しつつ進められ非常に面 白かったと思います。この記事紹介では、日本に関する事例も相当数紹介されました。たとえば、産業構造理解に関するレクチャーでは、東芝、NEC、三菱電機、富士通 、日立などに大打撃を与えた半導体業界の構造変化が一例として紹介されました。

(3).Statistics for Management

Statisticsの授業は、統計学の基本から始まり、回帰分析までカバーするため非常に進みが速い授業でした。ほとんどが講義形式でしたが、2本程度ケースも取り扱いました。
具体的な講義の内容は以下の通りです。


-意思決定分析/ディシジョンツリー (Decision analysis)
-確率 (Foundations of Probability)
-確率変数 (Random Variables)
-正規分布/サンプリング (Normal Distribution/Sampling distribution)
-検定 (Hypothesis Testing)
-回帰分析 (Simple Linear Regression, Multiple Linear Regression)

秋学期の総括

秋学期は、学校の雰囲気と学習のペースをつかみつつ、就職活動をこなすのに必死で、振り返ってみるとあっという間の計4ヶ月だったというのが正直な感想です。イサカに来る前は、スクールの様々な講演に出席しビジネストレンドを把握したい、いろいろな飲み会やホームパーティーに参加して交友を深めたい、最低月1回はニューヨークへ行きたい(ちなみにイサカはNY州ですが、マンハッタンまでは車で5時間かかります)など、したいことがたくさんあったのですが、たまにゴルフの打ちっぱなしに行く以外、ほとんどアクティビティを楽しむ暇がなかったというのが実感です。

7月のレポートでは、留学にあたっての3つの思いについて書かせていただきましたが、初心にかえってそれぞれの思いを振り返る意味もこめて、それぞれにおいてどんな発見、反省があったかについて振り返ってみたいと思います。

(1)「40歳の自分をより明確化したい」

自分の40歳までのキャリア設計を明確化させたいという思いが、留学を決意した1点目の目的でした。

確かに、私のMBA留学の目的は明確にキャリアを設計することなのですが、私個人の意見として、特に2年制のMBAへ留学される方は、1年目はあまりキャリアを絞りこまず、ある程度オプションをもたせ幅広く、多くの企業に当たっていく中でキャリアビジョンを描いていく方がより自分に適した職業が見つかる可能性は高いのではないかと思います。もちろん明確なキャリアゴールを始めから持ち、その方向へ1年生のうちから邁進するのも一つの考え方ですが、MBAの本来的な目的はキャリアチェンジであり、新たな可能性に挑戦する機会はいくらでもあります。企業側もMBAの学生に関しては、業務経験がない学生を寛容に受け入れています

私の場合、MBAへ出願する際、明確なキャリアゴールをエッセーに書きましたが、日本人の場合、1年次と2年次の間の夏休みに2社程度サマーインターンを経験することができ(組み方によっては3社も可能)、実際に実務を直接経験した上で適性を判断できるとともに、もしサマーインターンでオファーを頂けない/適性がないと自分で判断した場合でも、2年目にはサマーの経験を踏まえ、より絞り込んだ就職活動が可能なため、一度エッセーに書いたキャリアゴールから離れ、0ベースでキャリアプランをじっくり考え直すプロセスからスタートしました。

学校が始まる8月以前、既に東京において、MBAの学生を積極的に採用している投資銀行、コンサルティング会社、事業会社がセミナーを行っているので、これらセミナーに積極的に出席し、直接社員の方から意見をお伺いすることが可能です。私は、投資銀行の方からお話をお伺いする中で、アドバイザリー業務への興味が非常に強くなっていきました。

私は、以前から漠然と投資銀行業務への憧れがありました。3年ほど前、某大手外資系運輸会社に半年ほど出向し、副社長と二人でM&Aを実行する機会を頂いたことがありました。会計士・弁護士の方と議論をしつつM&Aステップを明確化し、社内統合マスタープランの作成、プロジェクト支援を行っていくうちに、彼らの知識や経験を踏まえた上で実現性の高いプランを早期に作成できた点で非常に高いバリューを感じたのと、場合によっては表層的な提案に陥りがちなコンサルティングのアドバイスとのギャップを感じ、実現を主眼においた投資銀行業務の提案業務により魅力を感じたというのが背景です。

11月、ボストンにおいて日本人学生を対象として開催されるボストンキャリアフォーラムでは欧米投資銀行7社と面 接を行い、最終的に欧州系1社と米系1社から内定を頂くことができました。2006年度の夏は東京の米系投資銀行において10週間ほどサマーインターンを行う予定にしています。

また、この投資銀行でのサマーインターンとは別に、知り合いが働いている某外資系ファンドの東京支店において2週間ほどサマーインターンシップを行うことになりました。ここでは主に、投資予定物件の評価及び、投資先物件のコスト構造の見直し業務を行うことになっています。

(2)「より大きな視野を持ちたい」

MBA全般での経験を通して今までの既成概念を打ち破り、より広範に物事を見ることができる視点を構築していきたいというのが2点目の目的でした。

こちらの目標については、私の努力がまだまだ足りないというのが率直な感想です。1年目の秋は学校の授業のペースについていくのがやっとだったのと、就職活動でニューヨーク、フィラデルフィア、ボストンへ足を運ぶ機会が多く、学業と就職活動で終了したという感じです。

冬学期は、投資銀行のImmersionプログラム(今後また詳細にご説明していきます)を選択する予定で、Wall Streetの各投資銀行を訪問したり、グローバルディールを扱っているバンカーから直接話を聞いたりすることになっています。また、学校にも、色々な分野で活躍している方々がスピーチに来る予定になっているので、積極的に出席して自分の既存概念を打ち破るような刺激的な学期を送りたいと思います。

(3)「共通言語を整理しておきたい」

歯抜け感が否めなかったAccounting、Financeについては、基礎から丁寧に教えてもらえたため、非常によかったと思います。適時ケーススタディーも組み込まれ、実務への応用を視野に入れた実践的なプログラムであったと思います。

マーケティング、ストラテジーに関しては、若干物足りなかったというのが正直な感想です。バラバラに分散している情報を、古典的なフレームワークを活用し、どのように現状把握していくかといった、現状分析に重きをおいた授業でした。私としては、現状分析を踏まえた上で、今後どういった手を打っていくべきかというよりソリューションにフォーカスをおいた授業であれば、なおよかったというのが率直な意見です。

ただ、全般的な意見としては、Johnsonのコアカリキュラムは非常によく組まれていると思います。他校では、FinanceとAccountingや、FinanceとStatisticsの整合性が取れていないケースがあったようですが、Johnsonでは各コアカリキュラム間の整合性が非常によく取られており、私個人の満足度は非常に高いものでした。

冬学期には、Investment Banking Immersionを選択したので、今度は業界に特化した共通 言語を整理していくこととなります。次回レポートは、私が選択しているこのInvestment Banking Immersionについてご報告していきたいと思います。

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