Campus Report 2004

藤本 崇 to Stanford University Graduate School of Business(全21回)

MBAホルダーへの道

Vol.18 冬学期

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冬学期が始まった。早いもので後2学期で卒業である。今回取っている科目は以下の通 り。
Competition & Strategy
High-Performance Leadership
Innovation in Healthcare Management
Entrepreneurship & Venture Capital

選択科目ばかりなので1年生の時に比べて全然楽だと思いきや予想に反してワークロードは結構ある。Readingの量 が馬鹿にならない。去年自分が1年生だったときに2年生を見ていてなんて楽そうなんだろうと言う印象を持ったのだが、自分が2年生にあると何故こうも忙しいのか。自己分析の結果 こういう結論に達した。

まず、選択科目の方がワークロードが少ないというのは正しくない。正確に言うと選択科目の方がReadingの量 は絶対量としては多いのである。それもその筈で、コアのクラスでは基礎的な分析スキルを身に付けさせるというのが主目的であるのに対して、選択科目では教授が自分の得意分野或いは好きな分野を教えるというのが趣旨なので、それぞれのトピックについてある種のこだわりを持っている教授は、授業で生徒により深く有意義なDiscussionを持ってもらう為、あれもこれもとReadingを入れたがる。

例えばHealthcare Managementのクラスの第二週目木曜日の授業ではアメリカの健康保険市場のあり方について学ぶ。予習のMaterialを挙げると、アメリカのHealthcare Costについて経済学者が分析したペーパー、1999年付けである条件に基づいて個人のHealthcare Historyの情報の開示を義務付ける法案をCongressに提示した提案書、2000年にGSBの教授が書いたKaiser Permanent Health Groupのケース・スタディ、ある評論家が書いたKaiserの、規模の大きさによってサービスの差別 化をする手法を批判する記事、また違う評論家が書いたそれをサポートする記事、等々。

たかが1日の授業の準備の為に、レターサイズで合計すると200ページにも及ぶ書物になる。飛ばし読みしても4時間は下らない。確かにいろいろな視点からの読み物を読んで議論するとそれだけ考えさせられ深みのある理解が得られるわけだが、クラスが4つもあり、就職活動もボランティアも企業コンサルティングのプロジェクトまでしている身としては、全ての授業にこんな予習時間を費やしていたのでは睡眠する時間も遊ぶ時間も無くなってしまう。

授業以外でも多忙な筈のMBA2年生は、では一体どうやって学生生活最後の1年間を有意義に過ごしているのか。それは全て「Priority付け」によるものであると思う。やることが沢山ありすぎるので、自分にとって意義及び価値の高いイベントの順に時間と労力を注ぎ、それがコントロールできている人程余裕が有るように見える。

早い話が、授業に必要なReadingも、全部完璧にこなすのではなく、自分にとって意味のあるものからやっていく。自分が興味ある分野、知りたい分野のクラスには当然時間をかけるし、そうでないものにはできるだけ時間をかけずに準備をする。といっても宿題をやらないわけではなく、全部読む代わりに流し読みや目次読みなどで終えたり、ケース分析をグループで分担してやったりする。MBAでは要領の良さが問われるのだ。

では私が今学期一番力を入れているクラスはといえば、Innovation in Healthcare Managementである。最近新聞等でも取り上げられている、年々鰻登りになっているアメリカのヘルスケア・コストに対して前々から問題意識は持っていたが、へルスケア業界全体に対する理解は乏しくあまり深く分析したことがなかった。キャリア的には即戦力になるような知識ではないかもしれないが、社会の一員としてもう少し理解を深めた方がよいと思い、取った次第だが、ふたを開けてみると、これが結構面 白い。

教授は二人。一人はStephanos Zenios というHealthcareにフォーカスしている経済学者。もう一人はRobert Chess。Nektar Therapeuticsというbiopharmaceutical系の会社の前CEOそして現在はExecutive Chairmanである。ちなみに3月17日付けで現CEOが退職するらしく、退職後はChess氏が次のCEOが見つかるまでのInteriumCEOも兼務するというプレスリリースが昨日会社のホームページに出ていた。経済理論の観点からヘルケアを分析する教授と経験を元に業界を語るExecutiveのコンビによってリードされるディスカッションがとても面 白い。

製薬、健康保険、病院、医療機器、バイオテック等、カバーされる分野は多岐にわたる。先週の授業では、臓器移植手術ネットワーク大手のUnited Resource Networkの社長がゲスト。Information DisclosureとCompetitive Dynamicsを駆使してどうやって臓器移植手術の成功率の向上を図ったかを語った。将来ヘルスケアに関わる仕事でビジネスが出来る程の知識をこのクラスだけで学び取ることができるのかは疑問だが、自分の将来のビジネスキャリアにおいて何か社会的にもインパクトを出せる仕事がしたいというモチベーションになることは間違いない。

もう一つ私が気に入っているクラスがEntrepreneurship & Venture Capitalである。教授はJohn Glynn。投資暦30年以上の筋金入りのベンチャーキャピタリストだ。レクチャーには毎回VC、起業家かベンチャー企業の経営者がゲスト出演し、VCとベンチャー企業の関係について語る。サクセスストーリーもあれば成功しなかった例もある。先週はPalmのCEOが登場し、Palmの創設者がPalmがU.S. Roboticsに買収されU.S. Robotics が3COMの傘下に入った後、親会社の経営陣と衝突して会社を飛び出し、Handspringという自分が創設した会社と競合する会社を新たに立ち上げた後、HandspringがPalmとの合併という不思議な結末に至った由縁を語った。

過去のしがらみと向き合い合併に踏み切ったのは、会社の株式を半分以上保持する経営陣のメンバーが自分の懐では無く会社の将来の為にベストなソリューションをと考えたからだという言葉に非常に感銘を覚えた。テクノロジー系のベンチャーで、2000年前後のネットバブルで売り上げも無いのに上場してストックオプションで私財を肥やそうという人も沢山居る中、真の経営者のマインドセットとは何かということを考えさせられた。

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