Campus Report 2005

小林 大祐 to The Kellogg School of Management, Northwestern University(全19回)

MBAホルダーへの道

Vol.9 冬学期もパツパツ

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秋学期は就職活動で大変でしたが、冬学期は授業5つに加え、前回お話ししたビジネスゲームや今回お話するジャパンナイトに関わったため、大変な思いをしました。選択肢の幅が広く、好み次第でどこまででも自分を追い詰められるのがケロッグの良いところです。

今回は冬学期の授業の残り3つと、ジャパンナイトについてお話しします。

<ミクロ経済学>

ミクロ経済学は必修科目の一つとなっています。需要曲線と供給曲線のアレですね。経験者も未経験者も経済学と聞くだけでウンザリという方は多いと思うのですが、ケロッグのミクロ経済学は一味も二味も違います。HBSに次ぐ評価を受けているケロッグの戦略論はBesankoという看板教授(邦訳もある「戦略の経済学」の著者)が率いており、ミクロ経済学の視点に基づいた競争優位 性の分析に特徴があるのです。そしてこの授業は、ミクロ経済でありながら実は競争戦略論の基本ツールとして設計されているのです。

授業では需要と供給の原理、産業構造の分析、独占に基づくマーケットパワー、政府規制や関税の影響、プライシングおよび設備投資競争などについて、ミクロ経済学とゲーム理論による数学的分析とビジネスのケーススタディーの両側面 から攻めていきます。先学期の戦略論の授業で習った戦略のフレームワーク(競争環境分析)や定石(コスト優位 戦略、差別化戦略)がどんどん理論的に裏付けられていく事で、自ら戦略分析を行うときの絶対的な礎になっていくように感じられるはずです。

個人的には、カリフォルニアの電力危機が起きた理由に対する分析が非常に面 白かったです。種明かしはしませんが、
・環境的変動要因による、需給バランスの悪化
・電力自由化スキームにおける規制の設計ミス
・投機的プレイヤーによる価格誘導(完全競争に近い市場ではマーケット操作は基本的に出来ないのだが、特定の需給バランスにおいては中小のプレイヤーでもマーケット操作が可能であるところがミソ)

の3つの要素を想定しないと、説明がつかないそうです。
この授業を受ければ、そのメカニズムを理論的に理解できるようになります。

私はBesanko自身が教えているクラスを受けましたが、教材の内容・構成、教授技術・熱意ともに素晴らしく、ケロッグのMust-to-takeな授業の一つだと思いました。

<統計的メソッド-Accelerated>

必修の確率統計の授業です。前学期は主に確率を学びましたが、今回は一歩進んで統計的手法を学びます。前回に引き続き、上級者向けのAcceleratedのコースを選択しています。授業の殆どは回帰分析についての学習になっていますが、この統計手法はビジネス上の分析をする上で非常に強力なツールなのです。

たとえば、

・マーケティングにおいて、商品のプロダクトミックスどの要素(機能、価格、流通 など)の変化が、どのように売り上げに影響するか?

・プロモ活動において、どのような広告・販促企画をどのようなタイミング、予算、内容で実施すればどのような結果 が得られるか?

・オペレーションにおいて、生産されるプロダクトの特性と生産コストの関係はどのようになっているか?

・戦略において、自社の行動がどのように競合他社の行動を引き起こしているか?

・ファイナンスにおいて、市場全体の値動きと個別株式の値動きがどのように連動するのか?(CAPM理論におけるベータの推定)

・当年度の事業計画において、どのような月次売り上げ・コストを予測するか?

などなど、複数の要因間の相関関係を確認し、さらにモデル化することによって、ビジネス上の事象の理解が統計的な正しさを持って可能になるだけではなく、マネジメントの意思決定による結果 予測も可能になるのです。

統計パッケージをインストールしたエクセル上での分析を習うのですが、毎週きっちり練習をやらされるので、苦しんだ後に実用テクが身についた実感が非常に大きいです。テクニックという意味では、ケロッグで習う最大の差別 化武器かもしれませんね。

<複雑なファイナンスストラクチャー>

会計のかなりマニアックな選択科目です。会計の必修科目は秋に終わっているので、5つめの授業として選んでみました。必修科目では習わないけれども大企業の財務諸表の中にはほぼ必ず存在する、次のような細かい項目を習っていきます。

・各種投資(LDショックで問題になった投資組合を含む)
・ヘッジ会計
・為替調整
・のれん代の認識と償却
・各種連結会計
・年金会計

など

仕事で業界分析をしていた際に財務諸表を読むのは結構好きだったのですが、以上のような細かい点について余り理解できていないのは気持ち悪く、マニアックとは知りつつ取ってみましたが、

・国毎に会計制度が違う
・さらに、各国での標準的な会計方針が、時期を経て変わってきている
・ケースバイケースで、異なる会計方針を使うことができる

という事で、多種多様な会計方針を学ばされ、複雑すぎて頭に残らない事が多くありました。

一応各項目の基本的性質は理解できたという意味では個人的な目標は達成した訳ですが、精密な分析をするとしたら、「餅は餅屋」ならぬ 「会計は会計士」という教訓が心に刻まれました。自分でできることの限界を知った思いです。

<ジャパンナイト>

2月末に開かれるジャパンナイトは、ケロッグ日本人学生が総力で毎年実施する、日本をテーマにした大パーティーです。各種パーティーが毎週開かれるケロッグにおいても毎年のベストパーティーの一つと考えられているため、5人の幹事を中心に今年も絶対に成功させたいという強い思いで頑張りました。

今年の出し物としては、次のようなものを選びました。

ショー:

・剣道&柔道ショー
・琴生演奏
・寸劇&マツケンサンバショー

ブース:

・書道&漢字タトゥー
・二人羽織大会
・日本の伝統的遊び(ベーゴマ、剣玉など)
・コスプレ写真撮影

食事:

・寿司バー
・そうめんバー
・日本酒バー(ケロッグロゴ入り酒枡プレゼント)

参加者300名以上と大規模でありながら全てを自分たちで取り仕切るイベントであるため、昨年末から準備に3カ月を費やし、2週間前からビラ撒きやチケットの手売り、ハッピ着用によるプロモーションを始め、当日には1年生15名に加え、2年生有志+奥様有志に手伝ってもらいギリギリパーティーを運営することができました。チケット販売的にも16ドルという高額チケットを完売することができ、また来てくれたお客の評価も非常に高く、大拍手で会を閉めることができました。

私は幹事チームだけでなく、寸劇&マツケンサンバショーにもキャスト兼ダンサーとして参加したので、腰元ダンサーズを完コピするのに2週間に渡り毎晩時間を費やしました。一方で勉強も手を抜いたわけではなく、ケロッグのワークハード&プレイハードのカルチャーを身を持って体験し実証することになりました(但し奥さんには迷惑をかけたので、春休みに旅行で罪滅ぼししました)。

さて次回は、いよいよ春学期に突入します。

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