Campus Report 2004

熊谷 真理 to UCLA Anderson School of Management(全20回)

MBAホルダーへの道

Vol.17 南米旅行と期末試験

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今回のレポートでは南米旅行とファイナンス系の期末試験の内容についてご紹介したいと思います。先日ラテンアメリカのスクールトリップから帰ってきたため、レポートが遅れてしまいました。申し訳ありません。アンダーセンでは学生主体で運営されているクラブとCenter For International Business & Economics Research(CIBER)と合同でリサーチトリップを随時行います。卒業生の働く会社訪問なども含まれ、学校からの補助金も若干出るため人気は高く、春休みの間に行われた三つのリサーチトリップ、チリとアルゼンチン(21名)、ジャパン(70名程度)、チャイナ(70名程度)がそれぞれ参加しました。

南米についてはご存知の方も多いとは思いますが、とりわけ通貨のデバリュエーションや不安定な金融政策で知られる金融市場で働く先輩方のお話を聞くのは大変興味深かったです。インフレ率が非常に高いため、実質金利はマイナスが続き、ほとんどの設備投資は多国籍企業に頼っている経済情勢を反映して、街並みに目立つ看板に地元企業のものは少なく、過半数以上は欧州企業のもの。

ちなみに日系企業は自動車も含めてほとんど目当たりませんでした。経済がオープンであるがゆえに国際金融市場の影響を受けやすい点は明らかにマイナスではありますが、逆の見方をすれば、海外からの多額の直接投資をなくして現在の経済繁栄はありえなかったともいえるのではないでしょうか。

どこでもいえることですが、キーワードは南米においても、やはり「金融緩和」。多額の対外債務返済に向けて紙幣を刷り続ける(25%程度)中央銀行。毎年12%を超える高いインフレ率。高い対外債務比率。依然として弱い資金需要。伸び悩む国内経済成長率。このような不安定な金融情勢にもかかわらず、多くの海外投資家がエクセス・イールドを求めて過剰資金の投資先をエマージングマーケットに求めているため、ここ数年の長期金利は異常な程の低位 安定しているという話を聞きました。将来的な金融システムに対するショックを和らげるために政府は外貨準備金残高を大幅に積み増しているそうですが、この話はノンエコノミック・エージェント(中央銀行など)の役割が近年為替市場で高まっているという教授のレクチャーともリンクして考えさせられました。

会社訪問ばかりではなく、チリではワイナリーも訪問したのですが、地球の裏側に相当するため、日本ではあまり知られてはいないものの質の高いワインが多く、南米のカリフォルニアと呼ばれる気候も相俟って素晴らしい所でした。日本から31時間かかるそうですが、お勧めです。

期末試験というのはファイナルプロジェクト、自宅で行うファイナルペーパー(Take Home Final)、通常の期末試験というおおまかな三つに分かれます。この中でも一番難しいのが、Take Home Finalです。例えば、プライベートエクイティのTake Home Finalでは、2002年に世界有数の通 信会社の英国・米国での電話番号案内事業部門を対象に行われた欧州最大のLBOのケーススタディーについて主に以下のような質問がされました。このケースは米国有数のプライベートエクイティファンドと欧州有数のメディア系専門のプライベートエクイティファームが当該通 信会社に対してビッドをかけていくというものです。

Q1:   欧州の当時のハイ・イールド債券市場についてコメント。LBOのジャンボ・ディールにおいてハイ・イールド債はどのような役割を果 たしたか?
Q2:   ノンコア事業の売却が検討されている背景を分析する。(事業戦略、産業分析、財務戦略など)
Q3:   英国及び米国での通 信事業の相違点と類似点について要約する。
Q4:   当時の米国市場はすでに成熟期に差し掛かっていたものの、欧州市場は未だ未熟であった背景を考慮して、クロスボーダー・ディールの事業価値評価に与える影響について分析する。
Q5:   買収対象企業の評価。通 信事業会社の競争力・事業戦略・成長予測の分析。
Q6:   経営陣が提案したキャッシュフロー予測・前提条件の修正を行う。
Q7:   買収に伴い承継した債務に関連する節税効果 (現在価値)を計算する。
Q8:   キャピタル・キャッシュフロー・メソッドにより事業価値の現在価値を計算する。
Q9:   95%のコンフィデンス・インターバルで予測される事業価値のレンジを計算する。
Q10:   メリルリンチが提案した資金調達戦略の評価を行う。(メザニンデット・ハイイールド債・銀行借入金など)
Q12:   ディールの総合的な評価と収益性の分析

他にもかなりテクニカルな質問が多く、かなり実践的な内容で難しかったです。Take Home Finalは時間が決められているわけではないので、時間の配分が非常に難しく、最終的にはなんと時間切れになってしまいました。試験の結果 はともかく、日本でもボダフォン関連などをきっかけに似たようなディールが行われる日も近いと信じて、開き直りの復習に励むことにします。

次回はまた学校生活などについてご紹介したいと思います。ロスは雨が続いていたのですが、また夏らしくなってきました。
それでは皆さん、来月も宜しくお願い申し上げます。

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