Vol.6　Immersionプログラム始まる

通常、MBAプログラムでは、1年生の間は学校が提供しているコアカリキュラムを学び、2年生から選択授業となる学校が多いと思います。しかしながらJohnsonでは、1年生の冬学期から既に、かなりのElectiveが選択できるカリキュラム構成になっています（冬学期のコアカリキュラムはOperation ManagementとManaging and Leading in Organizationsのみ）。

これは、1年生の冬学期から既に専門性を高め、夏休みのインターンシップに望むことにより、他のMBA学生と比較してより有利になるよう配慮した結果 であり、このフレキシブルさがJohnson School of Managementの一つの特徴となっています。

ただし、Electiveといっても、自分の興味がある科目を自分で選択する1年生は全体の20％程度で、残り80％の学生は、Immersionプログラムを選択しています。このImmersionプログラムを選択すると、コア2科目（5 Credit）以外の科目（10.5 Credit）については、自分が選択したImmersionに関連した授業が自動的に登録される仕組みになっています。

私の場合、投資銀行でのサマーインターンシップに備えるため、Investment Banking Immersionを選択しました。（First Half, Second Halfのカリキュラムは以下の通 り）

1st Half

2nd Half

Investment Banking Immersionでは、コアカリキュラム2科目に加えて、以下5科目（10.5 Credit）が自動的に登録される仕組みになっています。
(1) Investment Banking Practicum　 （Full Semester）2 Credit
(2) Intermediate Accounting （Full Semester）3 Credit
(3) Corporate Financial Policy （Half Semester）2 Credit
(4) Valuation Principle （Half Semester）1.5 Credit
(5) Financial Modeling （Half Semester）1.5 Credit

Immersionを選択した場合は、自動的に10.5Creditが自動登録され、他プログラムは選択できなくなりますが、逆に、Immersionを選択しない（全てElectiveとする）と、(2)～(5)の科目は受講可能ですが、各ImmersionのPracticum（Investment Banking Immersionの場合は(1)：Investment Banking Practicum）は、受講できなくなります。

Practicumは、各Immersionのテーマに即した実践的な授業を提供するプログラムで、Investment Banking Immersionを選択した場合は、投資銀行での面接及びサマーインターンシップでの実務に備えるため、各投資銀行が取り扱った最新ディールのケーススタディを20本程度学んでいくことになります。また、ケースを学ぶだけでなく、各ディールを実行する際の成功要因、問題点などの具体的な話を聞く機会（WEEK ON WALL ST － WOW）もあり、非常に刺激的なプログラム構成となっています。

2006年のWOWの場合、1月の第3週にマンハッタンの投資銀行、計11社を訪問し、最新ディールに係わったバンカーから直接プレゼンテーションを聞くことができました。12月末から1月初旬にかけて、宿題として各投資銀行でのプレゼンに関連したケーススタディが出題され、各社テーマに関連した100～500ページほどの資料、目論見書、パワーポイント資料に目を通 して、アサインされたグループで作業を進める必要があります。私はこのWOWの準備のために、冬休み中、11社分総計2000ページほどの資料に目を通 してケーススタディを行う必要がありました。（実質冬休みはこのケースでつぶれてしまったという感じです）

ただ、投資銀行業務の経験がない私にとっては、各社のディールに関する詳細検討資料に目を通 すことができ、スキームの組み方、Valuation手法、ディールの進め方など大いに学ぶところが多かったとともに、NYの一流バンカーから各ディールの裏話、経営上の問題点なども伺うことができ、非常に身のある内容でした。

2006年　WOW詳細スケジュール

次回レポートでは、Investment Banking Immersionの他授業について詳細に説明していきたいと思います。