早いものであっという間に春の訪れです。ここ最近はさすがのAnn Anborも暖かくなってきました。ご無沙汰していた体験談ですが、今回は前学期を回顧しながらお送りします。
RossのWinter Semesterは他校に比べ早く始まり早く終わります。そのため冬休みは3週間と若干短めなものの夏休みは18週間と長く、そのためにこの4ヶ月を利用しインターンを長期やる人や仕事に復帰したらまず実現不可能な長期旅行に出かける人など様々です。
Winter Semesterの後半はMAPというコンサル実習になるため、夏季インターンシップを予定している私などはなんと約半年もの間、教室内での授業から開放され企業での研修となります。このようなスケジュールは実践を何よりも重視するRossならではです。MAPが始まる前に1年間の総仕上げとして、この夏必要となりそうな知識はしっかりと習得しておきたい・・・そんな思いでWinter Aもよくばりな履修をしてしまいました。
その中で、今回何よりも充実していたのはStrategies for Growth。Corporate Strategyに強いRossでは企業戦略の分野で名を揚げている教授が何人もいますが、その内の一人Prof. Karnaniの授業です。かなりの人気授業なので1年生での履修はあまり期待していなかったのですが、Waitlistに登録していたところ繰り上がることができました。授業に出てみると案の定、たった3人を除いて全員が2年生、本当にラッキーだったようです。
初回の授業で何よりもゾクッとしたのはProf.Karnani独特の勢いある教授法です。授業冒頭のコールドコールで1人の学生が"餌食"となってその日のケースについて「どの分野に会社の成長を求めるべきか」「どのような形態で新分野に進出するべきか」といった質問について教授とディスカッションを繰り広げます。Conglomerateのメリット・デメリット、Spin offする際にどの事業を残すか、状況変化の波にどう乗るか、などcontroversialなトピックが意図的に選ばれており、学生が何を言っても教授からは別 の観点からの手厳しい反論がとんできます。
また、"scale economy"や"core competence"といったあいまいな「MBA用語」を使おうものなら、その定義は何かということについて徹底的に追求されます。授業でのプレッシャーは大変高いのですが、この授業を通 して問題の本質や成功と失敗の要因を妥協せず突き詰める力がついたように思います。
今学期のもう一つの個人的大イベントは引越しでした。昨年8月より住んでいた前のアパートは内装がリニューアルされており気に入っていたのですが、建物の古さゆえに階上からの音に悩まされ続けてきました(何と電話、TV、話し声、そしていびきまでクリアーに聞こえてくるんです!)。更に階下の住人から静かにして欲しいとのリクエストが何度かあり、(といってもドアを開け閉めする音、箪笥の引き出しの音がうるさいとのこと・・・)これ以上この環境で暮らすことはできないと決断。
しかし、リース契約期間中であったため、状況をリーリングオフィスに訴え、クラスメートの協力でクレームを書面 で送付、1ヶ月渡る交渉を経てようやくペナルティ一切なしの退去権を獲得しました。アメリカでの生活はかなりのエネルギーを要しますが、うまく解決に至ったのも助けてくれたRossでの友人達のお陰です。
結果的に学期中にオフキャンパスのアパートに転居しましたが、これまた同級生達の協力を得て、トラックを借りてきての引越し。トラック運転というAnn Arborでの初体験が一つ増えることとなりました。今は驚くほど静かな環境に大満足で住んでいます!(右:新居の写 真です。) 次回はRossの目玉カリキュラム、MAPをご紹介します!お楽しみに。