Campus Report 2004

相野 勇雄 to Hitotsubashi University Graduate School of International Corporate Strategy(全19回)

MBAホルダーへの道

Vol.18 就職活動

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MBA進学を目指す人の一大関心事、就職活動について書いておきたいと思います。

まず、HMBAでどのように就職活動を行うかは、主に3つのグループに分けて考えられると思います。
(1)新卒グループ(就業経験があっても、その期間が短く第二新卒として活動する人を含む)、
(2)私費グループ(退職して進学してきた人、及び休職して進学してきた人間を含む)
(3)社費グループ(いわゆる企業派遣)

上記の分類で行くと、自分は(2)私費グループに属していたことになりますが、他の2つのグループについても簡単に書いておきたいと思います。

(1)新卒グループについて言えば、正直いわゆる一般の学部卒の学生に混じって、就職活動を行います。よって、年末ごろから就職活動の準備を始めて、早ければM1からM2になる春休み期間中である3月末から4月の初旬には内定が出始めるというパターンとなります。おそらくこのサイトをご覧になっている皆さんも一度は通ってきた道で、MBAを修了したからと言って何か特別な扱いを受けるわけではなく、一般 的な文系の"大学院卒"という枠の中で就職活動します。

「文系院卒というと学部卒よりも不利だよなぁ」なんてセリフを聞いたこともあったのですが、実際にはそんな言葉とは裏腹に多くの学生は希望の会社から内定を受け、どの会社に行こうか迷っているというお悩み相談(?)を受けた記憶もあります。傾向としては、起業、ベンチャーという路線に行く人は稀で、日系、外資系を問わず、"いかにも大手"という企業に就職する人が多かったように思います。

(3)社費グループの人達に関して言えば、自分の知る限り、就職活動を本格的にした人はいなかったように思います。就職活動をしなかった理由は、比較的HMBAの中では年齢が上の部類に入る方が多かったことに加えて、派遣されてきた人の愛社精神や従来の職務に対する思い入れが強い方が多かったから(?)かもしれません。

また、金銭的な側面からしても転職するインセンティブは、自分が属していた私費グループとはだいぶ状況が異なっていたように思います。まず私費で進学してきている者とは違って、授業料や在学期間中の給与が支給されており、給与の高い企業に転職して奨学金等を返済していかなければならないというプレッシャーがありません。(もっとも、HMBAの私費組でも、海外のMBAや私立の国内MBAへの私費進学者に比べて、学費が安い分だけプレッシャーは小さいはずですが・・・。)

また、社費グループは既に社内で一定の経験を積んで、それまでの業績を評価されて派遣されてきたある種の幹部候補生です。ですので、派遣元から一定度の将来に対する期待を受けている半面、退職するとなると授業料等をペナルティーとして返済するリスクを負うことになることを考えると、金銭的な側面からも転職活動をするインセンティブが薄かったように思います。

そして、最後に自分も属していた(2)私費グループについて書きたいと思います。一部のインターン先にそのまま就職した数人を除いて、殆どが一般の中途採用という枠の中で活動していました。

多くの人が就職活動を意識し始めたのは11~12月からであり、それもワークショップ・レポートの準備が忙しい中で、勉強・研究の片手間に人材紹介会社に登録手続をする程度でした。ですので、多くに人が企業訪問・面接に動き始めたのが1月半ばのワークショップ・レポート提出後という状態でした。しかも、ワークショップ・レポート提出後の春休み期間中においても、自分の場合は平日2日間をファイナンスの勉強会に充てていましたし、戦略ワークショップでは『戦略白書』という本を執筆するために殆ど毎日のように学校に詰めていたメンバーもいました。

ですので、自分達の代のHMBAに関しては勉強・研究に熱心な割には、就職活動には淡白だったように思います。ただ、それでもほぼ全員が納得できる範囲での就職が決まっていることを考えると、現時点での就職の外部環境、そしてHMBAにいる人材の企業へのアピール度は入学時に自分が思っていたよりも悪くなかったとうのが自分の全般的な印象です。

【自分個人の就職活動について】

私個人の就職活動に関して言えば、途中までは(?!)それなりに順調だったように思います。

自分の場合は就職活動を始めたのが早くて、9月にエントリーをした企業がありました。夏休みの後半に当たるこの時期は、多くの人が就職活動の準備と言っても、普通は履歴書や職務経歴書(加えて、外資系企業にエントリーを考えている場合は英文レジュメ)の準備をしている程度です。ただ、いろいろな話を聞いていると、大量の中途採用を行っている大手企業やコンサルティング会社は、入社希望日がかなり先でも選考を受けつけてくれることが分かってきました。そこで、選考書類を早期に作っておくためのモチベーションを高める目的に加えて、面接の練習も兼ねて自分の場合は早めの就職活動を始めたのでした。

最初のうちは、業界・業種については遭えて、かなりバラバラに広い範囲の会社・職種(と言っても、アカウンティング・ファイナンス関連の中で)を受けることにしました。普通は年齢が高くなると選択肢が狭くなるものだと思っていたのですが、MBA修了のタイミングになると、入学前よりもかえって幅広い業界・職種を人材紹介会社より"エントリーしてみてはいかがですか?"紹介されるようになりました。せっかくの機会なのでいろいろな業界・職種を見て回って、自分にあった職をもう一度考え直す機会にしてみようという思いを抱いて活動を始めたのでした。

結局、授業の合間を縫って、年末までに5社エントリーして、書類選考はすべて通過、最終的に面接を経てコンサルティング会社と大手証券会社の2社から内定をもらっていました。外部環境が良かったせいか、「今なら職に困ることはない。」という印象を持って、いったん12月から1月にかけて就職活動を休止することにしました。前回のキャンパスレポートで書いたとおりワークショップ・レポートの執筆で毎日学校に缶詰になる必要があったというのもありましたし、また就職活動よりも勉強をしたいという気持ちが強かったからです。

結局、論文を提出して転職活動を再開したのは1月末のことでした。このころになって、やっと自分の場合は希望の業種・職種共にだいぶと定まってきていました。ただ、残念なことは、自分の働きたいフィールドが既に内定を持っていた金融・コンサルティング分野ではないと分かってしまってきたことでした。かつて自分が事業会社で働いており、且つ知り合いにも事業会社で働いている人が多くためか、事業会社以上に金融やコンサルティング業界で楽しんで仕事をしている自分のイメージを描ききれませんでした。プロジェクトベースでアドバイザー的な立場に立つシゴトより一つの組織に長期的にコミットして、モノゴトを動かしていくプロセスを楽しみたいという気持ちがどうしても先に立ってしまったのです。

そこで内定を断り、年明けからは事業会社を中心に据えて転職活動を行うこととしました。加えて、進学を決めたときからの一貫した希望であった"財務諸表を作る側から、それを分析する側へ"仕事を移るというのが自分のテーマであったので、事業会社のフィナンシャルアナリストに絞って活動を行いました。

ただ、選考を進むにつれて、一つ困ったことが起きていたことに気付いてしまいました。それは在学期間中に借りた奨学金(教育ローン)の返済のことも考えて、事業会社/フィナンシャルアナリストの求人をある一定の年収で絞込みをしまったので、残った企業のほとんどが外資系であったということでした。

外資系企業といってもいろいろあるし、探せばカルチャー的には自分にもマッチする企業もあるのではないかと当初は思っていました。日々の働き方や、人材に対する考え方などについては面接で聞く限りでは途中までは違和感もなく、実際にエントリーしてトントンと何社かの選考を進んでいました。ただ、そうした状況の中でどうしても外資系企業に共通の特徴で気になっていることがあることに気付きました。それが、業務上行う意思決定の自由度の幅でした。

ダイナミックな活動を日本で行っている外資系企業は多くありますが、それはやはりそれは日本拠点、良くてアジアの中心拠点としてのこと。例えばファイナンスに関しては、中期計画、予算、資本調達、M&A等といった多くの業務に関して在日外資系企業がそのオペレーションの重要な一角を担っていたとしても、マクロな視点で見たときにそもそもの企画段階や意思決定の場面で本社以上に権限を持っていることはなかなかありません。外資系企業の選考を受けていても、その意思決定の権限の幅の相対的な狭さがシゴトの面白さの制限に繋がってしまうのではないかと心で引っかかっていました。

それが意識としてはっきりと分かるようになってきた3月になって、自分の進むべき方向が次第に絞られてきたことを認識していました。日本に本社を置く事業会社で、入社直後から会社全体(出来ればグループ全体)を見渡せるようなポジションで自分を迎え入れてくれ、且つ処遇に関して交渉の余地のある会社というのが自分の希望でした。そんな自分勝手極まりない条件を並び立てて見たときに、真っ先に浮かんできたのがかつての勤務先だったのです。入学時には「わざわざ私費でMBAを出たら、より良い会社・職場を求めて転職するのは当たり前のこと」という思い込みが自分の中に強くあり、それまでは元の会社に戻るというオプションの価値を、正直なところそれまで真剣に考えたことがありませんでした。

ただ、就職活動をしてみて、その選択肢の可能性に魅力を感じ、もう一度かつて働いていた会社のCFOに直接コンタクトしてみることにしました。確信があったわけではなかったのですが、配属を中心に処遇に関する希望を伝えて、後はそれが叶わなかったときのバックアップとして外資系の会社の選考も一方では続けていました。

前職の会社にとっては、以前働いていた従業員が会社での処遇に関して会社と直接交渉して、復帰を希望するというのは初めての経験のようでした。ですので、正直なところ復帰交渉はすんなりとはいきませんでした。CFOが採用したい意向が透けて見えていても、社内の意見がなかなかまとまらなかったようだったからです。ですから、一時は「復帰の可能性はやっぱり、ないな」と思ったときもありました。

ただ、CFOが人事側の意見を纏めてくれたことと自分がいくつかの点で歩み寄ったことによって、最終的には交渉がまとまり、以前働いていた会社に復帰することが決まったのでした。職種に関してはほぼ希望通りで、復帰後は06年4月に新設される予定の部署において全社レベルで事業の方向性を見ていけるポジション(但し、メインはM&A)で働くことになっています。

ぐるぐる回って、元の会社に戻るという選択肢(ポジションは異なりますが)は、外から見れば"まどろっこしい"こと極まりない選択のようだったです。ただ、分かっていることを言えば、いろいろ迷ったからこそ、元の職場に戻ることに満足感を感じられているのではないかと今は思っています。

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