Campus Report 2005

能村 康弘 to Samuel Curtis Johnson Graduate School of Management, Cornell University(全15回)

MBAホルダーへの道

Vol.9 サマーインターン体験記

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2年生になったら少しは暇になるかと思っていましたが、結局各科目のアサインメントやグループワークに終われ、1年生のときとほとんど変わらない忙しい日々を送っています。投資銀行で朝から晩まで(時には早朝まで)働いていたあの日々が今となっては懐かしい気もしますが、今一度各プロジェクトでの経験と学んだことを一度整理してみようと思います。

私がサマーインターンをした投資銀行ではアソシエイト1年目はグループに配属されず、提案活動(ピッチ)、資金調達及びM&Aのエグゼキューションと幅広く業務を経験し、2年目になってグループに所属する形態を取っており、サマーインターンでも同様に色々なプロジェクトに配属されていきます。

私はM&Aに関連する提案を3件、資金調達に関する提案を4件、LBOのエグゼキューション1件、MBOのエグゼキューション1件、そして買収防衛策立案支援1件という、総計10件ものプロジェクトに実際にアサインされ、各提案骨子のディスカッション、資料作成、モデル作成、クライアントとのミーティングなど具体的な作業に積極的に参加させていただきました。

本日はこの中でも、代表的な案件についてご紹介していこうと思います。

<M&A提案活動>
1.大手国内金融機関へのグローバルM&A戦略提案

不良債権問題が一段落し積極的なグローバル展開を検討している大手国内金融機関に対して、欧米を代表するグローバル企業が如何にグローバル展開を行ってきたか、具体的なケースを紹介し、今後の海外でのM&A戦略の示唆を与えるための資料を作成するというのがこの作業の目的でした。

この案件では、投資銀行業務というよりはどちらかというとコンサルティング会社における調査系業務に近いイメージを持ちました。他社事例から戦略的な意図を見出し、クライアント企業に戦略的な方向性を後押しするという意味で非常に類似した部分があると思います。投資銀行業務というと、財務戦略に特化した提案を行っていると考えている人が多いと思いますが、財務戦略はあくまでコーポレート戦略を実行するための事業戦略であり、インベストメントバンカーもコンサルタントと同様、コーポレート戦略の視点から企業の方向性を検討していくことが必要であると認識させてくれたプロジェクトでした。

2.国内大手製造メーカーへのグローバルM&A提案

外資系投資銀行業務の醍醐味を存分に味あわせてくれた案件でした。大手米国企業が国内外において提携先を探しているという状況下で、この企業の提携候補となりうる大手国内製造業に対して買収提案を行うというのがこのプロジェクトの目的。

この案件では、この国内企業が直接米国企業を買収したと仮定した場合の財務インパクト、格付けインパクト、アナリスト評価、グローバルでのシェア推移など様々な分析を日米欧のメンバーが一体となって行い、100枚以上にも及びプレゼンテーション資料を1週間で作り上げ、クライアント企業に提案を行いました。クライアントミーティング当日には、欧米のバンカー3名も加わり総勢10名ほどがCFOにプレゼンテーションをするという非常に大きなものでした。

各種分析を行うにあたり、競合他社の情報や類似公開会社比較などを行う必要があったのですが、日本にはない情報が瞬時に海外メンバーから送られてきたり、過去の事例について即海外メンバーから情報提供があったりと非常に連携の取れた作業でした。海外のナレッジや知識を非常に効率的に活用できるというインフラの強さには、さすが外資系投資銀行だと感心させられた案件でした。

<ファイナンシング提案活動>
3.消費財企業への負債調達提案活動

この案件では、負債比率が高まり格付けが下落している企業に対して、財務戦略として今後何をするべきかという方向性を示す提案資料を作成しました。そもそも消費財企業として今後1~5年のスパンで検討すべき全社戦略とは何か、各年次どの程度の追加資金が必要となるのか、その資金を調達するために今の負債に対してどのように対応しておくべきかといった、全社戦略を踏まえた具体的な財務戦略に対する示唆をクリアにし、短期~中期的な視点での財務アクションプランを提案するのがこのプロジェクトの目的でした。

WACC算定、将来フリーキャッシュフロー予測、フリーキャッシュフロー活用による返済計画、各年度の安定性・収益性予測と格付けへのインパクト分析、具体的なアクションプランの提案を通して、企業の財務戦略の視点から検討すべき点がより明確になったことに加え、中長期的な視点で投資銀行と顧客の間でビジネスを構築していくためには、M&A支援という単一サービスによる提案活動だけでなく、事業戦略の方向性、それを実現するための資金調達方法や戦略の方向性まで突っ込んだ提案をしていく必要があるという点を感じさせてくれる非常に身のあるプロジェクトでした。

<エグゼキューション支援>
4.バイサイド側へのアドバイザリー業務

あるコングロマリット系企業が一事業を売却、LBOを検討しているという状況で、バイサイド側であるファンドのアドバイザリー業務を行うというのがこのプロジェクトの主目的でした。売却事業を詳細なビジネス単位に分割し、単位毎に競合他社比較、将来キャッシュフロー予測を作成し企業価値を算定するとともに、ファイナンシング手法を踏まえ、フリーキャッシュフローを活用して各負債をどのように返済していくかについてシナリオ作成、モデル作成を行うというのが私の役割でした。

この業務では、ファンドの方と密なやり取りを取らせていただき、そういった作業の中でファンド側のジュニアからバイスプレジデントレベルの方の業務及び視点がある程度明確に見えたという点で非常に面白い仕事でした。個人的に思うに、特にファンドにおける案件開拓、買い付け業務は投資銀行で行うM&A支援業務とほぼ等しく、投資銀行でのキャリアを積んでファンドに転職すると実務という面では非常に役立つという印象を受けました。ただ、ファンドの場合案件数が多くないため、ラーニングカーブという点では投資銀行に分があると思います。

このような、MBAの1年次に学んだ内容をまさに実践で活用させていただいた案件が多く、非常に楽しい12週間を送らせて貰いました。

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