Campus Report 2005

能村 康弘 to Samuel Curtis Johnson Graduate School of Management, Cornell University(全15回)

MBAホルダーへの道

Vol.11 インターナショナルスチューデントの就職事情

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アメリカでのトップスクールでの学位取得により、アメリカでの就職チャンスが非常に広がるのではと考えている方がいらっしゃるかと思います。私の友人にも、MBA取得を足がかりとしてアメリカで就職することを考えている方が何人かいます。そこで本日は、アメリカでの就職を念頭において就職活動をしているジョンソンスクールのインターナショナルの就職状況について皆様にご紹介していこうと思います。

ジョンソンスクールが発表している統計数値上では、Class of 2007のインターナショナルスチューデント比率は25%(66名)となっています。この数値は米国の他スクールとほぼ同じか若干低い程度の水準です。ただし、皆さんも入学されるとわかると思いますが、実はこのインターナショナルという定義は非常に曖昧で、高校や大学からアメリカに在住し教育を受けている学生や、小学校のときから英語で教育を受け日常生活でも英語を活用しているインド人なども含まれています。

そしてその多くは既にグリーンカードを取得している、もしくはアメリカにおいて数年の業務経験があるため、私のように自国で生まれ育ち海外生活の経験もほとんど無いいわゆる純粋なインターナショナルスチューデントとは大きく異なります。実はそういった語学ハンデがほとんど無いインターナショナルスチューデントが大半を占めており、いわゆる日本人のようにほとんど自国で過ごし仕事をしていた純粋なインターナショナルは非常に少ないというのが現状です。

ジョンソンスクールの例では、私のようないわゆる純粋なインターナショナル学生は日本人4名、台湾人2名、中国人2名、韓国人5名、タイ人1名、ベトナム人1名、フィリピン人1名、ブラジル人3名、ギリシャ人1名の計20名(うち5名〔日本人3名、韓国人2名〕は会社派遣)です。

逆にインターナショナルとしてカウントされている学生66名のうち46名については既に英語圏での大学を卒業し英語圏での業務経験を持っている、若しくはインド人ということになります。そこで、本日は、アメリカの大学を卒業し既にアメリカにおいて業務経験を持つインターナショナル、インド人及び会社派遣を除いた学生15名の就職状況についてご説明します。

サマーインターンシップ

以下が彼らのサマーインターン先の状況です。

学生 海外経験 バックグラウンド サマーインターン先
韓国人A (男) 中高アメリカ 金融 アメリカ:米系投資銀行
韓国人B (男) 業務で英語活用 製造業 アメリカ:ベンチャーキャピタル
韓国人 C (男) 小学校アメリカ(3年) 金融 アメリカ:インターネットベンチャー企業
台湾人 A (女) 在住経験なし 金融 台湾:米系投資銀行
台湾人 B (女) 在住経験なし エンジニア アメリカ:医薬ベンチャー企業
中国人 A (男) 在住経験なし 金融 サマーインターンせず

中国人 B (男) 在住経験なし エネルギー アメリカ製造業:製造業
タイ人 A (女) 在住経験なし 製造業 タイ:医療メーカー
ベトナム人 A (男) 在住経験なし 会社経営 サマーインターンせず
ブラジル人 A (男) 在住経験なし 製造業 ブラジル:医療メーカー
ブラジル人 B (男) 在住経験なし 金融 ブラジル:投資銀行
ブラジル人 C (女) 在住経験なし 製造業 ブラジル:メーカー
ギリシャ人 A (男) 在住経験なし 製造業 アメリカ:ベンチャーキャピタル
フィリピン人 在籍経験なし 製造業 サマーインターンせず
日本人 (私) 語学留学程度 コンサル 日本:米系投資銀行

ご覧頂くとわかるとおり、米国でサマーインターンシップをすることが出来たのは、15名中6名でした。この6名についても、すんなりサマーインターンのオファーをもらえたわけではなく、韓国人Bは、アプライした企業は50社以上、面接を受けた企業は30社以上でしたが、アメリカ人と同じ土俵でアプライした企業からはオファーをもらえず、ジョンソンスクールで非常に親しくしているインド人の親戚からの紹介でベンチャーキャピタルにおいてサマーをしたという状況でした。

台湾人A及び台湾人Bに至っては100社以上にアプライし数十社の企業訪問・面接をこなしましたが、台湾人Aはアメリカのポジションではどこからもオファーをもらえず、台湾人Bは夏休み直前にやっと医薬ベンチャー企業からオファーをもらうことが出来たというのが正直なところです。

彼らの業務経験が非常に少ない、または人格的・能力的にアメリカ人と比較して見劣りするということは決してありませんが、結果としてやはり語学のハンデを背負ったインターナショナル学生がアメリカ人と同様のプロセスを経て米国でサマーインターンに採用してもらうのは極めて難しいと言わざるを得ない状況かと思います。

フルタイムオファー

フルタイムオファーに関しても、やはり厳しい結果となっています。2007年1月現在、主にMBA学生採用を念頭に置いたアメリカ企業によるフルタイム採用活動はほぼ終了した状況ですが、現時点でUSポジションの内定をもらっている学生は、韓国人Aと中国人A(大手製薬企業)、韓国人B(サマーインターン先)、韓国人Cとタイ人A(インターナショナル学生積極採用企業)、ブラジル人A(米系金融機関)の6名のみです。残りの学生については、いまだにUSでの就職活動を継続しているものの、自国での採用を対象とした企業による採用に軸足を移した就職活動を行っています。

以上の結果から、英語圏で大学を卒業し就職したことの無いいわゆる純粋なインターナショナルスチューデントがアメリカ人と同じ土俵で就職活動をし、採用への道を開くことがいかに難しいかお分かりいただけるかと思います。確かに採用する側であるアメリカ企業からすれば、アメリカでのビジネススタイルに精通していない、言語にハンデがありビジネス環境にスムーズについていけそうにないインターナショナルの学生をアメリカ人と同じ土俵で、ビザサポートまでして採用するメリットはほとんど無く、よほど魅力的なバックグラウンドやスキルがある学生で無い限り、高々アメリカのMBAを取得した程度で採用するということはまず無いと考えた方が良いかもしれません。

ただ、逆に自身がお持ちのスキルやバックグラウンドが非常に差別化できる場合はアメリカでの就職に大きな道は開けてくると思います。日本人の場合、意外と「日本人」というバックグラウンドが有利に働き、アメリカの本社にて数年働く機会というのが与えられる可能性も少なからずあります。たとえば、ヘッジファンドにおいて日本株を対象とした投資案件の担当者や、日本に進出を検討している企業の本社での採用、既に日本に参入しているが今後事業拡大を考えており、新規事業部門で1年勤務後、東京への勤務、などといったいわゆる日本人バックグランドを対象とした採用が昨今の代表的な例かと思います。

アメリカでの就職を希望している方にとっては、非常に落胆してしまうデータを紹介してしまいましたが、このような現状を踏まえた上で、ご自身の今までの業務経験や特徴の中で特に差別化をはかれるポイントをよく検討し、その強みを生かした上でどのように勝負するのか、じっくり検討していけば道は開けてくる可能性は十分あると思います。少なくとも現時点で6名の学生については、アメリカ人と同じ土俵で戦い自ら道を切り開いているわけですから。

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