MBA留学を通してのネットワーク構築というと、一般的にはアメリカ人を含む他国の学生とのネットワークの構築をイメージする人が多いと思います。私の学校でいうと、2年生250人中日本人は4名であり、日本人同士で過ごす時間よりも、アメリカ人、アジア人、ヨーロッパ人、アフリカ人等日本人以外の学生と過ごす時間の方が圧倒的に多く、結果として日々の生活の中で非常に幅広いネットワークが構築されて行きます。
日々外国人と自国の事情、文化、経済状況などといった生の情報を共有し、自分の見識を広げることが可能であり、非常によい経験をできるのですが、実は意外と学校内外における日本人との交流により非常に多くのことを学ぶ機会も多いということに気が付いてない方も多いのではないでしょうか。そこで本日は、日本人同士のネットワークについて皆さんにご紹介して行こうと思います。
コーネル大学内での日本人ネットワーク
MBAに限らず大学全体で、日本人同士が主体となり活動をしていく機会がいくつもあります。たとえばジョンソンスクールの例だと、餅つき大会、アジアンカルチャーショー、東京プレゼンテーション、ジャパントリップ企画といったイベントの企画・実施やジョンソンスクールの日本人ウェブサイト更新、クラブ予算の運営といった事務作業など、実質日本人のみで行う作業がかなりあったりします。
共同作業を行う日本人のバックグラウンドは、メーカー、通信、商社、銀行、証券、そしてコンサル出身と非常にバラエティに富んだメンバーであり、それぞれの視点から会議の進め方、アイデアの出し方、根回しの仕方、役割分担の仕方、進捗管理といった作業についてどのように進めていくか議論、実施していくこととなり、海外にいながら各業界や企業のカルチャーを認識することもあります。
また、ジョンソンスクールのみならず、コーネル全体で100名ほど在籍している日本人との交流機会もあります。学部生が主体となって活動しているJapan Undergraduate Student Association(JUSA)と一緒にカルチャーショーや縁日、劇、イベントを企画したり、大学院生/研究生が中心となり企画運営しているJapan Graduate Student Associate(JGSA)ではバーベキュー、新年会、テニス会などといった活動を行ったりと、多種多様なイベントを通して他学部の日本人とのネットワークが広がって行きます。
コーネルの場合、ほとんどの学部に日本人が在籍しているのですが、特に法学部(L.L.M専攻)、農学系研究所、化学系研究所に多くの日本人が在籍しており、彼らとのネットワークを構築する機会も相当数あります。
ちなみに私の場合ですが、昨年JGSAで会計担当をしていたこともあり、色々なバックグラウンドを持った方々と知り合いになる機会に恵まれました。時に勉学や他学部カリキュラムの選択に関してL.L.Mの方に相談に乗っていただいたり、ホテルスクールに在籍されていた方から授業内容やカリキュラムについて教えていただいたり、また、前職の経験を踏まえて互いの業界動向などについて知識を共有しあったり等々勉学に関係した内容であったり、テニスやゴルフといったアクティビティ等でご一緒させていただく機会も相当数ありました。
大学の枠を超えたネットワーク構築
マンハッタンなど大都市の学校に通われている方々は、多分その都市における日本人ネットワークの構築を行う機会がかなりあるのでは無いでしょうか。コーネルの場合は他の学校や都市から非常に離れたところにあるため、そのような機会に恵まれることは残念ながらあまり多くはありません。ただ、同じ時期に留学しているMBAの学生同士間でネットワークを広げる機会は非常に多くあります。私の場合、以下にあげた活動や交流によって他校の学生とのネットワークを広げてきました。
留学前:
- 留学準備のための予備校/エッセー・インタビュー指導塾
- 留学予定者有志による懇親会/飲み会(主に留学前の4~6月)
- MBA採用各社/人材紹介会社主催の留学前レセプション
- (私は参加していませんが)留学前語学研修
留学中:
- ボストンキャリアフォーラムの面接会場や企業レセプション
- ボストンキャリアフォーラム後、日本人有志企画によるボストンでの懇親会
- 大都市における各企業主催によるレセプション、食事会
- 他校のビジット/ビジネスカンファレンスへの出席や他大学在籍中の友人訪問
サマーインターン中の同期インターン学生や同業他社でインターン中の学生との懇親会
このMBA留学を決意し準備を開始して以来、今まで何人程度の日本人MBA留学生と知り合いそしてよき友と知り合ったかなどといったことは意識さえしたことも無かったのですが、このレポートを書いている時に数えてみたところ、ゆうに50人は超えていることに気が付きました。商社、金融、コンサル、メーカー、政府系、弁護士、会計士、医療関係、起業家などなど、本当に多種多用なバックグラウンドをお持ちの方々と知り合いになりました。彼らとは、就職活動やサマーインターン中、そして各学校に在籍中においても頻繁に連絡を取り合い、今もともに助け合い、相談に乗り、そしていろんなことを学ばせてもっています。
海外で学んだ中で日本人として何を感じ、そして残りの人生日本人としてどう生きていくべきか、そういう考えをともに共有し、夢や希望を語り、お互いが自分の進むべき方向を見極め前に進んでいく・・・・。そんな生き方や考え方を共有できる日本人がこのMBA留学を通して一気に増えた気がします。確かに外国人とのネットワークも重要なのですが、外国人のみならず日本人として同じカルチャーを背負ったもの同士で夢を語り合える友人をMBAへの留学を機に増やしてみては如何でしょうか。