大今回は我が校RossのメインプログラムであるMAP(Multidisciplinary Action Program)をご紹介します。これは、1年生全員が必修授業の一環としてWinterB学期に7週間コンサル実習をすることができるというものです。
合計80以上ものプロジェクトが用意され、1年生430人全員が4~6人のグループに分けられ国内外の企業にアサインされます。プロジェクトのバックグラウンドも、ハイテク、ヘルスケア、Non-profit、ベンチャーなど多岐にわたり、半数のプロジェクトはIMAPというアメリカ国外のもので実習中に必要とされるフライトや滞在の費用はそれぞれのコンサル先の会社から提供されます。
他校にもコンサル実習的な授業は多々あるようですが、コアの授業で全員がアサインされ、他の授業は全くとらないでFull-timeでプロジェクトに集中するというのは、我が校Rossならではのようです。インターンシップのできない社費の学生にとっては特に、アメリカで実地研修を積むことのできる貴重な機会となっています。またアメリカ人を含む私費の学生にとってもサマーインターンのチャンスを手に入れる良いチャンスです。
では、アサインされるプロジェクトはどのようにして決まるのか?事前に私達はMAPの詳細が詰まった分厚いファイルを手渡され、それぞれのプロジェクト内容を説明するオリエンテーションを受けます。各プロジェクトの内容、ロケーション、どの程度Ann Arborを離れ現地に滞在するのか、プロジェクトごとの参加条件(競合他社でのインターンシップが決まっている人は参加不可能なプロジェクトもあります。)をもとに、入念に希望のプロジェクトを選び、10個志望順位と共に学校へ提出することとなります。結果として割り当てられるグループは必ずしも第一志望通りになるとは限らず、全員が出来る限り志望度の高いものに落ち着くようコンピューターシステムにかけられメンバーが決定されるそうです。
私はめでたく第2志望であった消費財メーカーに決まりました。グループはメンバーは私を含め計6人。以下の写真左より、スポンサー企業のR&D担当Gary、ハイテクマーケティング専門のWendy、私、エネルギー会社出身コンサル転職予定のJonathan、Dartmouth大学主席卒業後MBAに来たKaren、投資銀行出身Kellie、スポンサー企業のブランドマネジャーLiz、ファイナンス専門Weiです。全く異なるバックグラウンドの5人、共通しているのは皆仕事のスピードが恐ろしく速いということくらいでしょうか。
まずは、プログラム開始と共に早速他都市のHeadquarterへ向かい、10日間滞在することになりました。この滞在期間中は毎日朝から晩までスポンサー企業の各部署の方々、パートナー会社のスタッフ、サプライヤーなどとミーティングをし、我々の目的やリサーチ方法、タイムスケジュールに関して話し合います。これがその後のプロジェクトをスムーズに進める上で大変役立つこととなります。
その後の6週間はオンキャンパスで毎週スポンサー企業と電話ミーティングを重ね進めることとなりますが、それと同時に、顧問教授とのミーティング、コミュニケーション指導の教授のサポート、2年生のコーチからのフィードバック、リサーチや資料作成に関するワークショップなど学校からのサポートを集中的に受けることになります。
私は元々MAPの存在がミシガンを選択した理由のひとつだったのですが、実際に体験してみてMAPは期待以上だと痛感しました。メンバー全員がFull-timeでMAPにとりかかるので、スポンサー企業側の期待も大きく、プロジェクトも本格的です。我々のプロジェクトはNew Business Developmentで、ある新商品が既存商品に与える長期的な相乗効果を数値化し、NPV算出と共にその商品を導入する意味があるかどうかを結論づけ、同時並行で商品をデザインしパイロットサイトを立ち上げ実際に商品を世に出し、適切な価格と消費者の反応を調査するというものでした。
ワークロードはかなり重く投資銀行でバリバリ仕事をしてきたチームメンバーでさえその多忙さに弱音を吐くほどでしたが、プロジェクトを通し得たものはそれ以上に大きかったと思います。RossのAction-based Learningというポリシーの語る通り、1年生の授業から学んだことを机上の空論に終わらせず実際にReal Businessにおいて活かすという体験をし、ファイナンス、オペレーション、マーケティング等のスキルがどのようにリンクしているのかを体感し、またメンバーの仕事ぶりから目指すゴール設定をより高く掲げるということも学んだように思います。
嵐のような7週間でしたが、終わったときの充実感は何よりも大きく、その達成感は特別なものでした。そしてその後、なんと私たちは全80以上のMAPチームの中よりNumber 1 Successful MAP Teamに選ばれました!