Campus Report 2005

小林 大祐 to The Kellogg School of Management, Northwestern University(全19回)

MBAホルダーへの道

Vol.18 冬学期はじまる

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2回目の冬学期が始まりました。エバンストンの冬は極めて寒く外出するのも辛いぐらいなので、この間は勉強に集中するのが良いです。前学期は育児に時間を割くために4コマでしたが、今学期からはそれまでの5コマ(規定の4コマに無料で1コマ追加)に戻しました。

来学期には「いかにもビジネススクール」という感じの授業が集中することになりそうなので、今学期は自分の幅を広めるべく一風変わった授業をとってみました。

<デシジョンアナリシス>

いわゆる「意志決定論」と言われる分野で、論理学と数学に基づいた「規範的な」意志決定の手法を学びます。つまり古典的な「Decision Tree(意志決定木)」を用いた意志決定の方法です。古典的とはいえ、例えば「リアル・オプション」や「ゲーム理論」は、この規範的意志決定のモデルをファイナンスに応用したり、複数の意志決定者間のインタラクションを想定したりする事で幅を広げたものです。

この授業の面白さを文章で伝えるのはなかなか難しいのですが、「自分・自社にとって最も正しい選択肢にたどり着く手段」を学ぶことで、今まで曖昧に決めていたやり方の何が足りなかったのか、どんな手続きを加えればよりクレバーな選択にたどり着けることが出来るのかが具体的なテクニックとしてよく分かり、大きな収穫がありました。

また重要な意志決定において「情報」がどれほどの価値を持つのかが見えてきたのが面白かったです。意志決定論は冷戦下でのクリティカルな意志決定を助ける学問として発展した背景があるようなのですが、各国がなぜスパイ機関などを通じて情報収集に血道を上げてきたのか、またリーダーシップの授業で、なぜ組織から正確な情報を吸い上げることの重要さがしつこいぐらいに強調されていたかがよくわかりました。

加えて、自分の価値観に真摯に向き合い「自分にとっての正しさ」を導き出していく過程を通じて、「同じ結果でも人・会社によって得られるバリューは異なる」ということや、「同じバリュー(絶対値)でも、異なるリスク許容度を持つ人・会社では、その効用は異なる」という当たり前の事が腹に落ちるまで学べたのも今後の人生に向けての収穫でした。

<デリバティブI>

デリバティブを直接扱う実務者向けの入門編として設計されている授業です。この授業はケロッグの他の授業と毛色が違い、ビジネスケースは教授が授業中にちょっと触れるだけで、ひたすら金融工学の数学的モデルに取り組みます。「先物(株、コモディティ、金利、為替)」「オプション」「スワップ」などのデリバティブ商品と、バイノミナルツリーとブラックショールズ式を用いたオプションプライシングの基礎、最後にリアルオプションを学びます。

この授業は数式ばかりでかなり参りましたが、おかげでジェネラルマネージャーとしては充分なぐらいの知識はついたと思います。ちょっと興味深いヨモヤマ話としては、莫大な価値のストックオプションを獲得した起業家達が、すぐには現金化できないストックオプションの価値低下をヘッジできるように設計されたオプション商品を買っているという話がありました。ストックオプションは報酬を株主価値とリンクさせることで経営者をモチベートする役割もあるのですが、ヘッジされてはその効果は半減ですよね。

<FAQ2:グループはどのように決まるのか?>

一部を除いてほぼ全ての授業でグループワークのあるケロッグですが、グループは授業毎に異なります。したがって規定の24.5コマを取得するなら、その数だけ違ったグループを組むことになります。校内の人脈がどんどんできるのはもちろん、違った相手と作業を開始する経験を多く積むことで、卒業後はコンサルティング、投資銀行、マーケティングなどプロジェクト毎に違ったメンバーで仕事に取り組むことが多い学生にとっての絶好の訓練の機会となっています。

一部の授業ではグループは教授が生徒のバックグラウンドを元にグループを振り分ける場合もありますが、多くの授業では最初の1週間でグループを自主的に組むことが求められます。これがやや神経を使う作業で、
・最初に過去のグループワークを通じて「こいつと組みたい」と思う相手に声を掛ける
・受講生のリストを事前にチェックし、メールで事前に連絡しおさえておくのが良い
・相棒が決まったら、規定の人数(5人ぐらい)を埋めるべくそれぞれ声を掛けることにする
・相棒の知人が入ることもあるし、他のグループに漏れた人を吸収することになる場合もある
というようなプロセスを通じ、大体グループに一人か二人は知人が入り、残りは初めての人とグループを組むことになります。各授業につき日本人はせいぜい数名ですから同じ国の人間だけで固まることも難しい仕組みで確実に人脈と英語力を鍛えられます。

偶然受講生に全く知り合いがいなかったとか、色々とタイミングが悪くアブれて一瞬冷や汗をかく事もあるのですが、そういう場合も授業の前後に「空いてるグループある?」と手を挙げれば同じ境遇の生徒や人数不足のグループがあるので、最後は何とかなります。そうやって入ったグループも何が起こるか分からなくてなかなか楽しいものです。

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