Campus Report 2005

小林 大祐 to The Kellogg School of Management, Northwestern University(全19回)

MBAホルダーへの道

Vol.19 冬学期中盤

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冬学期も中盤になりました。今年の冬は本当に寒く、零下20度近くになる日も沢山ありました。これだけ寒くなるとエバンストンの街中を歩く人も少なく、通学と買い物以外は外出を控えるようになります。学校以外のトピックもあまりないので、先回に引き続き授業の話をします。

<組織システムのデザイン>
一般に「組織論」と呼ばれる分野の授業です。組織論といっても、心理学に基盤をおき、個人やチームにおける人間対人間のインタラクションを分析する「組織行動論」と、社会学・人類学に基盤をおき、より大きな組織の特徴を分析する「組織構造論」と、ミクロ経済学に基盤をおき、経済学的利益の視点から人間や組織の振る舞いを分析する「組織の経済学」は、分析の対象は近いが分析の切り口は異なっているそうです。

この分野の違いは当校の授業でもきっちり分かれており、
・必修のMORS430はすなわち「組織行動論」で心理学者が教える
・この選択授業=MORS451はすなわち「組織構造論」で社会学者が教える
・選択のMGMT468はすなわち「組織の経済学」で経済学者が教える
ということになっています。

私は今学期は最後のMGMT468を取る予定なので、3つの違った視点から組織を学ぶことが出来ている。例えば社会学者は「Aという組織構造には~という特徴があってね・・・」、という実態の記述が得意な一方で、経済学者はどうしてそうなるか、というのを数式モデルに落とし込んで説明してくれるので、良い具合に補完しあって理解が深まります。

この授業では、
・組織の階層の深さとスパンオブコントロール(1人が何人をマネジメントするか)
・事業部構造(機能別組織、商品別組織、マトリックス型組織など)
・学習とイノベーションを促す組織構造
・事業部間の適切な権限と役割の分配
・組織のモニタリングの仕組み(報酬体系、バランススコアカードなど)
など、簡単にいえば「戦略実行のための組織図の書き方」を学びました。

<国際ビジネスにおけるノン・マーケット戦略>
これまで国際的な観点を持った授業を一つも取っていなかったので、一つ厳選した授業です。「ノン・マーット」というのは、いわゆる通常のビジネス環境(市場)以外の、政治・制度・文化の要素を示しており、この授業では、
・発展途上国における各種カントリー・リスクにどう対処すべきか?
・貿易、通貨、国際開発の仕組みを学び、国際経済リスクに対処しつつWTO、IMF、世銀といった国際機関をどう利用していくか?
という二つの主題を前半・後半に分けて学びます。

前半のカントリー・リスクの部分では、コネ文化・汚職・財産や権利保護の弱さ、コピー商品などに関する問題をミクロ経済学のフレームワークを使いながら学び、また実例としてアジアやアフリカなど発展途上国につきもののリスクを具体的なケースを沢山取り上げながら学びました。日本の常識じゃ考えられないような事例が満載で大変刺激的な授業なのですが、なんと言っても最高なのがロシアの油田開発会社の事例で、民営化のゴタゴタの中で経営者に収まった連中が、アメリカに自分達が作ったペーパー会社に油田を激安で売り払った上、それを石油メジャーに転売してぼろ儲けをしていた、という話。いわゆるアセット・ストリッピングという手法です。この授業前半のテイク・アウェイは、上記のような「先進国ではあり得ない」様々なリスクと、そのリスクに備えるための各打ち手を具体的に学べたこです。

また、授業の後半では国際経済学的な色が強まり、貿易、通貨、国際開発に関する経済学的な理論と、それぞれにおいて各国際機関がどのような役割を果たしているかを学びました。ケースとしてはアルゼンチンやアジアで発生した通貨危機の顛末とその機会を利用して現地のビジネスを買収しまくった欧米企業の話や、アフリカでWTO系列の資金を受けながらアルミ精製工場を建設した事例など、スケールの大きなものが大きく、なるほどそういうスケールの仕事も世の中にはあるのか、と、不思議な感動がありました。

<FAQ3:ケロッグの日本人同士は仲いいんですか?>
ケロッグの日本人は、在校生・卒業生含め大変仲が良いと思います。比較的大規模校の中で一学年十数人しかいないので、授業で一緒になったりグループワークを一緒にやるような勉強での繋がりはあまり無いのですが、日本をテーマにした「ジャパンナイト」というパーティーを日本人総出で企画したり、新入生歓迎会、秋のサンマBBQ、新年会、卒業生送別会など、奥様や子供まで巻き込んだイベントを頻繁に開いています。住居が近いこともあり奥様同士の仲も大変良いです。また日本人の受験生がケロッグをキャンパスビジットされる際も、全員で手分けをして対応し、ランチタイムには複数の在校生とお話ができる機会を提供させていただくなど、システマチックに動いています。また就職活動においての情報交換の豊富さは、以前書いたとおりです。

ケロッグは日本人以外の学生と接する機会が大変多いことから、逆に日本人同士で集まる機会にも変に突っ張ることなく参加できるような所があると思います。

日本人アルムナイ活動の活発さも、別の機会に書こうと思います。

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