社会人になると何か勉強しなくては、という気持ちに駆られてMBAやロースクール(LLM)にチャレンジする人が多いと思います。私もその1人だったでしょう。ただ、せっかくアメリカへ留学するのですからもっと自分のやりたいことを考え、人によってはそれに沿ったプログラムに入学した方がよいでしょう。Berkeleyに来て、他のプログラムの方と接することでMBA以外にも面 白そうなことをしている学科はたくさんあるんだなって感じました。今回のレポートは、MBAの話からは離れて他の学科についてです。違う学科の方と接するのも、MBA生活の一部だと思ってください。特に、BerkeleyではEngineeringの学生と接する機会が他の学校よりあるのではないかと思います。
今回紹介するのはPhonetics(音声学)です。学部としてはLinguistics(言語学)でPhonology(音韻論)のグループに入ります。きっかけは、Phoneticsを専攻されているRKさんが卒論に向けて日本人の声のサンプルが欲しいというところから始まりました。作業はヘッドセットマイクを付けた状態でプリンターの取り扱いマニュアルを読むという簡単なもの。そして、その声をマイクからレコーダーに収集/録音。特に何の学問かもよく分からないままラボに現れ、作業をこなしました。
その際、声紋もとっていることを教えてもらい、ぜひ見せてもらうことに。声紋についても詳しく教えてもらい、いろいろ音声分析ソフトなるものでいろいろ実験させてもらいました。今回載せた画像は私の声紋で、「くらもとです。」の言葉に当たります。母音や子音、そしてイントネーションで形が大きく変わります。
RKさんは日本人、アメリカ人のピッチの幅、周波数を調べていて、日本語、英語という言語がもたらす違いなどの分析もしているということです。また文化の違いや男女の違いなどから、シチュエーションによって全く異なる反応をするそうです。あるシチュエーションでは男性は普段より低く、そして女性はより高い声をだすことも実証してくれました。
ビジネススクールに長く(?)いるせいか、次に私が聞いた質問は卒業した人たちは何をするのかということです。すると、音声認識技術を用いたIT企業(例えば、ソフトウェア会社)に入ったり、ドラマでCIAやFBIが犯罪者を割り出すときにでてくるような警察関連の研究所に就職したりするとのことです。マーケティングのケースのように、はたしてこれらの技術がどのようなものに転用することができ、市場規模や顧客層はどういうものになるのかなって考え込み始めるとやっぱり自分はMBAが向いているのかなと思いました。(笑)
最後にですが、MBAプログラムでは自分たちのプログラム以外の授業を受講し、その単位 を卒業単位に振り替えることができます。もちろん、振り替えできる単位 は決まっていますが、従来多くの人がとるエンジニアリングやロースクール以外にも面 白そうなプログラムはたくさんあるのだなと実感しました。