オリエンテーションを終え、すぐに正式な秋学期が始まった。その授業内容を見てみると、統計学、戦略、会計学、ミクロ経済学、コーポレートファイナンスとビジネスエシックスから構成されている。
いろんなバックグランドの学生が入学しているので、全員に慣れてもらうためなのか、全体的には割とベイシックな授業構成になっている。因みに、ビジネスエシックスは今年から導入された授業で名前通 りビジネス倫理を教える授業である。
ところで、統計学の先生がDavid Juranという人で非常に"曲者"である。先輩及び周りの学生から聞くと、彼がCBSの中でも有名人らしい。どういう人なのかなと彼の初日の授業に出たら、めがねをかけているちょっとでぶちんのおっさんで見た目たいしたことがないが、いざ授業を始めると、冗談を言うのが非常に好きで殆ど漫才師のようにしゃべりまくっている。冗談にはそれほどまだ付いていけない私でもなんとなく彼のユーモアセンスに感動して思わず笑ってしまったことが何回もあった。
特に印象に残っているのは、初日の授業で彼が点数評価のことに触れ、"今まで数十年間コロンビアで教えてきたんだけど、期末のテスト・ペーパーで[F○○k you, Juran]と書いたやつ以外は全員Passさせたよ。しかも、去年を除き、LP(Low PassでDに相当する)を出したことがない"
また彼が大のビール好きで毎回の授業に必ず自称自家製のビールを持ってきて、パフォーマンスの良い生徒に配る。そのインセンティブがあるせいなのか、彼の授業になると、いつもより学生が積極的に授業に参加している。私も何度かそのビールを狙うために、発言してみたが、残念ながら、当たったことはまだ一度もなかった。
彼の授業は一番面白かったが、その内容は他の統計クラスよりはるかに難しかった。そもそも、クラスの中で冗談が多かったので、あまり詳細を触れられないというのもあるが、授業内容が難しいのも手伝い、思ったほど楽勝ではなかった。特に、グループワークには手を焼いていた。時間がかかる上に、最初想像していたように、正解があるわけではないので、非常に苦労した記憶があった。
統計以外にもCBSは面白い授業を色々と提供している。印象に残っているのはStrategyである。今までファイナンスが専門だったので、企業経営などには携わったことがなかったせいもあったと思うが、Porterの5 Forcesなどの理論にはなるほどと何度も頷いたことがあった。その代わりに、Corporate Finance、ミクロ経済学や会計学は既にある程度触ったこともあったので、個人的にはやや新鮮味に欠けているように思えた。とは言うものの、色々と勉強させられる部分が多くて、為にはなっていると思う。