Campus Report 2003

関 伸彦 to Sloan School of Management, Massachusett Institute of Technology(全28回)

MBAホルダーへの道

Vol.5 ようやく本コース開始! 難敵はミクロ経済?

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9/2よりMBAの本コースが始まりました。サマースクールのために6月後半から約2ヶ月間ボストンにいた私にとっては、これから忙しくなる、との思いよりも、ようやく本番が始まる、との思いの方が強くありました。

さて、本コースの内容ですが、MITでは2年間が4つのセメスターに分けられています。今セメスターでは、残りの3つのセメスターのための基礎科目が多く、これらが必修科目として課されています。科目の選択の幅は少なく、1科目しかありません。まあ、今学期は基礎ということで仕方がないのでしょう。以下は、今セメスターの科目の一覧です。

【主な必修科目】
・ ミクロ経済学:Economic Analysis for Business Decisions
・ 会計学:Financial Accounting
・ 意思決定論:Data Models & Decisions (DMD)
・ 組織論:Organizational Processes (OP)
・ コミュニケーション:Communication for Managers

【選択科目(下記2つより1つ選択)】
・ ファイナンス:Finance Theory I
・ マーケティング:Introduction to Marketing

【オプション講義】
・ 就職セミナー:Career Core
・ 各必修・選択科目の復習講義:Recitation

これら講義が組み合わさり、私の場合は下記のような時間割が出来上がりました(黄色は必修/選択科目、水色はオプション講義)。

g_1.gif

月火金が午後3時前には終わるので、時間に余裕がありそうにも見えますが(実は私も最初ひょっとしたら楽なのでは、と思いました...)、実際はそうでもありません。平日は空いている時間帯にチームミーティングが毎日のように入ってきます。

このチームミーティングは、主に提出する課題の答え合わせと不明点の確認などを行います。ここで貢献するためには、英語の苦手な日本人としては、一通 り課題を終わらせた上で臨まなければならず(Nativeはその場で議論しながら解いたりする)、チームミーティング向けの準備もなかなか大変なのです。

また、金曜日は全てオプション講義なので、お休みのようにも見えますが、これまたそうでもありません。金曜日の復習講義は重要なものが多く、結局、私を含めほとんどの生徒が参加しています。

この復習講義、私が日本ではお目にかかれなかったシステムなのですが、非常に良いと感じています。これは、TA(Teaching Assistant)となったMBAの2年生、または博士課程の生徒が1週間で進んだ内容を、練習問題を解きながらレビューする、というものなのですが、この復習講義にて配布されるの復習用資料が非常によく出来ているのです。

特にミクロ経済学の復習講義は大変重要で、課題や試験問題はこの復習用資料から出る率の方が高いという噂です。このTA、クラスごとに1人ずつアサインされており、試験直前の深夜などにメールなどを送っても、質問に答えてくれるそうです(私はまだトライしていませんが)。この他にも、課題の作成・採点や講義の準備などもしており、教授にとってもメリットのあるシステムのようです。

日本の大学でも、課題の採点は実際には博士課程の生徒がやっていたりしているのですが、これが正式な仕組みとして大学に組み込まれている、というのがアメリカらしいなと感じました。ちなみにこのTAは学校からある程度の給料も貰っているそうです。

さて、懸念事項の負荷ですが、個人的には、これまでのところ、確かに忙しいけれども、まあなんとかならない量 ではないな、と感じています。特に、週に2コマある4つの必修科目(重要)のうちの1つである意思決定論は、高校でやった確率・統計の解説が多く、理系の私にはさほど難しくありません(ちなみに理系でないアメリカ人には悪夢のような科目らしいです。アメリカ人は確率・統計を相当毛嫌いしている感があります)。

ただ、ミクロ経済学だけは相当厳しいです。会計学やファイナンス論は、前職で触っていたことと、使われるシーンが明確であることから、理解しやすいと感じているのですが、ミクロ経済学は、これまで系統立てて学んだこともない上、実社会で使われるシーンがはっきりとイメージできないため、内容がスッと入ってこないと感じています。この経済学、結構成績も厳しいとの噂で、さらに内容が複雑になってきたらどうなることかと少し不安を抱いています...。

負荷はさほどないけれども、日本人にとって特に大変なのが、組織論とコミュニケーションです。組織論はケーススタディ中心の、いわゆるビジネススクールの授業のイメージに最も近いものです。また、コミュニケーションも名前から分かるとおり、クラス中に発言してナンボ、という授業です。クラス中は、上述のTAがしっかり発言内容と回数を記録しているんですよね。あまりに発言が少ないと、途中で警告メールが来るとの噂です...。

最後に、これまで授業を受けてきて、日本の大学との比較で新たに気がついた点を3つほど。

1. 講義が良くデザインされている

こちらの大学に通われた方には当たり前のことなのかも知れませんが、MIT作成のCourse Pack(進度表(シラバス)+補助教材のようなもの)を見て、驚きました。なんと、最後の授業までの各回の講義内容が全て記述してあり、さらには宿題まで既に通 知されているのです。

なので、教授が前の授業で何も言わなくとも、生徒はReadingの課題などはしていかなくてはならないようになっています。計画は確かに立てやすくて良いのですが、精神的にはあまりよろしくないかもしれません。何しろ、課題を提出しても、一向にほっとできないのですから(少しの間はホッとできるのですが)。

2. 宿題の内容が講義の先を行っている(講義が後)

採点される課題において往々にあるのですが、授業内容がまだカバーしていない、先の箇所まで含めたものが前もって出されます。日本の大学の場合、関連する授業が終わってからはじめて課題が出される、というパターンが多かったように記憶しています。

MITでは、極端な場合は、課題を先に教科書などを参照しながらやらせて、その結果 を授業でフォローする、というパターンもあります。確かにこのパターンですと、考えてから授業に臨む(一種の予習のようなもの)ことになるため、学習効果 が高いと感じました。

3. 成績の評点基準が明確に定義されている

上述のシラバスを見てさらに驚いたのは、各科目の成績の評点基準が明確に定義されていることです。例えば、以下のような形になっています。
Class Participation 30%
Team Paper     50%
Case Write-up     20%

ちなみにClass Participationというのは、要はクラス中の発言だったりするのですが、この項目の配点が高いクラスになると、皆が鬼のように発言をする、という状態になります。確かに、これを前もって示すことで、期待される行動が明確に分かるわけですから、良いことなのかもしれません。これも、各仕事内容毎に明確にjob descriptionを定義するアメリカらしいなぁと感心してしまいました。

さて、9月も終わりになって、ボストンはかなり寒くなってきました(感覚的には日本の11月末ぐらい)。10月中旬には早速中間試験があるのですが、その準備でドタバタしているうちに、あっという間に冬が来てしまいそうな勢いです。まだ外に出られるうちに色々とやっておかなければ...。

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