Campus Report 2003

小川 美弓 to The Wharton School, University of Pennsylvania(全25回)

MBAホルダーへの道

Vol.3 ついに始まりました、MBA Program!

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9月3日からついにMBAプログラムの正規の授業が始まりました! Whartonは、基本的にSemester制(1年間を、9月初旬~12月半ばの秋学期と1月半ば~5月初旬の春学期の二つに大きく分けます)ですが、1年生は比較的Quarter制(1年間を四つに・・・一つのsemesterをさらに二つに・・・細かく分けます)に近いカリキュラムになっています。

1年生は、基本的にクラスやクラスターごとに決められている必須科目を通 じ、ビジネス関連の基礎を偏りなくしっかりと学ぶことが求められています。但し、大学時代の専攻や職歴に基づき成績や資格証明証をもって、もしくは、本学期開始直前に行われるwaiver examを任意で受験し合格することをもって、必須科目をwaiveすることが可能です。

また、基本的には最初の秋学期にquantitativeな科目が集中するカリキュラムとなっているのですが、backgroundに合わせて各人がworkloadを調整できるよう、Financial Analysisの授業については、受講時期を本来通り秋学期とするか、半年延ばして春学期とするかが本人の申請を条件に自由に選べるようにもなっています。

今回のレポートでは、1st Quarterの前半にあたる9月の生活についてレポートさせて頂きます(かなり遅いレポートとなってしまい、申し訳ありません)。

<必須科目のwaiveと、選択科目のAuction>

Whartonの授業は、月曜日~木曜日の週4日間、1コマ1時間半の授業が1科目当たり週に2回行われます(必須科目の中には週に1コマのみの科目がいくつか含まれますが、基本的には、月・水に授業のある科目と、火・木に授業のある科目に分かれます)。私が属するクラスの1st Quarterの時間割は下記の通りです。







Monday

Tuesday

Wednesday

Thursday

9:00-10:30

Financial

Accounting

Statistical

Analysis for

Management

Financial

Accounting

Statistical

Analysis for

Management

10:30-12:00

Marketing Management

Program

Design

Financial

Analysis

Marketing

Management

Program

Design

Financial

Analysis

12:00-13:30

13:30-15:00

Managerial

Economics

Foundations

of Leadership

and

Teamwork

Managerial

Economics

ですが、私は、Whartonで過ごす2年間を自分自身にとって有意義なものとするために、成績の質よりも授業の内容や経験そのものを重視しようと心に決めていたので(・・・さすがに2年間で卒業できる程度の成績は必要ですが)、可能な限り既に学んだことのある科目はwaiveしようと試みました。

まずは、大学の成績証明証と日米公認会計士の資格証明証で、Financial Accounting、Managerial Accounting、Macro Economicsのwaiveに無事成功。Micro Economicsだけは失礼(?)なことに、"Credentialが古い!"ことを理由に成績証明によるwaiveが認められなかったため、waiver examを受け、ElectiveのManagement科目にあるGame Theoryの授業をとることを条件にwaiveが認められることとなりました。

が、いざ授業開始直前になってみると、海外生活初経験の私がいきなり必須の授業をいくつもwaiveし、選択科目をその代わりにとってやっていけるものかどうか(いきなり2年生に混ざってteamを作ってやっていけるのかどうか)?かなり不安になってしまい、先輩方やMBA Program OfficeのAdvisorに相談をして色々な助言を頂きました。

その結果、必須科目のwaiveは可能な限り行いつつも、代わりのElectiveの授業は最初の秋学期にあまり詰め込み過ぎず、就職活動も一段落?し、環境にも慣れてきているであろう春学期から積極的にとっていくこととしました。Electiveの授業をとるためのAuctionで多少ハプニングがありましたが、何とかMicro Economicsの代わりのGame Theoryの授業をとることができ、かなり変則的になってしましたが、下記の時間割りで最初のQuarterが始まりました。








 

Monday

Tuesday

Wednesday

Thursday

9:00-10:30

 

Statistical

Analysis for

Management

 

Statistical

Analysis for

Management

10:30-12:00

Marketing

Management

Program

Design

Financial

Analysis

Marketing

Management

Program

Design

Financial

Analysis

12:00-13:30

 

Management


Communication

 

 

13:30-15:00

 

Foundations of

Leadership and

Teamwork

 

 

15:00-16:30

 

Managerial

Economics and

Game Theory

(Elective)

 

Managerial

Economics and

Game Theory

(Elective)
<MBA Programの授業内容>

9月3日からの授業が始まるまでは、"こんなに高価な授業料なのに、週に4日間しか授業がないなんて・・・"と心の中で密かに不満?に思っていた私ですが、実際に授業が始まってみると、"これ以上授業があったら到底体力が続かない。週に4日間で本当によかった・・・"と心の底からの感謝?に変わりました。

また、9月3日水曜日から授業が始まったことについて、"どうして月曜日から始めないのかな?"と少し疑問に思っていた私ですが、これまた"水・木の2日間の授業だけで一旦週末になって本当によかった"という感謝に変わりました。以下では、9月に受けた授業の中で特に印象に残ったことについて思うところを書かせて頂きます。

* Marketing Management: Program Design:

最初のcase studyの教室でのディスカッションとそのwrap upの段階で、それまでに私が漠然と持っていたマーケティングは定性的な科目であろうというイメージは180度覆されてしまいました。もちろんそれが全てではないのですが、"定性的な分析に留まらず、可能な限り具体的な数字に落とし込んだ定量 的な分析や改善提案をすること"と繰り返し強調されます。

"ここはWhartonなのだから"と、"number!"が求められます。"不完全な情報を元に、自ら必要な仮定をし、必ずしも公式通 りにいかなくとも、可能な限り数字の根拠を伴う分析・改善提案をする"というマーケティングのcase studyでのアプローチは、これまで公認会計士として、財務諸表が適正かどうかを確かめるため、既に存在する根拠資料を遡って調べる監査を主に行ってきた私には、ある意味衝撃でした。

自分のこれまでの経験を客観的に捉えることができてよかったと思うと同時に、今の自分に欠けているスキルをしっかり身につけていくことこそがこれからの2年間の大きな課題であることを再認識しました。

* Managerial Economics and Game Theory:

1st Quarterで初めてとった唯一のElectiveであるGame Theoryの授業は、毎回の授業が全てcase study、週に一度くらいのペースでgameのmodelingやwrite upが課題とされるworkloadのかなり厳しいクラスでしたが、やはりElectiveの授業だけあって非常に興味深い内容でした。

特にQuarterの後半にかけては、任意に作ったチームごとに、caseのwrite upが求められたり、コンピューターを使ったinteractiveなgame(航空会社の価格設定戦略や、製造メーカーの入札戦略の繰り返しgameで、まさに競争相手の戦略を読みつつ自らの戦略を決定し、相手の戦略をみてこちらの戦略を立て直す・・・という実践さながらのgame)でゲーム理論を実体験する機会がありました。

この授業を通じて、個人で予習をする時にはなかなか発展せずまとまらない考えが、チームメイトと3人でああだこうだと議論をするうちに不思議なほど発展しまとまっていくという、チーム・ワークの偉大な力を実感することもできました。

* Foundation of Leadership and Teamwork:

この授業の最初の課題は、(1)将来の夢・目標と、(2)その夢・目標を実現できるようなleaderになるために今後Whartonで過ごす2年間で自分自身をどのように変えていく必要があるのかについて、自分の考えをまとめて書いて提出することでした。

特に、(2)については、職場の上司・同僚・友人・家族等自分をよく知る親しい人々5人から長所と短所についての具体的なコメントをもらい、自分自身を360度様々な角度からみつめた上で、今後どのように変わっていきたいかを考えるようにと指示が出されていました。そこで、e-mailやファックスを使って、上司、職場関係の親しい友人、高校時代からの私を長く知る友人、最近の私をよく知る友人、母親の5人にコメントをもらえるようお願いしました。

それぞれの立場から私をよく知る人々が、長所・短所に関して改めて書いて送ってくれたコメントは、自分だとつい目を逸らしてしまいがちな短所をズバリと言い当ててくれているものであったり、逆に自分では思いもよらないような長所を指摘してくれているものであったりと、非常に意義深い内容でした(これを読んで下さったみなさんも、是非一度なさってみてください。新しい発見があること請け合いで、とてもお勧めです)。

また、leadershipに関する文献を読んでいって互いに議論し合う授業では、違った意味で興味深い発見・・・"成長過程における様々な経験や思索こそが人を育てleaderを育てる"といった話や、人間の内面 に迫った非常に深い洞察が書かれているなと私が感銘を受ける文献ほど、アメリカ人やその他の多くの生徒には"抽象的で具体例に乏しく何を言おうとしているのかわからない"と不評だという驚き・・・がありました。思考回路の違いなのでしょうか? 本当に不思議でした。

* Management Communication:

  Management Communicationは、1st Quarter~4th Quarterの間のいずれかでとることが求められている必須科目の一つで、native向けとnon-native向けとに別 れてプレゼンテーション・スキルやコミュニケーション・スキルを磨くという授業です。

10名弱に設定されたnon-nativeクラスの中で、悲しいかなダントツに力不足を痛感せざるを得ない私でしたが、最後の授業の課題であったvisual aid (グラフや写真等視覚に訴えるpower point数枚)を使った2分間のpersuasive speechでは、少し自分自身の成長を感じることができ、また、先生やクラス・メイトからもこれまでで一番いいスピーチだったとの批評をもらうことができました。

そこで実感したことは、"英語を上手に話せるかどうかということよりも、本当に話したいことや伝えたいことをしっかり持っているかどうかということの方が大切だ"ということです。何を言ったらいいのかを必死で暗記して思い出しながら考えながら話すと、たどたどしく詰まってばかりの英語になってしまいがちですが、本当に訴えたいことがある時には、たとえ文法や単語が多少間違っていても"みんなに自分の考えを伝えたい"という思いの方が勝って言葉が口をついて出てくることを体験できました。

ちなみに、ここで私がスピーチのテーマとしたのは、"環境保護のために実際に何かしていることはありますか? 一人一人が毎日の生活の中でできる小さなこと(買い物袋を持参してビニール袋をもらわないようにする、電灯やエアコンの使用を極力控える、車よりも公共交通 手段の利用を心がける等々)を確実に実行していきましょう!"という、日頃から可能な限り自分自身が実行し、かつ、周囲の人にも訴えていきたいと強く思っていることでした(これを読んで下さったみなさんも、是非少しずつでも何か実行なさってみて下さい)。

<Disorientation Party>

正規のMBA Programが始まった最初の週末に、その名も"Disorientation Party"という、Whartonの生徒会主催のおもしろおかしいパーティーが、Center City(何故かPhiladelphiaでは、街の中心部のことを、"Down Town"ではなく"Center City"と呼びます)のNightclubで開催されました。

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授業が始まったばかりのまだまだペースを掴めていない時期で、授業の復習や予習のことで頭の中はいっぱいでしたが、楽しいイベントにはなるべく参加しよう!と、同じアパートに住む同級生と二人、夜中の11時を過ぎた頃に会場へ向かいました。どんなパーティーなのか、実のところはよくわかっていなかったのですが、行って見てビックリ! なんと、clubのダンス・スペースにshampoo?の泡が溢れ、その中でアワアワまみれになってみんなが踊っているではありませんか!! 

会場となっているclubの名前が"Shampoo Nightclub"であることに納得?しながら、意を決して泡アワの中へ。こんな経験はなかなかできないよね~っ、と時々一気に噴出する泡に溺れそう?になりながらも、楽しくみんなと踊りました。

・・・泡でびしょ濡れになったものの会場にはシャワーがなかったため、ペーパー・タオルと持参したタオルとで簡単に泡を拭き取って、9月初旬とは思えない寒空の下、運転手さんに申し訳なく思いつつもタクシーに乗り、ガチガチに震えながら帰宅。大急ぎでバスタブにお湯を張ってドボン! 本当におもしろくて不思議な"Disorientation Party"でした。

<Venture Leadership Program>

Whartonでは、授業を通じた勉強とは別に、自分自身の限界を知ることと、極限状態でteam workやleadershipを体験し学ぶことを趣旨とした"Venture Leadership Program"があります。単位とは全く関係なく、Auctionで希望のprogramにbidし、うまく参加権を獲得できた場合に必要な実費を負担して参加する方式になっています。

エベレスト登山、キリマンジャロ登山、南極探検、パタゴニア・トレック等々、驚くほど多彩 なprogramが提供されている中で、南極探検とパタゴニア・トレックとでかなり悩んだ末、私は、今ここでしか絶対経験できないこととして、アメリカ海兵隊訓練一泊二日体験programに持ち点全部をbidしました。それでも希望者が定員を超えていたのですが、幸運にも抽選で参加権を無事獲得することができ、9月25・26日に、Virginia州Quanticoにあるアメリカ海兵隊訓練基地へ行って来ました。


25日は授業終了直後の夕方からバスに乗り、4時間近くバスに揺られて基地に到着。"今日の夜は、簡単なオリエンテーションと親睦会かな?"などという、我々参加者の甘い考えが完全に間違っていることは、到着して10分も経たないうちに判明しました。なんと、歓迎の挨拶と教官の紹介が終わった途端、訓練(シゴキ?)が始まったのです。

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"荷物を持って走れー!"という叫び声に突然追い立てられ、外に置いてあった荷物を慌てて掴んで、そのまま遠くの宿舎まで全力疾走し、整列。宿舎に入ってからも、ベッド・メイキングや翌日の訓練服の準備、なんと着替えや歯磨きまでもが、非常に短い時間で正確にするように要求され、"うまくできなければやり直し!"と叱責される怒鳴り声とカウントダウンの中で、皆、初めての経験に戸惑い震えながら就寝時間を迎えました。翌日は5時起床。起きた瞬間にはベッドから降りて整列。瞬時に着替え、朝食会場へダッシュ。怒鳴り声と共に朝食を終え、5~6人のteamに分かれて、いよいよ海兵隊訓練の開始です。

午前中は、team workとleadershipを学ぶための、知力とかなりの体力を使ったゲームのようなプログラムに取り組みました。達成困難なミッションが与えられ、チームで知恵を出し合って臨みます。パイプに逆さにぶら下がって上ったり、水の中にドボ~ンとはまってしまったり・・・。そしてついに午後からは、"Obstacle Course"と呼ばれる実践を想定したかなり激しい訓練コースへ。まずは、一周2マイル近いコースに沿って歩きながら、隊員の方々がデモンストレーションして下さるのを見せて頂き、注意点やコツを教えて頂いた後でいざ本番へ。

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想像を遥かに超えて壮絶なコースの内容に、デモを見ただけで気が遠くなってしまい、"ここまで来てはみたものの、何とかコースに出ないで逃げ出す術はないものか?"と一瞬真剣に考えてしまった私ですが、そうこうしているうちに実践が始まってしまい、ロープ一本の上をズリズリと這うようにして谷間を渡ったり、手で高い位 置にあるロープにつかまりながら一本のロープの上を歩いて渡ったり、泥水につかって歩伏前進をしたり潜ったり・・・。長い人生の中で、後にも先にもない?ような経験をたくさんすることとなりました。

発酵?しているかのような異臭を放つ泥水に頭の先まで身を沈める時はさすがにかなり躊躇いましたが、"人間どんなことでもやればできるものだ"ということを改めて実感することができ、また、普段の生活ではなかなか体験することのできない体力の限界を経験することもでき、今では素晴らしい経験ができたことに感謝しています。

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特に、パイプにぶらさがったりロープの上を這ったりしていて腕の力が尽きてしまいそれ以上少しも進めない状態になってしまった時に、それでもそこで諦め手を離して落ちてしまいたくはなくて、ずっと必死でパイプやロープに掴まり続けていたことを、後から教官に指摘された(褒められた?)ことが新鮮でした。

体力の限界に直面した時に、どう踏ん張るか、どこで諦めるか、諦めずに頑張るか、といった点で、端的に性格というか行動パターンの基礎となっている自分自身をみることができた気がしました。他には変えがたい貴重な経験(・・・なんと現地に取材にきていたCNNのカメラが、パイプにぶら下がって苦しんでいる私の姿をアップでとらえ、数秒間ではありましたがTVデビュー?を果 たすこともできました!)と、教官から聞かせて頂いた素朴だけれどもいいお話と合わせて、忘れられない二日間となりました。

「毎日、一日のうちに必ず次の三つのことをしなさい。
誰かから、一日に一つ何か新しいことを学びなさい。
誰かに対して、一日に一つ何か新しいことを教えなさい。
誰かを、一日に一度笑顔にしなさい。」

あっという間に9月も終わり、アメリカ人や他国からのビジネス・スクール生と比べてかなり早い日本人の就職活動時期と、初めての試験期間とが、10月に一度に到来します。

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