■ 日本語教師
最近日本人の少ないNYUだが、ふた昔前くらいまでは、30人から40人の日本人学生を入学させていたという。その時代の名残で、JBA(Japan Business Association) というクラブがいまだに存在している。地域の名前を冠したクラブは他にもたくさんあるが(Asian Business Society, European Business Association 等)国の名前のついたクラブはこのJBAだけなのである。当時どれだけ日本人が多かったがしのばれる。
今となっては少ない人数の日本人でクラブを維持するのは結構大変で、Business Associationとは名ばかりの飲み会クラブになりつつある。(日本に興味のある他アジアの学生なども多いのだが、アルムナイとの連絡、他の学校との連携など、日本語が必要なことも多く日本人にかかる負荷が高い。)
そんなお気楽クラブJBAで、昔も今もかわらず(多分)続いているのが、Japanese Tutoringである。週に一回、ボランティアで日本語を教えるのだが、昔も今も日本語を習いたい、という学生は多く(主にインベストメントバンクに就職を考えている学生や、日本で働きたい、というアジアの学生)割と人気があるのだ。
クラスは、ビギナーとインターミディエートの二クラス。私は今期インターミディエートを教えたが、自分の母国語を教えるのにも関わらず、とっても大変だった。何が大変って例えば、文法用語を英語で説明すること、「食べられる」、と「食べれる」の違い(いまだに自分で納得がいかない!)、「公園を散歩する」と「公園で散歩する」-どうして公園で散歩するは駄 目なのか、等々。
普段何も考えずに使っているだけに説明しようにも言葉が出てこない。日本語の教科書を私が読んで勉強するという始末だった。特にインターミディエートは多少会話能力があり、何でも知りたい盛り、好奇心の固まりなのだ。毎回一つは答えられない質問に出くわし、「来週までに調べます」と何度言ったことか。
でもこのテュータリング、とても勉強になった。いかに皆の興味をそらさずに授業の最後までもっていくか工夫することはいいプレゼンの練習になったし、ひとりの質問を皆との対話に持っていくためには大きな声で話さなければいけないのだが、声の小さい私には苦痛で、それがとてもよい訓練になった。
来期は多分ビギナーを教えることになると思うが、短気な私のこと、忍耐強く「あいうえお」から教えることはそれはそれでいい勉強に違いない。また、説明嫌いな私にはイチからジュウまで日本語の文法を(しかも英語で!)説明することもたまには必要だろう。
■ 夢見るように時は過ぎ....
昨日ファイナル(期末試験)が終わり、やっと冬休みが訪れた。ファイナルが3教科、ペーパーが2教科、グループプロジェクトが1つと時期を同じくしていっぺんにやってきて、怒涛のような数週間だっただけに本当に"やっと"やってきた冬休みのような気がするのだが、よくよく考えてみると、これでMBA生活の4分の1は終わってしまったわけである。
なんだかあっけなかったな、もったいないな、一生懸命やってきたはずだけど、なんだかやり残しがあるような....特に今期はサマーインターンのための就職活動に随分時間を取られ、(それはそれで色々な企業の方とお話が出来てとても楽しかったし、特にアメリカの企業との面 接は英語での自己表現やプレゼンテーションの面で大変勉強になったが)勉強に100%集中できてなかったな、等々、後悔のような不思議な気持ちである。このもやもやを胸に後期を頑張るしかないのだけれど。
コアが多かった今期とは異なり、後期はエレクティブ(選択)の授業がほとんどになる。それだけに難しくもなるのだが、自分の興味のある分野に集中できる分、もっと楽しくなるに違いない、と期待している。前期に取った授業は、
1
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Foundations of Finance |
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Financial Accounting & Reporting |
3
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Managing Organization |
4
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Marketing Concepts |
5
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Statistics & Data Analysis |
と全てコア科目で、多岐にわたり興味のあるのも無いのも入り混じり、教授の当たり外れもとても大きかったりしたのだが、後期は、
1
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Business Strategy |
2
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Competitive Advantage from Operations |
3
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Corporate Finance |
4
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Special Topics in Investments |
5
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Advanced Strategy Analysis |
6
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Multi National Business Management |
で1,2以外は全て選択科目である。特に3と6はNYUの中でも人気の高いコースなので、とても楽しみである。授業以外でも、Stern Consulting CorpというNYUとATKearney、BoozAllenHamiltonなどのコンサルティング会社が産学協同で進めているニューヨーク市内の中小企業やNGOを支援する活動があるのだが、それにも参加することになっている。
私が担当するのは、CONNECTというニューヨーク市全体のドメスティックバイオレンス加害者の教育や、被害者のための避難先を提供しているNGOである。様々な団体から提供される資金でこのNGOを運営するためのプロトタイプ作りを行う。ひゃ~難しそう。私に出来るのかしら。いやいや出来るに違いない(詳細については来期報告させていただきます)。
早めに採用活動を行う日本の企業のおかげで、1月後半から本格的なサマーに向けての就職活動が始まるアメリカ人のクラスメートたちより一足早くサマーインターンをさせていただく先が決まるので、来期はとにかく100%やりたいことをやるぞ、と来年の抱負である。