中間試験、中間レポートが次々と出た6月。振り返ってみると、気温が上がり夏が近づくにつれて疲労が濃くなっていったと思う。あまり頻繁に「疲れた」とか「しんどい」とかネガティブな言葉を口にするのは格好悪いとは思うものの、同期と顔を合わせるたび、こうした言葉が口を突いて出た。
特にスケジュールがきつかったのは6月29、30日の月末。複数の中間試験が重なったのに加えて、6月末日までに、研究計画書と配属希望ゼミナールを事務所に提出しなくてはいけないからだ。
WBSでは院生から提出された研究計画書に添えて、志望するゼミを第一希望~第五希望まで申告する。そのペーパーを元に、教授会などで自分の配属が決まる。ゼミの定員は7名であり、ゼミによっては9月入学者の分の定員を空けておくので、わたしたち4月入学生にとっては定員が3-4名というゼミもある。
当然ながら人気の偏りもあるし、ゼミ生選考では第一希望とした学生が優先される。万が一、希望のゼミには入れなかった場合は、定員に空きがあるゼミに入るしかない。そこで提出期限までに教授との面 談を重ね、なんとか内々に内定の感触を得ようとする学生が多かった。
私が希望したゼミナールは、ゼミの主言語が英語ということもあり(9月入学者は英語で履修する学生が多い)、今春入学者からの採用予定数は4名までとの方針だった。そして6月下旬に非公式の面 談が行われた。これは「第一希望に書いてもらっても採用できない場合、その学生は他のゼミにも入りにくくなるので、前もって内々の感触を示したい」という指導教員の考えによるもので、掲示板に案内が貼り出され、私は無事に「内々の感触」を得ることができた。
しかし残念ながら、こうしたオープンな選考をするケースは稀である。「某教授は財閥系企業派遣の学生には内定を出した」とか「○○ゼミは既に全員決まってる」などなど情報が飛び交った。それにより、提出期限の30日ギリギリになって第一希望を変更した学生や、最後まで悩みつづけた学生もいた。
ゼミ選びは、これから1年9ヶ月を過ごし、社会に戻ったあともお付き合いがあるであろう指導教員とゼミ仲間が決まる重大事。「○○の研究がしたい」と入学したのに、学生自身の能力とは全く違う要素に左右されて、それが叶わないという事態は看過できない。もっと他にいい方法がないのだろうか、と思う出来事だった。