ハノーバーの町に入ってから3週間が経とうとしています。アウトドア・プログラムやオリエンテーション、そして待望の入学式などで、あっという間の3週間でした。こちらでの生活にもようやく慣れてきたところです。今回はざっと町や学校の概要と、これまで参加したプログラムについて書きたいと思います。
町の様子
ダートマス大学のあるニューハンプシャー州ハノーバー(Hanover)は、ボストンから車で北西に2時間程の所にある、人口1万人足らずの小さな町です。町の人の大半がダートマス大学関係者かリタイアした裕福な白人という土地柄であるため、治安は極めて良好です。
町の風景は、赤い煉瓦の壁と日よけの緑色、そして窓枠などに使われている白色が美しく調和し、幻想的ですらあります。イメージは避暑地の高級リゾートといった趣で、日本で言えば軽井沢といったところでしょうか。実際、秋の紅葉の季節には多くの観光客で賑わうそうです。
タックの建物
ハノーバーの中心地(といっても驚くほど小さい)から歩いて10分ほどのところに、タックはあります。学校のシンボルであるTuck Hallは、他のダートマス大学の建物と同じく煉瓦造りで、コロニアル様式の瀟洒な建物です。一番古い木造のStell Hallの中には革張りのソファーや暖炉などがあり、とても美しく、落ち着いた雰囲気。
こんな場所で2年間を過ごせるとは、本当に夢のようです。ただ、古い建物を残しつつ新しい建物を拡張しているため、校舎全体の内部構造は複雑で、今でも時々道に迷います。ちなみに、新しいほうの校舎にも随所に絵画や現代的なオブジェなどがかけてあります。
ウィットモア寮
タックの2つの単身者向けの寮の中で、私は新しいほうのウィットモア寮に住んでいます。部屋は8畳か10畳くらいで、決して広くは無いのですが、収納や机など極めて機能的に出来ており、学生生活には必要十分であることが判りました。
部屋の掃除もやってもらえて、寮にジムなども完備しているため、まるでちょっとした高級ホテルに滞在している気分です。まあ、こんな事を言っていられるのも部屋が綺麗な今のうちだけかもしれませんが・・・。
アウトワード・バウンド
学校が提供する最初のプログラムである、アウトワード・バウンドに参加してきました。プログラムの内容は秘密であるためここでは書けませんが、なかなか強烈な内容でした。大抵の人の反応は「楽しかった! でももう2度と参加したくない」といったところのようです。私はやや悔いの残る部分もあり、機会があればまた参加しても良いと思っているのですが。
ここで日本人以外の同級生と初めて会ったのですが、とにかく驚きました。みんな前向きで、且つとても優秀なのです。プログラムの内容はタックらしく、チームで役割分担しながらこなしていく部分が多くあるのですが、初めての共同作業なのに何をやっても非常にスムーズ。うかうかしていると何もやることが無くなってしまうため、なかなか気が抜けません。中には物凄い知性を垣間見せる同級生もおり、エキサイティングな2年間を予感させるに十分な内容でした。
オリエンテーション開始
8月29日には入学式とディナーが催されました。ついにここに来たのかと思うと、感慨もひとしおです。Class of 2006は合格者の入学率が例年に比べて高く、定員240名に対して262名の大所帯。そして今週から全体でのオリエンテーションが始まりましたが、プログラムは明確な意図に基づいて精巧に出来ている印象で、企業の倫理と社会的責任、本番に備えての予行演習、そして就職活動準備(!)の3本柱で組み立てられています。
オリエンテーションの中のある授業では「君達の1ヶ月後の姿を予言してあげよう。寝不足で生気の無い顔で、ファッションに無頓着になっていて、もしかしたらちょっと臭うかもしれないね。本当に大変だから、覚悟するように」とのこと。日本人の私費学生は10月末にボストン・キャリアフォーラムも控えているので、学校生活とサマー・インターン探しをしなければいけません。今から戦々恐々です・・・・。