Campus Report 2004

相野 勇雄 to Hitotsubashi University Graduate School of International Corporate Strategy(全19回)

MBAホルダーへの道

Vol.6 夏休み! (前半戦)

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【ロレアル・プロジェクト】

前回のエッセイで書いたかと思いますが、早い人は実質的に7月の中旬から夏休みに入ります。ただ、最終的に授業から開放される時期は人によってだいぶ異なるようです(自分は今期履修していませんが)。

例えば、人材マネジメントという授業を履修していた人たちは学校の暦の上では夏休みに入ってからもファイナルのプレゼンテーションがあったり、そのプレゼンの内容をまとめたレポートの提出があったりと8月の初旬までスケジュールが埋まっていたようです。ただ、それよりも多くの一年生がより多くの時間をかけることになるのがマーケティングの授業の『ロレアル・プロジェクト』であると思います。

このプロジェクトはここ数年行なわれている恒例の夏のイベントです。マーケティングの授業は、コア科目の一つで一年生の大部分が履修しています。夏学期の前半で主にコトラーの『マーケティング・マネジメント(基本編)』をテキストとして使用してマーケティングの基礎にあたる部分を固め、それを応用・実践する場としてこのプロジェクトは位 置づけられているようです。

プロジェクトは化粧品で有名なロレアル社の協力の下に行われます。ですから、化粧品一般 についての資料の提供を受けたりするほか、BA(売り場にいるビューティー・アドバイザー)と直接面 談する機会を持ってもらったり、ブランドのマーケティングマネージャーに質問できたりもします。

また、セミファイナル、ファイナルを経て勝ち残ると、最終的には優勝グループにフランス本社で自分達のアイデアをプレゼンできる機会と、+αとしてご褒美旅行が与えられるという魅力的なプロジェクトです。

年によって扱うブランドは異っていて、以前はランコム、メイベリン・ニューヨークといったブランドがプロジェクトの対象で、今年はビオテルムというブランドが対象でその日本での展開をいかに行うかといったことがそのテーマでした(日本ロレアルが外部向けに主催している、"L'Oreal e-Strat Challenge"等とは別でもので、これはHMBAの学内コンテストになります)。

それまでのマーケティングの授業の課題といえば、マクドナルドの価格戦略、ナルミヤ・インターナショナルのコミュニケーション戦略、味の素の流通 戦略などといったケースを与えられて、それを個人で取り組むか、グループでこなすかという違いはあったものの、いずれにしてもテキストにあるフレームワークに落とし込んで過去の事例の分析レポートを書いていくという作業が多かったのです。

ただ、ことが自分達でマーケティング・プランを作るとなると一変したような気がしました。授業でよく使われるケースは事実の塊で、分析の対象となる事実は一つしかありませんが、ことがマーケティング・プランとなると将来のことだけに様々なケースが想定できます。

ですから、そのプランの策定のためにはそれまで学んできた分析の知識+αとしてそれを応用する発想が素人ながらにも非常に重要な気がしていました。実際に自分達も現状分析を行なってから、その分析に基づいてどのようなプランであればフィットするのかという議論に時間の殆どを費やしたと記憶しています。

時間という資源の投入の度合いはチームによって異なるものの、自分のグループの場合は平日週4日(×5週間)も集まってグループワークを行っていました。最初のうちはそれも午前中だけだったのですが、やがて期日が迫ってくると午後にもグループワークを行うようになり、最後のほうは休日も含め、深夜まで学校に残ってプレゼンテーションの資料を作っていました。

このように夏休みの半分近い時間をかけたグループワークでしたが、結果 はあっけなくセミファイナルで敗退という結果に終わってしまいました。ただ、これはマーケティングの知識を総合的に整理するという意味においても、また会社のようにはっきりといったヒエラルキーのない状態で長期に渡るグループワークを計画通 りすすめていくことがいかに難しいかといったことまでも身をもって体験出来たといったような点でまで含めて総合的に考えると、夏休みの貴重な一ヶ月間を費やすだけの価値のあるものであったのではないかと自分では理解しています。

【夏休みの中だるみ防止策(?) :企業評価分析 最終レポート】

夏休みに入ってばかりの頃は、"ヒマを持て余したら、どうしよう?"とちょっと考えていました。確かに、夏休みの前半のなかでも序盤戦は、自分個人としては比較的時間にゆとりがあって、夏学期のあいだに見逃した映画やビデオを見たり、なかなか時間の都合で会えなかった友人と久しぶりに会ったりしていまいした(友人の多くは、学生は社会人よりもずっとヒマだと思って連絡してくるのですが、なかなか学期中は時間の都合が付かないのにビックリしているようでした。。)。

ただ、そのようなゆっくりとはじまった夏休みの生活も上記のマーケティング・コンテストが次第に時間の隙間を埋めるようになり、やがてもう一つの夏休み中盤戦の山場である企業評価分析のレポートが〆切になる八月の半ばには生活は学期中のように時間に追われる生活に戻っていくことになったのでした。

企業評価分析は、"コーポレートブランド経営"等の著作で知られる伊藤邦雄先生が教鞭をとっている授業です。授業ではレクチャーも行なわれますが、それにだいたい二回に一度の割合で課題が出て(合計で12個のケースを取り扱ったと思います)、ケース分析に対するレポートを作成して、それを元にディスカッションを行なうという形式で進められることも多かったです。

取り扱う内容は、財務比率を使った分析から始まって、資本構成や、配当政策まで授業の名の通 り企業価値について会計・財務・経営という3つの視点から考えてみるというものでした。ですから経理の現場を歩んでいた自分には知っているようで、実はよく分かっていなかった隣の畑をうまくガイドしてもらったような感じで、授業で"なるほど、そうだったのか!"という心のなかでの頷きが連発していたのを覚えています。

そのように自分にとっては非常にタメになる科目でしたが、最後に一つだけ文字通 り課題として残ったのが、前述の"夏学期 最終レポート"と言う名の下に与えられたA4×30枚というレポートでした。

もちろん、企業評価分析に限らず他の科目でも学んだことの中から自分なりの課題を見つけて、学期末に総合レポートを要求されることはあります。だから、課題があるのはなんとなくは認識していました。とは言え、選択科目の一つの課題で、しかもグループワークではなく、個人でこのボリュームというのは自分の当初の予想を超えていました。ですから、この課題を頂いたときは"実務経験の中でも、こんなに長い財務分析レポートは書いたことがない!"という状況の中で、自分はレポートを書き上げられるかどうか実は不安でした。

ただ、そんな不安を解消してくれたのがHMBAの環境でした。HMBAには、今年完成した新しい校舎の中に通 称"MBAルーム"というPC/ネットワーク完備のグループワーク兼自習室があります。そこに行けば、外部に開示されている財務データでしたら、ヘタな企業の財務部よりも簡単に手に入れることが出来ます。

それに、クラスメートがそこでレポートを書いているのを見たり、息抜きにレポートの進捗状況を聞いたりすると"一緒に頑張ってきたみんなにできるなら、自分もきっと出来るハズ"という根拠のない自信が湧いてきて、それが自分のやる気に火を付けてくれたような気がします。

レポート自体に対しては個別の評価を頂いていないので、内容的にはどれほどの良いものであったのかは自分では測りかねる部分もあります。終わってしまった今から言えば、最後の最後になってから"もう少し時間があればもう少し深い分析を加えられてのに!"と思う部分も正直言えば、ないわけではありません。

ただ長さと言う点だけを見れば、レポート自体は本文だけで30枚を超え、添付資料を加えると50枚近い長さのレポートに仕上がっていました。こうして今まで一番長いレポートをなんとかやり遂げたことによって、また少し"自分でも、出来るんだ!"と思える領域を拡げられたことが嬉しかったのを今でも覚えています。

こうしたイベントによって、当初、思っていたよりも忙しくて、けど充実した夏休みの前半を過ごすことになったのでした。少し長くなってきたので夏休みの後半戦をどのように過ごしたかについては、また次のレポートで書いてみたいと思います。

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