Campus Report 2004

熊谷 真理 to UCLA Anderson School of Management(全20回)

MBAホルダーへの道

Vol.6 インド旅行

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移動のバス

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移動途中のマーケットで

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NPO 訪問

少しご報告が遅れてしまいましたが、12月26日から16日間CIBER(アンダーセン国際センター)とSABA(南アジアビジネスアソシエーション)主催のインド旅行へ参加してきました。参加者はフルタイムMBAのほかにFull Time Executive (FEMBA),Executive (EMBA:短期集中型)の総計16名です。

この旅行は米国政府認定リサーチ期間であるCIBERにスポンサーされているため、通常より安い価格でインド国内の主要企業やNPOの訪問を各訪問都市で行い、その後レポートをまとめるというものです。主な訪問都市は以下の通り。Bangalore(インドのシリコンバレー), Delhi(首都、インドのワシントンDC), Agra(タージマハールなど)、Jaipur(典型的なラジャフスタンの城砦都市), Mumbai(インドのニューヨーク)。

日中はインド人学生を中心に質疑応答が行われた後に、夜はインド料理レストランで語り明かすというのが典型的なパターンでした。ただの学生旅行なのではないか?と思っていたのですが、実際にトップ企業訪問などで現地のアンダーセン卒業生からお話を伺う機会もありました。数字には表れないインド社会を実際に体験できたのは、学生の特権であり、非常に有意義な体験だったと思います。全般的に中国と対照的なインド独特の経済成長モデルが印象的でした。

・貧富の格差:

町の人口の平均3分の1がホームレスという環境であるため物乞いの人間が多いのにはいささか参りました。特にMUMBAIなどの都市部では職を失った出稼ぎ労働者のスラム化が大きな問題となっています。この背景を考えると、共産主義の中国と違って民主主義を掲げるインドでは基本的に最低レベルでの生活は政府に保証されているわけではありません。さらに言えば、貧民の規模を考えれば多くのボランティア活動も焼け石に水の状況となっているのが現実であり、半ば政府も諦めモードである印象を受けました。

また、歴史的にもカースト制度を採用していたインドでは「人は基本的に平等である」という認識も薄いのではないかという議論も出ました。これに対してインド人の友人からコメント「とはいうものの、民主主義を掲げるインドではどんなに貧乏な人間でも学問の自由は保障されている。この貧富の格差を乗り越えようという強い意思が勤勉で優秀なインド人を育てる。中国では学問の自由が保障されているとは言い難いのではないか。」

・宗教:

人口の80%はヒンドゥー教徒、15%はイスラム教徒ですが、イスラム教が最近増加傾向にあるとのこと。あらゆる側面で宗教的慣習は非常に色濃く残っています。例えば渋滞の原因が町中を自由に歩く牛(ヒンドゥー教のシンボル)のためであったということも珍しくありません。インド人の友人に拠れば「インドでは教育の度合いと信仰の深さは反比例する(教育の度合いが高いほど、信仰は浅い)」ということです。海外で活躍する豊かなインド人ばかりをみていた私にとっては多くの国民の盲目的な信仰の深さは想像以上でした。

・人口政策:

12億人の人口を抱えるインドですが、一人っ子政策を掲げる中国とは対照的に人口増加を抑制する政策は採られていません。現在、全世界の新生児の1割以上はインド人であり、10%近い人口増加率を差し引けば、昨年まで経済成長率はネガティブだったという試算も出ているそうです。国民の6割が田舎に住んでいるインドでは今後も急速な人口の増加が見込まれており、人口の増加に見合った職の創出が課題となっています。

・サービス産業と製造業:

政府の腐敗が著しいインドでは社会インフラの整備が遅れているため、結果的に多くの製造業の発展が妨げられています。道路や水道、電気といった基本的な社会インフラの半分以上が政府職人の賄賂により横流しされてしまっているため、優良企業の一部は自前の発電設備などを備えているとのことでした。しかし、財政危機に陥っている政府は大胆な民営化や外資系資本の導入(75%まで)などにより今後10年間でインフラ充実を公約しています。

また、インドの教育制度は比較的充実しており、中学校までは無料、国立大学も数多く存在するため、若く優秀なエンジニアが着実に増加しています。インドの友人に拠れば「設備インフラの不足するインドでは優秀な人材を活用できる情報通信業や人材のアウトソーシングなどに経済発展を依存せざるを得なかった。一方で、製造業は繊維産業を除けば特に見るべきものもないし、民営化はある程度の支援材料になるものの、今後の成長も国内市場の成長に依存せざるを得ないだろう。」とのことです。

・日本企業のインド進出:

インドでは価格競争力の高い韓国企業の進出が顕著であり、日本企業はインドの所得基準に見合った商品設計が遅れているためあまり目立ちません。しかし、現地化を進めるスズキ自動車の好調さが印象的でした。

やや学校生活とは離れた内容になってしまいましたが、次回は冬学期の内容とクラブ活動などについてまとめてみたいと思います。では皆さん今年も宜しくお願い申し上げます。

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