Campus Report 2004

藤本 崇 to Stanford University Graduate School of Business(全21回)

MBAホルダーへの道

Vol.7 授業風景1:ストラテジー

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スタンフォードでは既に冬学期も峠を越えた時期に入った。季節は依然として雨である。12月からよく降るようになったのだが2月に入って雨期は一段と気合いが増したような気がする。早くカリフォルニア日差しの強い晴天の青空になって欲しいものだが、東海岸の大雪のニュースを見たりすると、それに比べて恵まれた気候で勉強できいてる自分なんかには文句を言う資格はないなと納得する。

さて、今回は私が今受講しているクラスのうち幾つかをレポートしてみたい。まずはStrategy Management。この授業では、様々な状況下において、経営者はどういう風にストラテジーを組み、どのようなアクションを取っていくのかというのを様々なツールを使って分析する。毎回の授業の前に、教科書のReading Assignmentと、教材となるケース、それにディスカッションに使うための質問が配られ、生徒はそれを読んで各々準備していき、授業で教授の旗ふりのもの、議論が展開される。

余談だがケースに関しては、私が先学期取った他のケースメソッドを採用しているクラスと同様、HBS(ハーバードビジネススクール)出版のものを使うことが圧倒的に多い。残りのケースの発行元の内訳としては、たまにスタンフォードGSB、ごくまれにコロンビア、といった感じであろうか。他の学校で書かれたケースは未だ教材として出された事はないような気がする。ちなみに個人的にはHBSの形式が一番読み易いと思う。

話を授業に戻すがビジネススクールではいろいろなバックグラウンドの人がいるので、同じ説明を受け、同じ問題を出されてもまったく違うスタンスの意見が飛び交うことが多い。

更にこれが面白いところなのだが、ちゃんと指定された教科書(といっても教えているSaloner教授が長年使っているレクチャーノートをまとめて本として出版したものなので、実際スタンフォードGSB以外の所で教材として使われているのかどうかは疑問だが)のAssigned Readingを読んできて教科書に出て来たツールを使って分析した模範的意見を述べる人だけではなく、教科書を全然読まずにケースだけを読んできて、自分の知識と経験に基づいてだけ意見を述べる人もいる。

この後者の人間が、どう考えても教科書を読んでいないことが分かってしまうような発言をすると皆クスクス笑うのだが、すごいのはそんな失笑にはめげずに頑張って主張し、たまに教授をもやり込めてしまう人も出る。だいたいどんな業界のケースでも1クラスに60人も生徒がいると最低一人は経験者がいるし、そういう実体験に基づく意見も貴重なLearningの一部だと思う。

ちなみにこの前の授業では1990年代に航空宅配便業界においてニッチプレイヤーであったAirborne Expressを取り上げた。最近Airborneを買収したDHLは私がFedExに勤めていた時はライバル会社として常に意識して仕事をしていたので、自分の発言の出番が来たと思いかなり準備していったのだが、当日、何度手を挙げても教授が当ててくれない。

私の席は確かに端の方に近くて教授の死角になり易いのだが、その日私は堪り兼ねて手をより一層高く挙げたり振ったりしてみたのだが、依然として彼の目には止まらない。かと言ってこの教授は当てられずに話しだす「ゲリラ発言」を嫌うのであまり無理も出来ない。そのうちに教授が「このケースの最後でAirborneが業務提携を考慮しているRPSという地上配送サービスの会社、結局その後どうなったか知ってる人」と言い出す始末(RPSは2000年にFedExに買収された)。

そこまで行くと周りのクラスメートが、ここにフェデックスにいた奴が手挙げてるんだから当ててやれよといわんばかりに私の方を注目するので結局やっと当ててもらうことができたが、その日私が発言できたのはそれだけであった。教授の気を引くこともかなり努力がいるのである。

その授業ではもう一つ面白い出来事があった。クラスメートの一人が、ジョークとしてAirborneの宅配を授業中にクラスルームに届くようオーダーしてあり、見事クラスの終る10分前にレクチャールームのドアがノックされ、Airborneのユニフォームを来た宅配員が入るなり教授の名前を読み上げ、教授がそれは私だが、と言うとパッケージを教壇まで持って来てサインを求めた。

教授がパッケージを開けると中には潰されたアルミ缶が入っていた。このアルミ缶 も、その前の授業でやったアルミ缶製造会社のケースをひねったジョークである。後から聞いたら、これを成功させる為にAirborneのカスタマーサービスに3回も電話をし、更に宅配員が間違えないよう教室の周りにその時間に授業を取っていない生徒を誘導チームとして教室の外に待機させる準備までしたらしい。さすがである。

これを成功させたIanというクラスメートはクラスで一躍有名になり、その後もクラスメートの期待を裏切らないよう、ディズニーのケースの日には、ミッキー、ドナルドとプーのぬ いぐるみ軍団を入場させる等、忙しそうである。

次回は他のクラスのレポートも細かくして行きたい。

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