Campus Report 2004

竹中 重人 to Tuck School of Business at Dartmouth(全20回)

MBAホルダーへの道

Vol.6 充実の木曜日

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AM 8:30

木曜日の最初はコーポレート・ファイナンスの授業。トピックは、企業の株や債権を持っている人にとって、そのペイオフ・カーブがオプションのぺイオフと相似であるという話だ。まあ大体の理屈も難しくないし、その後はブラック・ショールズ式に当てはめるだけの簡単な問題が課題として出ていた。しかしながら、一点だけやや理解に苦しむ所があり、昨晩スタディーグループで話をしてもわからなかった。

この授業を教えるのはGarcia教授。「ファーストネームで呼んでくれ」というので、みんなDiegoと呼んでいる。訛りの強い英語でFinanceを「フィナンス」と発音するDiegoは弱冠30歳のスペイン人で、見た感じはややプリンス(ミュージシャン)に似ている。同じ歳の人間がTuckで教えているということに、最初は大いに驚いた。

Diegoの講義は基本的なところから始まって、1時間ほどしていよいよ自分にとっての核心へ。ここが理解出来ていない部分だ。Diegoの説明にクラスの半分くらいはぽかんと聞いている感じ。むむっ、なるほどなるほど。おおっ、わかった!! 今日のDiegoは冴えている。今学期一番の出来だ。ホクホク顔で教室を後にする。

AM10:20

2コマ目はマーケティング。担当のKevin Keller教授は、この世界では超有名人である。KelloggのKotler教授によるマーケティングのバイブル「Marketing Management」も最新版はKotlerとKellerの共著となっている。極めて巨大な、まるでWebster辞典かと見紛うばかりの巨大なこの教科書を持って歩くのは大変だ。その上リーディング・アサインメントを1日に2章とか割り当てるのは、どうにかして欲しいものだ。ちなみにKeller教授は毎回ダイエットコークを飲んでいる、やや腹周りが豊かなおっちゃんだ。極めて陽気な典型的ヤンキーといった風情である。

授業は80年代にAmerican Airlineが国内線向けに導入したバリュー・プライシングという料金体系に関するケースだ。当時の航空券は正規料金、様々な正規ディスカウント、格安航空券など複雑怪奇な料金体系で、且つ大手航空会社の殆どが利益を出せていないという、現在に酷似した状況が既に出来上がっていた。業界リーダー格のAmericanの新料金体系は、シンプルで透明でお手頃な料金体系の導入によってユーザーの利便性を高めると共に、業界の利益水準を高めようという試みだ。

航空業界の複雑怪奇な料金体系というのは、秋にミクロ経済で習ったコンセプトで説明が付く。競合他社の対応については、今やっているストラテジーの授業でも触れたゲーム理論の話で予測がつきそうだ。顧客の反応については、セグメント毎の顧客の購買行動を考えれば、ある程度見込みが付く。昨晩のスタディーグループでの結論は、珍しく全会一致で「新料金体系は失敗する」。自信あり。

授業が始まると、最初にDeltaの子会社のSongという新しい航空会社のビデオが紹介される。コストを削って極めて低い航空料金を実現し、且つ随所に顧客満足を高める工夫をしているこの会社は、あのSouthwest航空に似ている。が、1点決定的な違いが。各座席にモニターを付けて、そして機内で見る映画を有料にする。ゴージャスな機内食を有料でサービス。搭乗前の待ち受け時間にはゲート前でスムージー販売。こうしたサイドビジネスでなかなかがっぽり儲けているというのだ。やられた。昨日の議論は航空券の料金や顧客の利便性などの話に終始してしまっていた。

こうして最新事例を紹介した後、改めて80年代の航空業界についての議論が始まった。Americanのケースを読んで、その上でこのビデオを見た後だからこそ出る視点というものがある。Keller教授、ただのダイエットコーク好きでは無いところを見せてくれた。

AM11:50

マーケティングの授業が終わると、寮の部屋へダッシュ。スキー板をピックアップして、スキー場へ向かう。途中、車中でサンドイッチをほおばる。お隣のバーモント州にあるキリントンが、私のホーム・ゲレンデである。最大標高差957m、コース数200、コース総長139kmの東海岸最大のスキーリゾート。ハノーバーの町から車で1時間弱の距離にあり、週末はいつもこのスキー場に入り浸っている。このために年間パスもスキー板も車も買ってしまったので、Variable Costはガソリン代だけだ。

いくつかの山にまたがるのびのびとしたコース・レイアウト、スケール感、そして抜群の見晴らしがこのスキー場の魅力だ。初級者コースからコブの急斜面 、巨大なハーフパイプなどまで揃っている。また、膨大な数の人工降雪機を完備しているため、11月中旬から5月頭まで滑れるらしい。スキー好きにはたまらない。学校から車で20分の所にダートマス大学所有のなかなか良いスキー場があるが、やはりいつもキリントンに来てしまう。ここ1ヶ月で、スキーも大分上達した。この日も、午後半日ながらゴンドラを使って効率良く滑れた。

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PM05:30

スキー場のリフトは午後4時で営業終了。お次はハノーバーに戻ってポンドホッケーである。学校から車で5分ほどの所に大きな池があり、冬場は水が凍るため、池の上でスケートが出来る。ここでホッケーをするのがポンドホッケーなのである。もちろん大学所有の立派なホッケーリンクもあるのだが、仲間さえいれば予約要らずで好きな時に楽しめるポンドホッケーは、Tuckの冬の風物詩なのです。

ちょっとザラザラした氷の楽しさと、みんなが広い池の上で子供のようにホッケーを楽しむあまりに牧歌的な風景に、何故か頭の中に「赤とんぼ」が繰り返し流れる。スキーの後なので途中から全く体が動かないが、心地よい疲労感。

PM08:00

ポンドホッケー後に、同級生宅で酒を飲む。死ぬほど腹が減っていたので、ピザとビールがとても美味しい。

AM1:30

夜中の1時までお邪魔をしてしまった。寮の部屋に戻って、明日のスキーの準備。冬学期からは金曜日が休みになったので、明日も滑れる。いそいそとベッドに潜り込む。楽しい一日だった。

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